心の履歴(167) 広島での赤壁の戦い

（前回記事）

心の履歴（166-2）
安月給に追い打ち
2023-03-25
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12794958866.html

（今回記事）
当時の広島営業所のBB課の連中は、東京BB課と全く同じでした。朝礼が終わると「行って来ます！」と言って会社を出る。

行き先は、極秘の溜まり場の喫茶店グリーン。

場所は、宇品東二丁目宇品消防署の北隣の2F。
ここで、朝から駄弁る。

時には夕方まで。

彼等は、ひたすら客から事務所に注文の電話が入って来るのを待つ。実績があがるわけは無い。

やがてインベーダーゲーム機の全盛期。

これはグリーンには無く、事務所の近所の喫茶店に有る。
彼等、ここに朝から入りびたりが、所長にばれ、この喫茶店への出入り禁止。

確かに営業は冷たく断られたり罵声を浴びるから精神的に参る。だが、このようなさぼりが主流となっているのは、上司が単に尻を叩くだけだからである。

仕事の面白さを教えない上司に、ひいては上司を指導すべき経営者側に問題があることに気付いていない。

さて、

1979年（Ｓ54）春、本社FM（FoodMachine・食品機器)営業部タケちゃんマン（田中課長）と広島で打合せをしました。それまで、タケちゃんマンの考え方は、顧客への直接単品販売が全て。

処が、会社トップの意向により、量の販売・売上額のアップに政策変更。

売上規模で言いますと、森下仁丹やファミコン販売以前の任天堂を追い越した時です。

大阪・京都・名古屋・東京の各FM課は、UCCメーカーのロゴ（シンボルマーク）の入った三洋電機製缶飲料自販機（以下UCC機と称す）を月間７０台前後販売していました。

注）三洋電機との会社全体の取引規模は、この当時で年間50億円。品目はスーパー向けのショーケースや種々の自販機合算で約二万台。
この五年後が年間120億円。最盛期が年間170億円。

処が、中国地方だけはUCC機の販売不可。
ここでは広島・宇佐美食品とそのグループが、UCC機の販売を独占していました。

UCCが未だ広島で弱小の頃からこの地方でUCC商品を取り扱っていた宇佐美食品にUCC広島支店も頭が上らない。

その状況のもと、広島でUCC機を販売するにはどうしたら良いか？

UCC神戸本社もUCC広島支店も、中国地方は宇佐美社長の了解を得るようにとの仰せ。

通称『宇佐美天皇さま』に面談申し込みの電話を入れますが拒絶の連続。

無理も無い。我等はマークの無い白地の自販機を販売。
宇佐美食品の販売した赤いUCC機を次から次へと店頭から撤去。宇佐美社長はカンカンでしたから。

通常の交渉の仕方では埒（らち）が開かず。

どうしたら宇佐美社長を交渉の場に引きずり出すか。
UCC機を製造している三洋広島も我等に非協力。

無論、三洋広島は、広島の我等にUCC機の納入を拒否。
UCC並びに宇佐美食品担当の三洋電機松山主任は、私をうっとうしい奴とばかりの目付き。

ここは、一発勝負。

三国志流で言えば、赤壁の戦い。

先ずは、大阪支店名で三洋電機にUCC機100台を発注し、関西倉庫に入れてもらう。
その倉庫から、会社お抱えの運送会社の11ｔトラックで三回に分け広島・日通宇品倉庫に運んでもらう。

他方、大阪支店で使っていたUCC機の写真入ダイレクトメール（往復はがき）を広島営業所名で印刷。
広島県と山口県の商店に一挙に一万通郵送。

返信が来た先から訪問し、片端から契約。

UCC機を設置して行きました。

宇佐美社長、当初は勘違いし、自分の会社の営業員が販売したものと満足。
処が、一気にバタバタと着いたものですからびっくり仰天。

蜂の巣を突っついたような騒ぎになりました。

つづく

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心の履歴(168)

こうして問題は解決した
2023-03-28
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12795641476.html

（参考）

広島で大騒ぎになる２年前のこと

心の履歴(138-1)

急遽香港へ
2022-05-27 掲載
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12744289716.html

1977年（S52)
UCCコーヒー香港招待旅行

（写真は、UCCコーヒー西田課長㊨と羽田空港にて）