以前の甘酒の記事の理解を深めるために掲載しました。内容を深く理解しようとすると頭痛を発しますから、さらりとお読みください。

 

(以前の記事)

飲食物(15) 

甘酒:夏負け防止・絶賛の乳酸菌
2020-08-05

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12615723571.html

 

(今回記事)

免疫賦活効果・NK細胞活性作用・マクロファージ活性作用
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【米胚芽発酵エキス】F.R.G.E.
■はじめに

「米」はわが国において自給できる唯一の穀物資源として、昔から多く栽培され、人々の食生活を支えてきました。近年、米、米胚芽及び米糠に含まれている生理活性物質について多くの関心が集まっています。

米糠及び米胚芽に関して長年に渡って研究開発を行われ、その中から、γ-オリザノール、トコフェロール、トコトリエノール、ステロール、フェルラ酸、スクワラン、γ-アミノ酪酸及びセラミド等数多くの有効成分が抽出され、製品化されてきました。

これらの製品はすでに医薬品、機能性食品、健康食品、食品添加物、化粧品用素材として高く評価され、広い分野で応用されています。

米胚芽を伝統的手法である発酵技術を用いて処理することにより、新規成分を生成させることに成功し、新しい機能として免疫賦活(免疫力増強)作用を有することが確認されました。

発酵させた米胚芽から抽出、精製を行ない、免疫賦活機能性素材として米胚芽発酵エキス「F.R.G.E.」が誕生しました。

■発酵について

発酵は古くから日本に伝わる伝統的技術です。米や大豆を原料に酵母菌、納豆菌、乳酸菌、麹菌といった微生物を利用して味噌、醤油、納豆、鰹節、漬け物等の発酵食品を造ってきました。西洋でも食品素材を蓄える目的で作られたチーズ、パン、ビール、ワインといった、発酵食品があります。

最近これらの発酵物は単なる食品でなく、機能性を持った食品として注目されてきました。麹菌は発酵に伴って様々な酵素を生成します。その酵素の働きにより、新たな成分が生成され、それにより新たな生理活性機能が発現する可能性があるといわれています。

①麹菌について

麹菌はAspergillus(コウジカビ)属に分類される微生物です。コウジカビ属は、日本酒、泡盛、みそ、しょうゆ、みりん、漬け物などの日本の特色ある発酵食品の製造に古くから用いられています。

②米胚芽の発酵により変化する成分

米胚芽の麹菌発酵において分泌された酵素は、でんぷん及び糖類を分解し消化します。同時に、タンパク質を加水分解し、アミノ酸や低分子のペプチドを生成します。さらに、セリンのリン酸エステルであるホスホセリンやシステイン、シスチンが増加します。また、フェルラ酸含量も高まり、ジフェルラ酸が生成されます。

ホスホセリンを含むペプチドは細胞培養系において脾臓細胞、パイエル板細胞および胸腺細胞に対してマイトジェン活性を示すという報告があります。(大谷 元 信州大学農学部 第5回乳房炎研究会要旨集)

システイン、シスチンは抗酸化作用をもち、システインは抗腫瘍物質でもあるグルタチオンの構成成分でもあります。また、肝臓の解毒作用を高めたり、メラニンの生成を抑制し、肌表皮の代謝を促進するという報告もあります。

フェルラ酸、ジフェルラ酸には抗酸化作用及び、紫外線吸収作用が確認されています。また、近年フェルラ酸を用いた発ガン予防薬の開発が行なわれています。(第1回米ヌカ国際シンポジウム)

また米胚芽発酵エキスの中に、麹菌に含まれるα-グルコシダーゼによって生成するα-エチルグルコシドが検出され、米胚芽発酵エキス-P 中には0.2%以上を含有することが確認されました。

最近の研究において、α-エチルグルコシドを動物に投与することで、紫外線で誘発される荒れ肌の改善効果と利尿効果が報告されています1-3)。また、ダイエット効果、糖尿病改善効果などの研究も進んでいます。

免疫調整物質BRMとして有名な低分子化されたヘミセルロース誘導体の一種、高純度高活性なアラビノキシラン(Arabinoxylan)も豊富に含まれています。

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図:発酵により変化する成分

参考文献
1) Hirotsune M., Haratake A., Komiya A., Sugita J., Tachihara T., Komai T., Hizume K., Ozeki
K., Ikemoto T. Effect of ingested concentrate and components of sake on epidermal
permeability barrier disruption by UVB irradiation. J Agric. Food Chem., 53(4),
948-52(2005).
2) Kitamura N., Ota Y., Haratake A., Ikemoto T., Tanno O., Horikoshi T. Effects of ethyl
alpha-D-glucoside on skin barrier disruption. Skin Pharmacol., 10(3), 153-9(1997).
3) Mishima T., Katayama Y., Takagi Y., Ozeki K., Hayakawa T., Tsuge H. Ethyl
alpha-D-glucoside increases urine volume and causes renal morphologic changes in rats. J
Nutr. Vitaminol. (Tokyo), 51(1), 22-6(2005).


■免疫機能について
 
人の体には病原菌やウィルスといった、外界からの異物の侵入に反応するシステムがあり、これを免疫機能といいます。免疫機能を増強させる作用が免疫賦活作用です。

免疫機能に関与する細胞は主に白血球で、特にその中の顆粒球(好中球、好酸球、好塩球)、マクロファージ、リンパ球(NK 細胞、T 細胞、B 細胞)等が重要なはたらきをします。

マクロファージは体内に侵入してきた病原菌やウィルス等の異物を取り込み(貪食作用)、無毒化します。また、他の免疫細胞へ異物侵入の情報を伝達し、活性化させます。

NK 細胞は活性化されると独自に病原菌やウィルスに感染した細胞や、ガン細胞を攻撃し、細胞膜を破壊して死滅させます。

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図:体内における免疫機能

■米胚芽発酵エキス「F.R.G.E.」の機能性
1)免疫賦活作用

 

①感染予防作用(マクロファージの異物貪食能の増強作用)

(in vitro インビトロ)ー 試験管内試験

米胚芽発酵エキスF.R.G.E.は、体内に侵入したウィルスや細菌を消化し、無毒化するマクロファージの異物貪食作用を増強します。

米胚芽発酵エキスF.R.G.E.は、ラット肝臓マクロファージを用いた in vitro 系評価において、未発酵の米胚芽や市販の植物抽出物と比較した結果、マクロファージの貪食作用を著しく増強することが確認されました。

体内に侵入したウィルスや細菌の感染を予防する効果が期待できます。


図:ラット肝臓マクロファージの異物貪食活性
(サンプル終濃度:200μg/ml)

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(in vivo)
米胚芽発酵抽出物F.R.G.E.を、5週齢SD系ラットに2 週間毎日、1匹あたり200 mg/1 mlの調製液1ml を、また、コントロールとして生理食塩水1 ml を経口投与すると同時に、電光照射及び遊泳ストレスを与えた後、腹腔よりマクロファージを採取し、ラテックスビーズを添加、その後細胞を溶解し、溶解液の濁度を測定した結果、ストレスにより低下したマクロファージの貪食作用を回復させる作用のあることが確認されました。

老化やストレス、環境汚染等により低下した免疫力を高め、体内に侵入したウィルスや細菌の感染を予防する効果が期待できます。

図:ラット腹水マクロファージの異物貪食活性

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②抗ガン作用(NK 細胞のガン細胞殺傷能増強作用)
 
(in vitro)
米胚芽発酵エキスF.R.G.E.は、NK 細胞のガン細胞殺傷能力を増強します。

米胚芽発酵エキスF.R.G.E.は、ラット肝臓NK 細胞(Pit 細胞)を用いた in vitro 系評価において未発酵の米胚芽や市販の植物抽出物と比較した結果、NK 細胞によるガン細胞殺傷能の増強作用を持つことが確認されました。

 

図:ラット肝臓NK細胞のガン細胞殺傷作用

(サンプル終濃度:200μg/ml)

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(in vivo)
米胚芽発酵抽出物を、5週齢SD系ラットに2週間毎日、1匹あたり200 mg/1 mlの調製液1mlを、また、コントロールとして生理食塩水1 ml を経口投与すると同時に、電光照射及び遊泳ストレスを与えた後、開腹し脾臓よりNK 細胞を採取しました。

NK 細胞とマウスリンパ腫細胞(YAC-1)との混合培養を行い、YAC-1 細胞に対する細胞傷害活性を培養液のLDH 活性を測定することにより求めました。なお、全YAC-1 細胞が破壊された時のLDH 活性を100%とて算出しました。

この結果から、米胚芽発酵エキスF.R.G.E.には、ストレスにより低下したNK 細胞のガン細胞殺傷能力を回復させる作用があることが確認されました。

つまり老化やストレス、環境汚染等により低下した免疫力を高め、NK 細胞活性によるガン細胞殺傷能の増強作用が期待できます。

図:ラット脾臓NK 細胞のガン細胞殺傷作用

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2)抗酸化活性(DPPH ラジカル捕捉活性、SOD 様活性)
 
米胚芽を麹菌を用いて発酵させることにより、DPPH ラジカル捕捉活性やSOD 様活性が上昇し、3 日目で最高に達することが確認されました。

図:発酵によるDPPHラジカル捕捉活性の
時的変化(サ ンプル終濃度:100μg/ml)

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図:発酵によるSOD様活性の経時的変化
(サンプル終濃度:1000μg/ml)

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3)プロリルエンドペプチダーゼ(PEP)阻害活性

アルツハイマー型痴呆症の患者の脳内にはPEP が多量に存在し、この酵素活性により、脳機能の変調が引き起こされるといわれています。米胚芽を麹菌を用いて発酵させることにより、PEP 阻害活性が増強されることが確認されました。

図:発酵によるPEP阻害活性の経時的変化
(サンプル終濃度:1.9mg/ml)

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4)ポリフェノール含量

米胚芽を麹菌を用いて発酵させることにより、ポリフェノール含量が上昇し、3 日目で最高に達することが確認されました。

図:発酵によるポリフェノール含量の経時的変化

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