今回の記事は、地方での村おこしの参考になればと思い、掲載しました。但し、昨日今日、即座に出来るものではなく、少なくとも数十年の歳月を要することを鑑み、皆で子孫が集まる未来の輝かしい村をイメージし、今すぐ行動を起こすことをお勧めします。

 

海外ではディズニーランド、USJに次ぐ知名度…栃木県にある外国観光客が急増しているテーマパークの名前
米CNNが「世界の夢の旅行先」として日本で唯一選んだ
PRESIDENT Online
東大カルペ・ディエム
東大生集団
2024/07/27 

https://president.jp/articles/-/83943

外国人観光客は日本のどこを訪れているのか。東大カルペ・ディエムによる『外国人しか知らない日本の観光名所』(星海社新書)より、第2章「関東地方の知られざる観光名所」の一部を紹介する――。

東大カルペ・ティエム『外国人しか知らない日本の観光名所』(星海社新書)

(第1回)
早朝から外国人観光客が集まる鳥居
茨城県大洗町の「神磯の鳥居」は、その美しい朝日が写真映えすると話題になり、フォトスポットとして一躍有名になりました。

祭神の降臨地とされる岩礁は「神磯」と呼ばれ、一般人が足を踏み入れてはいけない禁足地に指定されている、宗教的なパワースポットでもあります。

神社の祭神は、神話「因幡の白うさぎ」で知られる福徳を授ける神、大己貴命(註)と傷病治癒の神 少彦名命(スクナヒコナノミコト)。彼らが世の苦しむ民を救うために降臨されたのがこの神磯の鳥居の場所です。

 

(註)大己貴命(おおなむちのみこと)
http://www.okunijinja.or.jp/beliefs/
大己貴命は「大国主命(おおくにぬしのみこと)」と呼ばれ、神話の中でも「因幡の白うさぎ」はよく知られており、赤裸にされたうさぎを助けられた心のやさしい神さまです。(一般には「大国様(だいこくさま)」と呼ばれ親しまれています。)

さて、なぜこの鳥居が外国人の間で有名となったのでしょうか?


大洗磯前神社 神磯鳥居
大洗磯前神社 神磯鳥居(写真=Saigen Jiro/PD-user/Wikimedia Commons)

人気の理由
人気なのは、なんといってもやはり壮大な景観です。太平洋から昇る朝日と磯に打ち寄せる荒波を背景に、凛とたたずむ鳥居は圧巻です。日の出時には多くのカメラマンが訪れシャッターチャンスを狙います。

 


https://www.oarai-info.jp/spot/postid_2916/

朝は地元のお店や社務所も開いていませんが、皆この風景を見るために鳥居の前に集まります。日が昇った後は神社境内にある、24時間採水可能な「御神水」で水をもらい福を持ち帰ります。

特に冬至の時期は日の出が遅いため、外国人観光客が朝早くタクシーに乗って地元の人と一緒に朝を迎えることが増えてきているようです。

また夜の海に映える鳥居の影も幽玄で美しく、徳川光圀が「荒磯の岩に砕けて散る月を一つになして帰る浪かな」という和歌に詠んだ、静かな月と共に海辺で過ごす時間を味わえます。

 

地元民との触れ合いを求めて
注目ポイント
神磯の鳥居はまだ人気になり始めたばかりのスポットで、多くの外国人向け観光サイトに紹介されているわけではありません。

知る人ぞ知るディープな観光スポットなため、地元の方と外国人観光客が荘厳な鳥居を背景にお互い交流をしたり、町内を案内してもらったりといった温かさがあるのが注目ポイントです。

近年はパッケージツアーではなく個人旅行が主流となっており、こういった地元の方との触れ合いやその土地ならではのローカルな魅力に出会えるのが、外国人観光客を惹きつける観光地の特徴なのかもしれません。

10万人の外国人が訪れる栃木の施設
日本人の多くは、「あしかがフラワーパーク」の名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

あしかがフラワーパーク_園内マップ

しかし、近年このフラワーパークに外国人観光客が急増し、中国やマレーシアやベトナム、タイなど東南アジア系の人をたくさん見かけるのは、まだあまり知られていません。

実際、外国人に話を聞くと「ディズニー、ユニバーサルスタジオに続く日本の有名なパーク」として、三大パークの一つに数えられるというから驚きです。


2014年にアメリカのテレビ局CNNが、あしかがフラワーパークで有名な「大藤」を取り上げたことで人気が沸騰し、翌年の外国人観光客は前年の倍となる10万人に達しました。

しかし一体、フラワーパークの何がここまで外国人にフィットしているのでしょうか?


栃木県足利市の「あしかがフラワーパーク」
栃木県足利市の「あしかがフラワーパーク」写真提供=共同通信社栃木県足利市の「あしかがフラワーパーク」で、見頃を迎えた樹齢約160年の「大藤」。=4月26日午後

 


https://hapitas.jp/tabihapi/14479/

ディズニー、ユニバーサルスタジオ、そして…
人気の理由
春頃には「ふじのはな物語」というイベントが開催され、夜間にはライトアップが行われます。

 

日本三大イルミネーション認定!あしかがフラワーパーク「光の花の庭~Flower Fantasy2022~」が2022年10月よりスタート!
https://rurubu.jp/andmore/article/18008

毎年秋から冬にかけてはイルミネーションが開催され、日本三大イルミネーションに選ばれる圧倒的なスケール感と、花をモチーフにした数々の光が実際の花畑と相まって幻想的な風景が出現します。

そして、米CNNが世界の夢の旅行先として日本で唯一選んだ地でもあり、SNSの投稿の多くは外国人観光客によるものであふれています。

特に「リール」と呼ばれる、頭上にまるで降り注ぐような藤の数々や広大なイルミネーションがある様子を映した動画が臨場感を持って発信されることで多くの人の目に留まり、「ディズニー、ユニバーサルスタジオに続く有名なパーク」と外国人の間で認知されるようになりました。


混雑を受け、新駅が誕生
注目ポイント
交通の便が良いとは言えない中、SNSでのバズや外国人観光客数の急増を背景に、ピーク時は隣の佐野市まで5キロメートル以上もつづく渋滞が発生しました。

今では混雑緩和を目指し、行政が協力して臨時列車の増便や駐車場の拡大が行われ、2018年4月には新駅「あしかがフラワーパーク駅」が誕生しました。来場手段を自家用車から電車利用に変えていくことで、整備が急速に進んだのも外国人観光客の影響です。

今後どのような新イベントが登場するのか、そして第三のパークとしてどこまで飛躍するのかが楽しみです。

ミシュランで紹介された景勝地
埼玉県の北西に位置する埼玉県長瀞(ながとろ)町の中央部を流れる荒川の岩石段丘は「岩畳」と呼ばれ、その絶景を見ようと多くの観光客が訪れます。その中には外国人観光客も多く、年間約10万人の外国人が長瀞を訪れています。

長瀞の自然あふれる景色やキャンプ、ラフティングなど自然の中で五感を使って楽しめるアクティビティも魅力の一つです。

 

岩畳の紅葉
https://www.nagatoro.gr.jp/koyomatsuri2019-3/

 

特に紅葉シーズンになると紅葉狩りツアーなどが外国人向けに行われており、外国人を意識した工夫が広がっています。
長瀞渓谷、埼玉県秩父郡長瀞町
長瀞渓谷、埼玉県秩父郡長瀞町長瀞渓谷、埼玉県秩父郡長瀞町(写真=Uryah/CC-BY-SA-3.0-migrated-with-disclaimers/Wikimedia Commons)

人気の理由
2011年、『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で紹介されたことをきっかけに、長瀞はそれまでの簡単な英語マップに代えて新たに詳細な外国人向けパンフレットを作成し、早くから外国人対応を行いました。そのため気軽に個人観光できる地として外国人に認知が広まり、今の人気につながったのです。

英語をはじめ韓国語、中国語など5カ国語分のパンフレットには最新のデジタル技術が取り入れられ、観光スポットの表示に専用ペンで触れると、それぞれの国の音声で観光案内をしてくれる仕組みになっており、そのハイテクさに多くの観光客は驚きます。

長瀞には有名な岩畳だけでなく、さまざまな日本文化体験スポットがあり、温泉やうどん手打体験、坐禅など長瀞だけで日本文化を楽しめるのも1日観光スポットとしての強みです。

埼玉=お祭り王国
注目ポイント

長瀞火祭り

https://www.chichibu-omotenashi.com/omatsuri/shousai/nagatorohimatsuri/


毎年3月の第一日曜日には長瀞火祭りが行われます。その見どころは、メラメラ燃える炎の上を裸足で走り抜ける荒行。お祭り王国として知られる埼玉県は2023年にはインバウンド向けのお祭りツアーを企画しました。

ただのお祭り見学ツアーではなく、実際にお祭りを体験できるとあって20代から50代まで、さまざまな国の方が集まり、中には片道3時間以上電車を乗り継いできた方もいたようです。

こういった特設イベントが町ぐるみで行われるところが、他の観光地と一味違う長瀞のポイントです。

自然、アクティビティ、美術館を楽しめる
無機質なコンクリートと機械に囲まれながら生活する現代人は、やがて自然を求めるようになりました。旅行先としても、寺や美術館などが人気を博す一方で、その地域の自然を感じられる場所が必ず入っています。

日本ならば北海道の釧路湿原、福井県の東尋坊、海外でもアメリカのイエローストーン国立公園、オーストラリアのウルル(エアーズロック)など、自然を感じられる観光地は世界中で求められています。

そうした中で、関東地方の身近な場所でも自然が感じられることをご存じでしょうか? 

実は千葉県の「ふなばしアンデルセン公園」が、外国人にとても人気なのです。自然とアクティビティ、美術館を楽しめる、一大観光地が船橋にあるのです。

人気の理由
ふなばしアンデルセン公園の魅力は、「どんな人でも楽しめる豊富なアクティビティ」に尽きます。

園内は「花の城ゾーン」「メルヘンの丘ゾーン」「子供美術館ゾーン」「ワンパク王国ゾーン」「自然体験ゾーン」に分かれており、どんな人でも、どこかひとつは心に刺さる場所があるでしょう。

 

アンデルセン公園 PR動画「本編」(ユーチューブ)
https://www.youtube.com/watch?v=kunXfjaGldE&t=76s

例えば、季節ごとに変わる花。園内には各所に色とりどりの花が咲き乱れており、季節ごとにその様相は姿を変えていきます。その種類は100種類にも及び、5万本以上の花が咲いていると言われています。特に真冬に咲くチューリップ(アイスチューリップ)は圧巻で、20種類4万株の花々が咲き乱れます。

アジアでも10位に入る公園
体を動かしたいならば、アスレチックで遊びましょう。日本最大級の障害物コースでは、のびのびと体を動かしながら、楽しく安全にスポーツを楽しめます。

 

アンデルセン公園 PR動画「遊」

https://www.youtube.com/watch?v=HtCBCeVLerM

これらの多彩な楽しみ方ができることから、世界最大級の旅行口コミサイトであるトリップアドバイザーでは、日本のテーマパークとして3位に位置付けられるほどの好評を博しています。アジア全体に目を広げても10位以内にランクインしており、世界中からの圧倒的な支持は明らかです。

注目ポイント
神社仏閣ばかりが注目されがちな日本の観光名所の中で、体を動かすことができるテーマパークはなかなかありません。

大人にとって古刹巡りはよいフィードバックを与えるものになるでしょうが、子供にとっては退屈な時間になってしまいます。

しかし、この公園であれば、小さな子供であっても、大人であっても、年配の方々でも、世代に隔てなく楽しむことができます。そうした点が、世界中から受け入れられる秘密であると考えられます。

 

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