結果的にみれば、2021年の自民党総裁選挙はメディアジャックに成功した。

菅総理が退陣発表し、4候補による政策論戦が火花を散らしたことで、メディアが多くの時間を割き、国民の注視を誘った。

菅総理は意図しなかったかもしれないが、自民党を救った功労者かもしれない。

 

野党は焦っただろう。

なんせ衆議院選挙直前の事だからだ。

横浜市長選挙で野党押しの候補が大差で勝った事で衆議院選挙もその波に乗ろうとしていた矢先だったから、目算が狂ったに違いない。

 

さて、現在野党には、立憲民主党、国民民主党、共産党など中・少数政党が乱立状態だ。

 

何故かと言えば比例代表並立制があるからだ。

 

野党が与党に勝って政権を奪う可能性を高める方法は実は3つある。

 

1つ目は、野党が連合をし、小選挙区の候補者調整をすること。

2つ目は、主要野党が連合して大規模党に変身すること。

3つ目は、比例代表制を止めて小選挙区制のみにするよう現実的に動くこと。

 

どれもこれもハードルが高いのだが、実は3つ目の方法以外で野党が与党に勝って政権を奪う事は(ほぼ)無いと思う。

 

あとで説明するが、比例選がある間は少数政党の存在は無くならない。

従って野党が連合をして一体になるのは困難だ。

事実、この秋にもあるだろう衆議院選挙の野党連合の在り様や候補者調整すら上手く行っていない。

 

しかし比例代表制を止める事は相当な抵抗があるだろう。
特に社民党などは完全に消滅するからだ。

社民党や令和新選組のような極小政党や国民民主党のような中途半端な規模の政党が多いほど野党の一体的なまとまりは困難となる。

少数政党の存在価値は全てを否定しないが、自分たちの主張が政策に反映されるかどうかを考えれば、少数政党は中規模以上の政党に吸収された方が政策実現への可能性が高くなる。

 

政権交代は大きな2つの政党か主義主張の交代でしかありえない。

3つ目の政党は必ず選択されないかどちらかに取り込まれる運命だ。

 

全議員の選挙方法を小選挙区制にしてしまえば、国民は2人もしくは最大でも3人の中から1人の候補者を選択できるようになる。

当然だが、死に票を鑑みれば、与党側も野党側もそれぞれから各1名しか立候補者を出せないためシンプルになる。

またそれによって野党は必ずまとまる必要に迫られる。

当然だが、現実的な政策提言と実行力は基本中の基本。

 

しかし、このアイデアが実現する事はほぼ無いだろう。
 

従って野党側が現在の与党に拮抗して政権交代を実現するとすれば、

敵失を待つ以外にはないという結論になるかもしれない。