私は政治の専門家ではない。

しかし、一国民として日本の国益には非常に関心がある。

 

よく外交は、表では手を握り、テーブルの下で蹴り合っているという言い方がある。

確かにそうなのだが、もっと適切で分かりやすい例えがあると思う。

 

外交は、本質的には暴力団の勢力争いと同じということだ。

 

どういうことか?

 

外交交渉の根幹は、つまるところ、経済力と軍備力が背景になければ成立しないという事だ。

外交力=経済力+軍備力と言い切って過言ではない。

 

日本の野党政治家の多くの中に、平和的外交的努力、徹底的な話し合いを訴える人たちがいる。

こういう頭の中に蝶々が舞っている気の毒な人たちには、外交の本質が理解出来ないのだろう。

人間、話し合えば判るというのは、民間人同士ならあり得る。

他国の人間相手でもそうだろう。

しかし、国家同士になれば、全く様相は異なる。

 

さて、これまでの話が「暴力団の勢力の争い」とどういう関係があるのか?

 

国家間において、「勢力」に当たるのは「シマ争い」であり、つまり「覇権」だ。

「覇権」とは、国家間における「優位性」である。

「優位性」は、影響力を及ぼす地政学的範囲拡大と金融支配に他ならない。

 

アメリカは、世界の経済取引においてドルを基軸に出来るようなシステムを構築した。

特に石油の取引はドル以外での決済は出来ないし、その延長線上にSWIFTによる決済やIMFの存在などがあり、ドル基軸を補強している。

アメリカは、ドルを基軸通貨にすることで、世界中の金融システムをコントロール出来る位置にいる。

なんと言っても、ドルを刷る権利を持っているのは、アメリカだけで、為替の影響を受けず自国通貨で全ての取引が出来る。
 

これが「ドル覇権」と呼ばれているものだ。

「ドル覇権」を支えているのは、アメリカ国家の経済力と軍事力に他ならない。

 

つまり、この2つが少しでも揺らげば「ドル覇権」に穴があく。

アメリカが「ドル覇権」を維持するため、死に物狂いになっているのは、このためだ。

 

近年の中国の経済、軍事的な台頭は、「ドル覇権」を破壊し、「元(げん)覇権」に転換する狙いが主だ。

 

ちょっと話が長くなったが、この構造、全く日本の暴力団のシ勢力争いやシノギの拡大と同じだと気付いてくれただろうか?

暴力団などの非合法組織は、自分たちの組織の勢力維持、拡大のため、シマやシノギを必要とする。
またヒエラルキーのトップに君臨するために暴力と経済力を背景として、他の組織を押さえつけ、勢力範囲の拡大を狙う以外にない。

 

大国の衝突は、大きな暴力団組織同士の対立構造と、根幹的には変わらない。

仮に話し合いで決着する場合があるとしれば、双方にとってデメリットが大きい場合のみだ。

 

中国の習近平国家主席は、中国の核心的利益という言い方をする。

これは、中国共産党の存在そのものの維持であり、覇権拡大である。
一帯一路やAIIB設立は、覇権拡大戦術の一環でしかない。

 

ところでアメリカにとっての核心的利益は、「ドル覇権」になるだろう。

前述したように、資本主義世界において、通貨覇権を握っていることは、世界中の金融や貿易の中核を握っているに等しい。

従って仮に中国が、アメリカの「ドル覇権」を本気で潰そうとすれば、経済力と軍事力を総動員して潰しに行く事になる。

外交的な交渉は、その背景在りきでなければ成立しない。

 

日本の外交交渉は、日米同盟があるから維持出来ている。

日米同盟は軍事同盟だ。

他国にとってアメリカの軍事を背景にしている日本を、

簡単には蔑ろには出来ない。

 

ロシアのウクライナへの侵略は、ロシアの軍事力を背景にしてウクライナを侵略し、自国に取り込むための帝国主義的な行動だ。

発想も行動も暴力団と同じではないか。

そう、ロシアは質の悪い暴力団と同じだし、プーチンは組長だ。

 

世界の主要国が核兵器をこれほどの数抱えている理由は、核が最終兵器である点と、外交交渉で強い切り札になるからだ。

今回のロシアは外交交渉ではなく、軍事進攻でそれらを結び付けた。

 

アメリカ組、中国組、ロシア組、イギリス組、フランス組、ドイツ組、日本組、オーストラリア組、インド組などは、それぞれの組と手を組んで、他の組をけん制している。

それが、NATO、日米同盟、クワッド、インド太平洋構想であり、TPP、IPEFであり、自国の軍備なのだ。

 

沖縄辺りでは、基地が無くなれば戦争に巻き込まれる事がなくなると主張する人たちがいる。

沖縄は、大変な戦禍を経験しているため、軽々な事は言えないが、残念ながらこの主張は完全に誤りだ。

 

特に独裁主義国家が軍事力を背景にして覇権拡大を目論むのが当たり前の思考回路であることを理解していれば、無防備な場所をほっておくはずがない。

ロシアのウクラウナ侵攻だけを見ても明らかで議論の余地がない。

 

福岡の中国総領事館の総領事がつい最近那覇に入った。

沖縄の華僑を集め、会議をしたという。

入手した極秘の議事録によれば、総領事は彼らに「沖縄から米軍基地を叩き出せ!」と、言ったことが分かっている。

 

(情報ソース:青山繫晴参議院議員のYOU TUBEチャンネル)

 

 

 

本来なら新聞の一面になるほどのスクープだが、この情報は議員以外からは発信されていない。

アメリカ大使館や国防省は、どう感じているだろうか?

 

中国は、親中派の知事、市長を増やす事で、明らかに沖縄から日本への浸食を実現しようと動いている。

それに反して、沖縄県民や日本国民は、安穏としたままだ。

 

日本国内に、危機感を持っている人は少なくないが、特に沖縄の左翼勢力と中国の工作は深刻なレベルにある。

 

中国という大暴力団からの侵攻、侵略が起きてからでは遅いのだ。

 

外交の本質は、魑魅魍魎の世界だが、我々はその現実の中で生きていることを忘れてはならないと思う。

 

 

ちなみに外交と暴力団の在り様を結び付けた考え方を普及させた立役者は、元山口組のヤクザで、現在は投資家と政治評論で有名な猫組長だ。

暴力団という特殊な世界から見てきた世界観と現実問題において、素晴らしい著書も何冊かあるので、お読み頂く事をお勧めする。