(前回記事)

心の履歴(123) 
当時の私の東京の夜
2009/02/23 著

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12741216734.html

 

(今回記事)
心の履歴(124)

部下は捨て石
2009/02/24 著

社内権力闘争もさることながら、それに勝利するために、部下を崖から蹴落とす上司もいたのです。今回は、上司山村部長の初期の二つの例ですが、その後も続きました。

その後の典型的例は函館戦争です。

心の履歴(306) 
(函館戦争②)
これぞ孫子の兵法!
2021-12-27  (2010/08/13 著)

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12717836132.html


かって山村部長の金魚のフンで、今度は森広支店長の金魚のフンとなっていた中江社員からは、都度、大笑いされました。

「水無瀬君は崖からやっと這い上がったら、またまた蹴落とされた!」

   ☆

アポ(面談予約)をとり偶々訪問した先が、BB課のライバルK社(現資本金840億円)の販社。私はそんなことはつゆ知らずに訪問。

私の提案を聞き終わってから、実はK社の販社であると言ってきました。こりゃ、不味かった! 失敗!失敗!と思っていると

社長「水無瀬君の提案なら、上野のAS社なら面白い。私がAS社を紹介してあげよう」と言って、目の前で受話器をとり、AS社に電話をしました。

AS社の社長が待っているとの事で、その足で上野に行きました。成る程、AS社の社長には大変興味を抱いてもらいました。

私は、大きな取引になりそうなので直ぐにAS社を興信所調査。

間も無く興信所調査コピーが上って来、その内容は高収益と借入金ゼロの申し分ないものでした。

数回の訪問で契約内容の概要が決まり更に細部を詰めました。

次週の火曜日、いよいよ契約と言う時、本部の山村部長が突然やってきて支店で打ち合わせをしたのですが、その時、これまでのAS社との私の営業活動状況を報告してしまったのです。

「AS社と来週、契約することになりました。契約金額は一億九千七百万円。粗利額一億一千万円 粗利率55.8%」

「水無瀬君、その売上、私に任せてくれないか。実は、私担当の子会社アンポス社(仮称:羽田社長)が潰れそうなのだよ。その売上を回してもらえれば、何とか子会社を助けられる」

更に「君には、KRビールへの売上六千万円をあげるよ。粗利額は僅かだが」

拒否したら良かったのですが、敵が多い我が営業部。その子会社のアンポス社を潰したら社内での旗色が悪くなる。
「分かりました!」と言ってしまいました。

これが大失敗! 
いざ、KRビールへの売上を計上したものの、その後、一向に代金回収処理がなされない。

それもそのはず、山村部長は、ほぼ同じ時期に名古屋支店にも同じ物件で売上計上するように二重指示をしていたのです。回収代金は名古屋支店の分として処理。

やられた! 結果、私の売上計上した六千万円は赤伝(マイナス売上伝票)処理。

それから約一年後、子会社アンポス社は完全に立ち直りました。更にアンポス社はAS社の要望で新機種を製造。
年間取引は10億円。この取引は5年間継続。

そして子会社アンポス社は高収益企業に変身し、絶賛を浴びる事となり、羽田社長はウズマサグループ最優秀経営者賞受賞。
それに反して私には「(六千万円の)空売り男」の汚名。トホホ!

 

もしも私が山村部長の要望に従わず、AS社と直接契約をしていたなら、会社規定で私には別途300万円台の営業手当が入っていたのに・・・

       ☆       ☆       ☆

次に起きたこと。

サンヨー(資本金3,222億円)の我社担当者石場主任が山村部長に石場主任の弟を雇ってとの要望で雇用。部長が石場弟を連れてきて平社員の私の部下に据えました。

部長「水無瀬君、石場弟は大変有能な男だ! 彼の実績が上らないとしたら君の責任! これは強く申し渡しておく!」 

いつもエエかっこをしたがる上司山村部長。

彼を引き受けたものの、どう見てもそんなに優秀な男とは思えない。毎日、彼の活動報告を受けるが、その内容がおかしい。

それに、電話がちょくちょくかかって来る。

訪問先からではない。
彼を呼んで話しました。

「私は部長から君の事に一切の責任を持つように強く言われている。しかし、君の日常活動は理解できる内容ではない。一体、君は朝礼後、何処に行っているのだ!」

彼は、渋々答えました。「サラ金に追われてお金のやりくりで頭が一杯。仕事に集中出来ない!」
「じゃ君はこれから、どうしたら仕事に集中出来るのかい?」

「七万六千円あれば、サラ金問題は解決し、仕事でご期待に副えます!」
「分かった! それを出そう。毎月千円でもニ千円でも返せる額だけ返してくれたら良い」

当時の私の毎月のほぼ手取り額でした。

お金を渡した翌日からは、いかにも仕事に集中しているようでした。しかし、依然と電話がかかって来る。

「どうなっているのだ! 解決出来たのではないのか?」
「- - - - - - - - - 」
「サラ金に払ったのか?」
「競艇ですった!」
「七万六千円全額か?」
「うん」

この二つ歳上の所帯持ちの男には呆れて次の言葉が出ませんでした。その数日後から行方不明。サンヨーの実兄・石場主任は、「弟は他人。弟の事は一切知らん!」

山村部長「水無瀬君、スマン!スマン! 石場弟がそんなのだとは知らなんだ!」
私「はぁぁ↑?? 石場弟は大変有能な男だ!と言ったのは山村部長!あなたじゃないですか?」

 

つづく



心の履歴30代①入社編:目次
2022-04-08

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12736672224.html