香川照之氏の銀座ホステスへの性的被害問題は、週刊誌に端を発し、ネット、ワイドショー等で炎上中だ。
Googleで彼の名前で検索すると4,000万件もヒットするが、もちろん全てが例の事件関連ではない。
以下は週刊現代から発信されているネット記事だが、直接の事件は2019年7月の来店時に起きており、被害者Aさんは2020年5月に店のママさんを相手に損害賠償請求裁判を起こしている。
香川氏相手の裁判ではない。
何故か、2021年になってAさんは訴えを取り下げている。
記事には示談金330万円が支払われたとあるが、誰が支払ったかの主語がない。
今回の報道は、2022年8月24日のデイリー新潮が最初で、翌週にはホステスの髪の毛を掴んで不敵な笑いをする香川氏の写真が日本全国で閲覧可能になった。
何時の時代も、百聞は一見に如かずの典型となった。
私だけなく、この報道に接して、何故3年前の夜の銀座のお遊びの件で、加えて、直接的には香川氏が訴えられてもいない件が今更のように蒸し返されたのだろう??
以下は私の仮説である。
確実な根拠はないから事実だとはとても言えないが、過去の芸能界の裏側で、何度も起きていたパターンと同じ符号があるから、それに基づいて推定している。
まず、香川氏の所属事務所は、ホームページで確認出来る。
極めて情報の薄いページで、彼ほどの大物タレントのページとは思えないほど貧弱だ。
稼ぎ手の香川氏の経歴やバイオグラフィーすらなく、それはベテラン女優の賠償美津子氏も同様だし、出演作品のリンクすらない。
また事務所の連絡先(電話番号、住所、メルアド)すら記載がないということは、この事務所はダミー会社なのか?とさえ感じるほど違和感があった。
事務所発信の本件に関するコメントは以下だ。
http://lotus-roots.co.jp/wp-content/themes/lotus-roots/pdf/20220825.pdf
このコメントを見て感じた違和感は、発信者は、法人だが、代表者名もしくは発信の代表者名の記載は全くない。広報の基本として、ちゃんとした会社であれば、こういう表記方法は取らない。
事務所に関する別の情報は以下。
香川氏の所属事務所である「ロータスルーツ」のホームページには、法人に関係する情報が全くない。どうやら住所の所在は目黒区らしいが、会社の代表者名や資本金等の情報は皆無。
つまり、ロータスルーツは、極めて個人事業主の経営する事務所で法人情報を掲載するほどの規模なのか?とも推定出来るが、別の法人が運営母体である可能性の方が高いだろう。それにしても、事務所の連絡先の記載がないのは不可解。
多分、芸能界内で取引している人たちにとっては、不要なのかもしれない。
日々の交流の中で、担当マネージャーや本当の事務所の連絡先を知っているからだ。
芸能界では、ロータスルーツ位の規模の事務所が大手事務所と連携もしくは事実上の子会社化した形で経営や運営をする事がある。
ロータスルーツもその形式を取っているのかもしれないのだが、ホームページの貧弱さを見て、いわゆる大手事務所の関与はちょっと薄いかもしれないと思った。
その場合、考えられる事がある。
私のような余りテレビを見ない人間でも香川氏の売れっ子ぶりは伝わってくる。トヨタのCM、昆虫オタクぶり、そして半沢直樹シリーズなどで我が世の春に違いない。
THE TIMEの司会までやっているではないか。(見てないが・・)
相当な稼ぎを叩き出していることを疑いようがない。
ロータスルーツのような弱小プロダクションがハンドリング出来る規模を超え始めていると言っていい。
そして、今回のスキャンダルの発信の裏側を想像する中で、大雑把に言えば、2つのストーリーが考えられると思う。
ストーリー1:既存の大手事務所系の人間か芸能界で影響力を持っている人物が、香川氏もしくはロータスルーツを業務提携等で、他社支配から切り離し、自分たちのエコシステムに取り込もうと画策したが、抵抗もしくは拒絶、無視され、香川氏の過去の蛮行を暴露することで彼の追放し、事実上、芸能活動を無効化することを計った。
ストーリー2:香川氏が、ロータスルーツの実質的な支配会社を運営する芸能事務所に対して、大幅な待遇改善、具体的に言えば、ギャラと手数料の配分率の変更、または、同時に独立もしくは移籍をチラつかせたため、収集が付かなくなり、支配会社側が香川氏の過去の蛮行を暴露して葬る決断をした。
両方のストーリーに共通しているのは、結果的に香川氏を芸能から葬るということが目的となる。
その背後の理由は、上記のストーリー1~2以外にもあるのかもしれない。特に2の方はあ、葬らない方法、つまり活動を継続させることで対応が可能な事もある。
普通、彼ほど金を産み出すタレントを葬る理由は、彼の存在、もしくは彼を取り巻く環境が、ある人間たちにとって本当の意味で邪魔になったという事以外にはない。
そういう意味で、ストーリー1は一番考えられるシナリオだろう。
取り込む側が自分たちの支配下に入らないという事を知れば、居なくなってくれた方がメリットが高いからだ。
THE TIMEや他のテレビ番組の香川氏の出演部分の座席が空いた訳で、そこに他のタレントが座る空席が出来た。CMも同様だ。
実際、過去にもこの手の話はこの業界に数多く存在している。
ストーリー2だが、ロータスルーツもしくはロータスルーツを事実上管理していた会社の人間が黒幕だとすれば、それは香川氏を失ってもいいほどの売上規模のある法人だということになるだろう。
しかし、この仮定はちょっと設定しづらいと思う。
会社の利幅が減るから、タレントを潰してしまえ、というのは、全く無い話ではないが、香川氏のレベルではちょっと考えづらい。
また、今回の雑誌の報道やメディアスクラムを考えると、香川氏ほどの売れっ子が守れなかった事実を俯瞰するだけで、彼の事務所にはパワーがなかったと推定できる。
従ってあくまでも個人的見解だが、ストーリー1が背景だったのではないのだろうか?
こうしたシナリオは何を意味するかと言えば、ストーリー1のようなシナリオを実現出来るだけの芸能界内の政治力を持ち、尚且つテレビ、雑誌等のメディアにも一定の影響力がある人物が現実的に居るということだ。
ある意味、古い芸能界のシステムはまだ有効なのだろう。
しかし、そのシステムも、10年もしない間に脆弱性を露わにすると予言しておく。
古い芸能界のシステムは、テレビメディアでの露出機会を囲い込む事でその力を発揮出来たからだ。
今後、テレビメディアは、今以上に影響力を落とす時代が顕著になる。
そうなれば、古い芸能界のシステムは機能不全になるだろう。
古い芸能界のシステムにはメタバースや動画サイト、NFTなどの新しいメディアとの親和性が殆どゼロだし、彼らにはこれから現れる新しくて影響力のあるメディアを自分たちのエコシステムの中に取り込めない。
取り込む方法があるとすれば、力ずくだけだろう。
日本の芸能界は、長い間、自由な市場を拒絶した狭い村社会とも言える環境下の中で自分たちの利益を最大化する方法で営々と営まれてきた。
それを支えてきたのはテレビの露出や他のメディア(雑誌、新聞)のパワーを芸能事務所側が上手く囲い込むことでタレントパワーと対峙して成立してきた。
ひょっとしたら香川氏の今回の騒動は、古い芸能界の最期のあがきなのかもしれない。
最後に断っておくが、上記記載は、あくまでも著者の妄想である。
あしからず。