まず、冒頭で明確に明示しておくが、私は旧統一教会というカルト宗教団体は、完全に消滅して欲しいし、日本から撤退して欲しいと考えている立場だ。

かつのてオウム真理教同様、旧統一教会という宗教団体には問題が尽きない。

日本憲法学が謳う信仰の自由を鑑みても、人を不幸にする宗教団体の存在には、明らかに何等かの法規制が必要です。

 

それを踏まえて以下をお読み頂きたい。

 

まず、立憲民主党や共産党などが合同でヒアリングでの前川喜平・元文部科学事務次官の発言についてだ。

 

以下はNHKの報道WEBサイトからの引用の趣旨。

 

2022年8月5日午後、国会内で会合を開き、前川喜平・元文部科学事務次官からヒアリングを行った。

◎この中で前川氏は、担当の文化庁宗務課長として、部下の職員から報告を受けていたと説明しました。

◎「宗務課の中で議論した結果、実態が変わっていないのに名前だけ変えることはできないとして、認証できないと伝え、『申請は出さないでください』という対応をした。相手も納得していたと記憶している」と述べた。
◎18年後、当時の宗務課長から教会側が申請した名称変更を認めることにしたと説明を受け、前川氏は認証すべきでないと伝えた。
◎この時の経緯について前川氏は前例を踏襲する役所の仕事からすると、何らか外部からの力が働いたとしか考えられない」と指摘しました。
◎前川氏は「下村大臣まで話が上がっていたのは、判断や指示を仰いだことと同義だ。『イエス』か『ノー』か、どちらか言ったはずで、結果を見れば『イエス』と言っているはずだ。下村氏の意思が働いていたことは100%間違いないと思っている」と述べた。

 

NHK以外のマスコミ(テレビと新聞)も同様の報道をしていたが、内容や趣旨は同様だった。

これだけの報道情報だと、多くの国民は以下のように感じただろう。

 

◎前川氏らは、違法性の高い活動をしていた宗教団体の名称変更を阻止してくれた素晴らしい官僚たちだ。

◎過去の経緯を鑑みれば、18年後の申請を受理し、名称変更の決定はあり得ず、当時の下村文科大臣の「政治判断」が強く関与していたはずだ。(つまり下村大臣や自民党関係者には旧統一教会の意思が強く働いているに違いないと推察している)

 

果たしてそうなのか?

 

私の知る限り、地上波テレビでこの点の誤りを指摘したのは、橋下徹氏だけだ。

個人的には橋下氏とは多くの点で見解が合わない人物だ。

正直言って好きになれない人物である。

しかし事実に基づいた主張は好き嫌いと関係ない。

本件に関する橋下氏の指摘は全く正しい。

彼の指摘は以下だ。

◎前川氏が名称変更の申請に関する担当をしていた時期においても、官僚は名称変更の申請を前裁きする法的権限はなく、認証できないと伝え、『申請は出さないでください』という対応は全くの違法行為。

18年後の申請を再度受理しとあるが、本来なら最初の受理時に処理されるべき案件。

◎名称変更の申請は、申請されてから書面上に誤りがなければ3か月以内に認めなければならないと法律が定めている。従って当時の下村大臣の関与は不要で、政治家が決定に関与する余地はない。(例えるなら、住民から住民票の発行を申請されたら受理して発行するだけに近い業務)

◎旧統一教会の霊感商法の被害問題は、残念ながら名称変更の実務と連動した法律が存在しないから関連付けて恣意的な対応出来ない。

上記は主張は法律に基づいていて議論の余地がない。

しかし、こうした趣旨を世間に言うと、オマエは旧統一教会を擁護するのか?という困った人たちがヤイノヤイノと言ってくる。

 

冒頭に言ったように、私は旧統一教会には消滅して欲しい人間だ。

ではその人間が何故こうした事を言うのか?

 

日本の報道機関や野党は、事実や情報を未整理に扱い、無関係な情報を関連付けて報じたり論じたりする非情に悪い癖がある。

そうする理由は、報道機関が誘導した方向に世論を誘導したいからだ。

では、どう誘導したいのか?

 

◎旧統一教会は、悪の宗教団体だ。(これはある意味事実だが、それでもこの団体の宗教で救われている人、破滅させられた人など様々な人がいる点は保留すべき点)

◎悪の宗教団体には善はなく、全て悪だ。

◎悪の宗教団体から支持を受けたり援助をされている国会議員は悪だ。特にそれは自民党議員だ。

◎霊感商法の被害者を無視するような行動は、法律が認めていても許されるものではない。つまり超法規的措置があったても良いはずだ。

 

こういう情報整理の仕方をミソくそ一緒という。

 

では、キチンとして方法で情報整理しよう。

 

まず法律面から考える

 

◎現行の名称変更の申請事務は、団体が反社会性を帯びている場合において、法律的不備があると分かっているため、必要な法改正をする必要を検討し実行すべきだろう。
但し、特に宗教団体等の反社会性の定義は、憲法との整合性を必要とする。

また、この法改正は旧統一教会のだけの問題に当てはまめられるのではないため、広範な組織の名称変更事務に悪影響を及ぼす中身にならないような対応が必要。

 

◎前川氏の官僚時代の行為は完全に法律違反。

それを一切指摘もせず、また前川氏が正義の味方のような扱いをしている合同ヒアリングや報道は、明らかなミスリード。そもそも国会議員のヒアリングで、法律違反を堂々としてと公表している人物の発言を正さない事自体に問題がある。

官僚が恣意的に事務手続きや認可に対する前裁きをする権限を得ると、中国共産党の連中と同じような社会になることは言っておく。
 

◎日本は法治国家である以上、法的処理が大前提。

但し、社会的なコンセンサスとして法律論だけでは、釈然とせず、納得出来ないという感情や考え方があるのは事実。
こうした事は、国会議員を通じて法改正出来るように、国民が意思を示すべき。

その中で、メディア等は、釈然としない課題について論議を盛り上げ、法改正へのプレシャーを政府や議員にかけてゆくのが健全な在り様だろう。

 

◎霊感商法に関しては、法律改正によって対応可能な法制度が存在する。

 

情緒面から考えてみよう。

 

◎旧統一教会の霊感商法の歴史は長い。被害者も多い。なぜそんな宗教団体が放置されてきたのかは甚だ疑問だが、桜田淳子氏の合同結婚式以外には、世間の耳鼻を集める事もなかったからだ。

そもそも宗教の本質は、「鰯の頭も信心から」だ。

個々人の価値観に踏み込むのは非常に困難。

私からすれば、無価値に思える様々な商品も、他人には命より大事ってことも多い。

そこに一律の価値観(法律)を敷くのが現実的に難しいという事だろう。

 

◎宗教団体の寄付に関しては、どの宗教も程度の差があるだけで同じだ。その程度をどのような尺度で測れば納得感があるのか?

この線引きは難しいと思う。モヤモヤする部分だ。

 

 

さて、日本メディアの最大の欠点は、1960年代の学生運動以降、左翼活動家連中の受け皿になった事だろう。他にも芸能界、音楽業界、教員などが左翼活動家連中の受け皿になった。

従って特にメディアは、国家から様々な恩恵を受けている立場でありながら、政府批判のみにその存在意義を見出して商売をしてきた。

それと同時に、左翼思想の人間が巣くうメディアが、一定の発言力を持った事で、政治の在り様を決定する存在になり、連中はますます調子に乗った。

 

実際、私も40歳頃までは、テレビ、新聞の報道や主張を真に受けていたし、それに反対する論調を語る人たちをトンデモない人たちだと思っていた。

 

しかし、SNSの発達と民間人でも一次情報が取れる時代になり、様相は一変した。

特に若い連中は、ネットの様々

なルートで情報を取るし、還暦過ぎた私でさえも、マスコミの報道を批評する様々な動画や一次情報で真偽や意図を確かめられる時代になった。

 

今回の名称変更だけを取り上げても、各放送局のワイドショーの論調は、殆ど同じで、橋本徹氏のような発言は、テレビ側にとって迷惑だろう。

テレビ側は、旧統一教会に巣くうように見える政権側の政治家にレッテルを張って葬りたいだけなのだ。

 

また前川氏の発言は、文科省の行政がいかに出鱈目かを自ら認めた珍しい例だ。

自分で法律違反をしていたことを認めて平気でいられる元官僚の脳みその構造が良く理解出来ないが、彼はそういう人間なのだろう。

 

しかしこれと同様の出鱈目の前例がある。

例の加計学園の問題だ。

加計学園の獣医学部の新設で、認可に際して安倍首相が関与したとマスコミが騒いでいたあの問題だ。

簡単に言えば、文科省は、約50年間に渡って、獣医学部新設の申請を官僚の裁量で撥ねつけていたのだが、それ自体は、名称変更申請と同様で本来は前裁きをする権限が官僚にはない。
申請を受理し、適切に認可作業をしなければならない事は法律で定められている行為そのもので、それ以上でもそれ以下でもない。

つまり不受理の歴史そのものが法律違反だったわけだ。

 

実は、文科省と獣医学関係者は、この問題において一連托生だ。

獣医学の医師が必要以上に増えると、既存の医師は割を食う。

また獣医学部は文科省の天下り先で、無暗に増やして淘汰が起こると自分たちの天下り先が無くなる。

両者の利害が一致して、文科省は新規の申請を却下し続けていたのが事実なのだ。

 

しかし安倍政権下で、法律通り新規申請を認める動きを見せた事に対して、一連托生の連中が、まるで安倍首相のスキャンダルのようなストーリーをでっち上げて、左翼メディアがそれを喧伝したのが加計騒動の本質なのだ。

 

信じられないという人がいるだろうが、これが事実だ。

 

近年、メディアの劣化は想像以上だ。

しかしSNSの発達で、メディアの劣化を一般大衆が客観的に把握できる時代になった。

またこれまでメディアだけが情報発信を独占していたが、今ではその関所がなくなり、フラット化した。

2022年9月、朝日新聞は45歳以上の社員の大量リストラをするらしいが、当たり前の流れで、これからさらに加速するだろう。

あと10年もすれば、朝日新聞辺りは学校新聞レベルになるだろう。

テレビも新聞も、役割を小さくする一方で、大きくなることはない。

主義主張と報道をはき違えて情報拡散をし、商売にまでしてきた連中は、早々に退場してもらいた。

 

現代では、信頼出来る個人(一部の国会議員、評論家、分析官、専門家等)の発信を見聞きしていた方が、はるかに現実を反映している。

 

何が悲しくて色のついた垢塗れの情報を金を払って買うのだろう?