多良 美智子  (著)の「87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし」。

 

実に示唆に富んだ本であった。

還暦過ぎた私だから理解出来る部分が沢山あるのかもしれない。

 

団地住まいの著者の生活は、シンプルで気品があって実質的だ。

それに著者は、普通の生活を楽しんでいる。

 

特に男性は、仕事から離れると、凡庸に思える日常生活を楽しむ事が出来難いが、著者を見ていると、あらゆる場所に日常を楽しむヒントがあると分かる。

 

毎日の食事は、悩ましい問題だが、女性の強みというか、実用的なレシピも公開されているので、参考になる。

 

著者が長年生きる中で勝ち取った生活スタイルなのだが、読者にも取り込める部分が多いだろう。

 

特に印象的だったのは、人間関係についてだ。

「(お互いに)深入りせず会った時に楽しめる関係」がモットーだという。

私もそう思う。

 

お金のことや葬儀の事についても言及があるが、是非、読んで欲しい。

 

久しぶりにお勧めな本である。