以下にリンクしている動画を見てから記事を読んで頂ければ幸いだ。

但し、動画を見ただけではその「凄さ」が伝わらないので、記事を参考にして欲しいと願う。

 

 

以下の記事は、私の友人の体験を取材して書いている。

2022年6月から、ある画期的なライブコンサートがロンドンで開催されている。

70年代から80年代にかけて世界的な大ヒットを出したスーパーグループABBAが、長期のライブを行っているのだ。

 

 

なお、そのABBAに関する情報は、以下を参考にして欲しい。

 

 

ABBA行っている画期的な長期ライブのタイトルは、「Voyage」という。

ライブの公式ページは以下になる。(英語)

 

 

あれ?と思った人は鋭い。

何故ならABBAのメンバーは現在全員70歳を超えている。

姿、形、若くない?

 

そう、このコンサートは、肉体を持ったメンバーは一切登場しない。

なんと、ABBAの「アバター」がライブをやっているのだ!!!!

 

そう聞くと、どうせチャッチイCGなんだろう・・と思うに違いない。

それとも出来損ないのフォログラムかね?

私もそう思った。

 

しかし、そのライブに行った私の友人曰く、

「そこに居るの・・、メンバーが、何度見ても本物に見えた」と言っていた。

「CG合成チックさは全然ないの?」と畳みかけると、

「全然ない、普通の人間のようにステージ居て歌って、MCをして、ステージでメンバーも絡むの・・」という回答。

 

ステージ下手には、人間のバンドが10人居て、実際の演奏は彼らがやっているらしいが、ステージ中央では、ABBAのアバターが歌って踊って、MCをするというのだ。

 

 

俄かには信じられないのだが、この友人、日本、海外を含め、数多のライブエンタを見ている人なので、信じる他はあるまい。

どうやらこのライブは、舞台演出、照明等を完璧に行うため、特別な会場を作った上で運営しているらしい。

 

関連記事からの引用だが、収容人数3,000人の特設会場〈ABBAアリーナ〉には、291台のスピーカーが設置され、オーディオ・アンプからはコンサート全体を通じて87万ワットが出力される。さらに500台以上のムービングライトを用いて、アリーナ内の3万ヶ所に光を照射。没入型ライヴ・コンサート体験の演出に一役買っているという。

相当な投資をしていることが伺える。

 

 

(関連記事/日本語)

 

当然なのだが、アバターを動かしているのは、オリジナルのメンバーの協力の基に取得したモーションキャプチャーデータだ。
歌は全て事前に収録されたものか、過去の音源を使っているはずだ。MCは当然だが、事前の録音だろうし、何パターンも録音しているか、AI生成の合成音声を使っているかもしれない。

 

ステージに再現されているメンバーの年齢設定は30代なのだが、実は、彼らは30代で解散しているので、過去に見る事が出来るはずだった彼らを再現している。

 

ステージ上部の左右には、昨今のアリーナクラスの会場では当たり前の大型LEDスクリーンがあるのだが、そこに映っている映像は、実際のライブを生で撮影しているのと同じくらい違和感のない映像が投影されていたという。

 

つまり、かなり完成度が高いらしい。

ああ、実際に見てみたい・・・。

 

 

R・ストーンズのミック・ジャガーも見たらしいのだが、彼もこのショーに相当驚いていたらしい。(現代の若い人が言うストーンズとは別ですよ)

 

さて、実はこのライブショー、今までには無かったある新しいビジネスモデルが隠されているのだ

 

それは、現役を引退したアーティスト、もしくは亡くなったアーティストのアバターライブという新しいビジネスモデルが構築された最初の例になりそうなのだ

 

当然だが、否定的、冒涜的と考えるミュージシャンの方が多いだろう。

 

しかし、仮にだが、何等かの病気等や高齢等々でライブ活動が出来なくなったミュージシャンが自分の分身(アバター)を活用することによって集客を可能にするのであれば、ミュージシャンの収入面を安定させる一つのツールになることは疑いない。

 

少なくともそうしたライブを体験したいという市場は確実にあるだろう。

また、メタバースの時代になれば、わざわざ物理的な会場に行かなくても、会場と同じクオリティーのライブ体験が可能になるだろう。

 

私は、ミック・ジャガーが反応したのは、実はその事じゃないだろうか?と考えている。
80歳が近いメンバーが、そう遠くない将来、ライブ活動が出来なくなり、収入が無くなる事は容易に想像出来る。

その年齢になった時、自分のデジタル分身が稼いでくれるというアイデアは、心強いと考えるだろう。

また、自分が死んだ後も、自分の家族に大きな遺産を残す事が可能になるに違いない。

時代と技術が進めば、モーションキャプチャーしなくても、過去のライブデータからAIが動きやクセを生成してくれるかもしれない。

 

友人の体験を聴いて、私が反応したのは、まさにこのことだった。

 

https://www.youtube.com/watch?v=JxWNxGymi4U

 

このライブに関しての是非はあるが、それでも市場は確実に存在していることを今回のVoyageが証明していると言っていい。

 

久しぶりに見てみたいショーであることは疑いない。

日本でも松任谷由実さんや松任谷正隆さん辺りが飛びつきそうなネタだと思っているので期待している。

 

以下、ライブレポートもあるので、リンクしておく。