同僚に買い物依存症の女性がいる。
年齢60歳。
上場企業を定年退職したばかりの方だ。
以後、Cさんとする。
彼女の買い物依存症は、会社ではかなり有名だったらしく、
退職金の支払いは、一括か分割を選べるのだが、
人事から、貴方だけは分割以外は絶対にダメだと言われたらしく、渋々それに従ったらしい。(それも凄い話だが・・)
この会社は、親切な事に、退職する社員全員に、
退職後の1年強、住民税の支払いが退職後の収入に比してかなり重くなるための補助として、補填額以上の額を出してくれる有難い制度がある。
しかし、Cさんは、この金を3日後に全額使ってしまったらしい。
買ったのは高級腕時計だというが、その時計をしているところを見た事がない。
ご本人からは、過去の買い物の話や最近の買い物の成果を聴くのだが、
ハッキリ言って凄まじいを通りこして壊れているレベルだ。
Cさんが購入しているものの主たるものは、
男性アイドル、タレントに関係するものばかり。
特に多いのがジャニーズ系だ。
ライブチケット、グッズ、DVD、CD、出演映画作品のチケット、関連派生品等々。
凄いのは、1つ買うのではなく、複数個、複数チケットを買う点だ。
それも複数タレントに及ぶ購入をする。
先日も話を聴いていたら、二宮さんというタレントさんが主演している映画のチケットを15枚買い、グッズも売っている全てを3セットづつ買い求めたという。
どうやらこの映画は余り評判が良くないらしく、15回分を全て見終わる前に公開が終了しそうらしい。
こうした購入癖のため、部屋は文字どおりの汚屋敷らしく、寝る場所すらない満足に確保出来ないと話してくれている。
ご本人によれば、冷蔵庫も洗濯機も何もかも買い貯めたグッズ等の荷物に埋もれているため全て使えないという。
ちなみに最寄りのコインランドリーは、徒歩20分先にあるという。
家で自炊なんていうのは、全く夢の夢ということなので、寝る場所がないのも頷ける。
Cさんは、還暦を迎え、継続雇用になったため、当然のごとく、収入は下がっているのだが、支出は全く変わらないらしい。
従って毎月2桁万円単位の赤字が続いているらしいが、全てカードキャッシングやリボ払いで賄っている。
つまり自転車操業をしていることになるのだが、キャッシングが累積しているので、毎月の返済額は増え続ける一方だ。
当然毎月の支払いは収入を大幅に上回っている。
ご本人によれば、貯蓄は数百万程度しかないため、負債(つまりキャッシングしている分)を相殺すると赤字になっているようだ。
会社で言うと完全に債務超過なのだ。
足りない時にはどうするの?と聞くと、まだキャッシング出来るから大丈夫という回答だった。
全然大丈夫じゃないと思うのだが・・・。
凄い人がいるなあ・・と思いながら話を聴いていた。
本人は、危機感の自覚はあるようなのだが、新しいコンサート情報やグッズが目の前に現れると冷静さが無くなり、結局いつものように同じ商品を何個も買い求めてしまうようだ。
周囲も継続雇用が終わったら、危険な閾値に入るとアドバイスをするが、理解を示すものの、結局買い物は止まらない。
Cさん、果たして無事に人生を終えられるのだろうか??