先月下旬、偶々JR東の赤字区間の記事を見た。
これは既に廃線や第3セクターとなった路線と同じ問題であり、単なる移動手段では衰退するということである。
田中角栄の列島改造論に始まる全国の道路整備と高速道路網は、人や物の移動を鉄道から車へのシフト替えであり、イコール、自動車産業の育成である。
並行して就職列車に代表されるようにローカルでは第一次産業から製造業である第二次産業へと人口のシフト替えである。つまり、農村から懐胎可能層を奪い、農村人口増の手段を奪ったのである。
このような国の方針で乗客が激減したローカル線・区間。
国鉄からJR各社へと変身後の怠慢をなじっても始まらない。
人や物の移動というこれまでの手段では光は見えてこない。それぞれの区間が、それぞれ全く別のコンセプトと努力で蘇生を図らなければならない。
それにしても、JR東の今回のこの赤字66区間の報道は私に言わせれば卑怯である。
それは、この報道をするなら、同時に、JR貨物(日本貨物鉄道株式会社)のこの赤字66区間それぞれについての収支をも併せて公表すべきである。それでもって、夫々の区間の価値を明らかにすべきである。
換言すれば、JR東は、業績の悪さを66区間の赤字に背負わせ、夫々の地方自治体に赤字の補填を要求し、それが不可なれば、これらを廃線する。拠って業績は好転するが、廃線のあとは知らん顔、という素振りなのである。
(参照)
昭和39年(1964)から急行日本海、以後、特急寝台日本海に乗車してきた私に言わせば、寝台列車「トワイライトエクスプレス」は詐欺である。
日本海に沈む夕日を見れるのは、冬季を除いてもせいぜい3回に1回である。その他の景観としては、山側になるが、残雪のある時期の鳥海山や北アルプスぐらいである。
寝台列車「トワイライトエクスプレス」
大阪~札幌間を日本海に沿って北陸から東北地方を縦断し、青函トンネルをくぐり、北の大地へと日本一長い距離を走る豪華寝台特急列車。
https://www.toretabi.jp/travel/shindai_vol03/01.html
「トワイライト」2ヶ月で復活、その真相とは
背後に見えるふたつの新幹線
2015.05.16
https://trafficnews.jp/post/40166#:~:text=%E5%A4%A7%E9%98%AA%EF%BD%9E%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E9%96%93%E3%82%92,%E9%81%8B%E8%A1%8C%E3%82%92%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
(以下、本記事)
JR東日本 66区間の赤字額公表 総額679億円に
2022年11月24日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221124/k10013902281000.html
赤字が続く地方鉄道の今後の在り方が課題となる中、JR東日本は利用が特に少ない66区間の昨年度(2021年度)の収支を公表しました。
全区間で総額670億円を超える赤字となっていて、地元自治体との間で今後、バスへの転換なども含めて協議を進める方針です。
「輸送密度」2000人未満の66区間について赤字額公表
JR東日本によりますと、人口減少や新型コロナの影響で地方鉄道の利用が落ち込む中、一日平均何人を運んだかを示す「輸送密度」が2000人未満の利用が特に少ない区間は昨年度、36路線、72区間ありました。
このうち2019年度も「輸送密度」が2000人未満だった35路線、66区間の昨年度の収支を24日に公表しました。
発表によりますと、この66区間はすべて赤字となっていて、赤字額は合わせて679億円となっています。
※ご覧の通り、日本海沿線を走る羽越本線と、東北の中心部を走る奥羽本線までもが、都市部を除くと赤字。
※会津只見線は、先日、テレビで、あるカメラマンの継続的努力で、外国人観光客に大自然の絶景が見直されていると言う報道がなされていたが、コロナ後に期待。
このケースは、嵐山のトロッコ電車です。昔は誰もこの山陰旧路線での渓谷美を称賛する者は皆無でした。
【66区間 それぞれの赤字額】
24日にJR東日本が公表した利用者が特に少ない66の区間について、昨年度(2021年度)の「赤字額」と100円の運賃収入を得るためにいくらの費用がかかるかを示す「営業係数」などの状況を一覧にまとめました。
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