(前回記事)
心の履歴(87-1)
京都の東山の坂道はきつい
2023-07-11
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12811204409.html
(今回記事)
《洛中の旧家の秘密》
2008/03/14 著
2020-06-16 公開
東映のスタントマンをしていた西川君(仮称)を月に二度、夕方四時になりましたら大きな黒塗りの立派な車が迎えにくるのです。
どこに行くのか聞いても教えてくれません。
秘密なのだそうです。
黒塗りの車では目立ちすぎ、我等に再々追及されるからでしょうか。そのうち、黒塗りの車のお迎えではなく、タクシーを拾って行き出しました。
彼は秘密にしておくのが苦しくなったのでしょう。
或る日、一緒に我等をタクシーに乗せ、四条通りからちょっと入った所で我等のみは下車。
尚、この町屋は、本記事とは無関係です。
http://261814.seesaa.net/article/443933244.html
彼は、そのまゝ乗り、数軒向こうの大きな町屋で下車し、その町屋に入って行きました。
我等は、知らん顔をしてその町屋を通りから垣間見ました。
奥がかなり深そうな旧商家の町屋でした。
案の定、奥は相当深いとの事。
彼は、その一番奥の部屋へ。
実は、彼はそこの町屋の20歳代後半のお嬢さんと夕食を共にするためでした。
ここの旦那さんは、かっ幅のいい人で、奥さんは京美人との事。そしてこのお二人さんは縁戚同士の結婚。
旦那さんが涙を流して言う不憫(ふびん)なお嬢さんは、生まれてから一度も外に出た事が無いそうです。
これ以上の彼の任務をこの紙面でお話しすることが出来ませんが、皆様の想像したことは恐らく悉く当たっているでしょう。あのことも、このことも、そのことも。
京都の町屋には、他人に入ってもらっては困る秘密があったのです。
《私の人生を大きく変えた友》
2008/06/24 著
上坂(仮称)君は、北大在学中、学生運動の主要人物の一人で、特高に追われ京都に逃げて来ました。戦後、公職から追放されたはずの特高が、名前を変えて警察の中で生きていたのです。
上坂君がアルバイトで来てから1年弱、遂に、ここに北海道警察の特高二人がやって来ました。幸いにも彼は不在だったので、特高二人は帰りましたが、その話を聞いた上坂君は、左京区に借りている部屋を引き払い、姿を消しました。
半年後、彼は、西大路新聞配達所で新聞配達をしていました。そこは住み込みで、裏の家一軒に学生三人だけで住んでいました。私は、時々、そこに遊びに行き、同宿の連中とも色々話をしたものでした。
やがて、ここにも道警が来るのですが、居場所を掴んでいるのなら逮捕出来るはずなのですが、何故に単に所在確認のようなことをするのかが不思議でした。
そして私は、彼に頼ったばかりに、とんでもない事態に陥るのです。
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心の履歴:20代編 目次
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12806473286.html
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