我々は不条理に囲まれて生きている

~現在の日本の国家財政問題は心配無用という事実 part3~

 

まず、日本の財政危機を煽っている根源は、財務省だ。

理由は簡単。

彼らは増税による国家予算配分という権力を絶対に手放したくないというにかかっているからだ。

この権力を維持するために、財務省の役人たちは、日本国家の借金は増税によってしか解決されないというストーリーを喧伝しており、実際、マスコミを通じてそれを日々やっている。

ある意味で、日本最大の反社会勢力と言いたくなる存在だ。

 

マスコミは、強大な権力と情報源である財務省に盾突く事は自分たちのビジネスに差し障るため協力せざるを得ない。

特に新聞社は、本社の土地の払い下げ利権の問題を抱えているから太刀打ちできる訳がない。

加えて財務省は国税局という強力な徴税組織を抱えている。

新聞社やマスコミにとって、国税の存在は無視できないが、それは即ち財務省の権力にも繋がっている。

 

1992年に自民党の金丸信議員による10億円にも及ぶ政治資金規正法違反事件の裏側を操っていたのは、まぎれもなく財務省系の官僚たちだった。

これは、財務省官僚たちが進めていて一旦は決定が出ていた「グリーンカード」(少額貯蓄等利用者カード)の導入を金丸議員らに阻止されたことが原因とも言われている。

 

これ以後、特に自民党議員は、財務省との距離感に相当な気遣いをする必要に迫られたと言われている。

財務官僚らは、その頭脳を駆使して自らの権力基盤に最大限の力を注いでいる。この巨大なサイロイフェクトは、日本経済の低迷の主要因になったと言って過言ではない。

 

日銀も財務省の影響下にある組織だ。

これに初めて楔を打ったのが2022年7月8日、暗殺された故・安倍晋三元総理大臣だ。

元財務官僚の黒田東彦氏を総裁に就任させながら、旧来の日銀の政策方針とは違う金融政策を実現させた。

第二次政権下、朝日新聞が揶揄して命名した「アベノミクス」。

大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を掲げ、逆風の中で実行した。

 

安倍晋三元総理大臣が凄かったのは、保守系と言われる政治家の中で、海外では左傾が行う経済対策を躊躇なく実行した点だ。

本来ならば、日本の民主党がやっていても可笑しくない政策だ。
日本の首相として初めてと言っていいだろうが、マクロ経済に基づく金融政策と雇用政策を現実の政治の中で実行した事は特筆すべきだ。


大胆な金融政策で、日銀のゼロ金利政策と日銀引受の国債発行によるマネタリーベースの増大を図った。これによって株価は上昇し、マクロ経済の教科書通りの効果が顕れ、結果的に失業率が2.3%まで下がった。


但し、財政政策については、政権発足当初は吹かし気味だったが、2回の消費税増税によって帳消しにしてしまった点は失政と言っていいだろう。

消費税増税は法制化されてしまっていたため、内心は増税に反対だった安倍氏も政治エネルギーを使ってひっくり返すことが出来なかった。

 

そのため、デフレからの脱却はある程度実現したが、金融政策だけの措置の限界を露呈してしまった。

財政政策の足かせは、財務省官僚とそれに付帯している議員やマスコミ勢力の影響の現れだろう。

 

財務省は、東大法学部卒業者がウヨウヨいる。
普通に考えれば日本一の頭脳集団のはずだ。
本来、彼らは、国家公務員として、日本の国益を財務の観点から最適化するのが仕事だ。
しかし現実は違う。

 

財務官僚やそのOBらは、財務省という小さなコップの中だけを最適化することに注力している。こうした愚かな官僚たちの営みを見るにつけ、日本を第二次世界大戦という悲惨な路に導いた愚かな軍事官僚たちと重なるのだが、これは私だけだろうか?

 

実際、財務省は、日本国内の報道機関を使って国債の債務の積み上がりに関して危機を煽っているが、海外において、日本国債には債務の問題がないと喧伝している。

彼らの海外向けの投資家や金融関係への主張は以下に公式として存在する。

 

 

財務省は、日本国債に問題がないと世界に向けて発信しているのだ。

しかし国内向けには逆の情報を伝えている。

 

これだけでもう十分お分かりだろう。

財務省は増税を達成するためにダブスタをしているのだ。

 

いまや、日本のリフレ派の理論は、疑いようもないほど現実の経済の在り様と整合している。
アメリカの記録的インフレと低い失業率は、コロナ禍のバイデン政権下での財政政策の出し過ぎが原因だ。


今回の米の金利引上げは、それを是正するための措置で、いずれ若干の失業率の悪化を織り込みながらインフレ率を4%程度まで引き下げることになる。

ここ数年、MMT(現代貨幣理論)を華々しく語っている人たちが多いが、この理論は全くのインチキと断言して良い。

少なくとも世界のマクロ経済の主流においてMMTを語る人は居ない。

理由は簡単で、MMTには数学的及び経済学的理論の裏打ちが皆無だからだ。

つまりガセ理論と言っていいだろう。

 

日本でもリフレ派でMMTを信奉している高名な大学教授がいるが、理解に苦しむ。

(MMT論者たちは、当初日本国債を1,000億円でも発行して問題ないと言っていたが、こんなに大量に発行したら極度のインフレになることがマクロ経済の観点からなら常識だ)
 

岸田政権の新しい資本主義は、定義がない。

定義のない方針は実現しない。

多分、岸田首相は、社会主義的な方向性を模索しているのだろう。

しかし、何を方針とするにしても、経済は理論的に動く部分が大きい。経済の理論は、物理学ほどの精度はないが、一定の範囲内の動向を予想し、傾向を見極める事は可能だ。

 

賃金引上げにしても、失業率との関連性があり、これを無視して行う事は出来ない。また失業率は、マネタリーベースと強く関連している。

マネーの供給や絞込みは政府と日銀にしか出来ない。

GDPギャップが30兆円近くある現在において、政府以外には30兆円のギャップを埋める事が出来ないが、岸田政権の対応は数兆円程度だ。

 

プライマリーバランスの黒字化を謳う財務省や政府は、全くマクロ経済理論を判っていないことになるが、岸田政権がこうした経済政策を続ければ、再びデフレに逆戻りすることになるだろう。

 

デフレは企業収益を悪化させ、失業率を上昇させた上に、自殺者を増やす。

これが岸田政権の云う「新しい資本主義」なのかね?