(前回記事)

心の履歴(111) 
運命を変えた「ランチェスター戦略」
2022/04/18(2009/01/31 著)

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12737937065.html

(今回記事)
心の履歴(112-1) 逆境の喜び
2022/04/18(2009/02/04著)


いじめられる事が快感になったのはその時からでした。

巷で言われる「マゾ」。


仕事はゲーム。

社内であろうが社外であろうが、逆境を逆転し勝利する喜び。それを体感したいという強い私の思い。

一発逆転。麻雀の九蓮宝燈(チューレンポウトウ)の九面待ちとか、国士無双(コクシムソウ)の十三面待ちとかに、イーシャンテンの時の密かな興奮。

ですから、何を言われてもニコニコ。
「水無瀬はツラの皮が厚い」と言われました。

特に四国での契約の件以降、芳樹取締役本部長は更に敵意をあらわにして来ましたが、何故か憎めなかったのです。

それは「ランチェスター戦略」というものを他社に先駆けて紹介した教養に対して敬意を払っていたからです。

こんなことが毎日のように起きても。

私、車が混んで会社着が遅くなり、始業ベルの鳴る寸前、階段を駆け上っているのを芳樹本部長に見られました。「水無瀬は信用ならん。朝礼ぎりぎりの時間に出勤とは!」

ダイレクトメールを作成していたら「経費の無駄遣い」、「ネクタイがゆるんでいる」、「ものの言い方が悪い」とか。

何と細かい事迄。それも私に直接言うのではなく、本部・部長会の席上、私の上司山村部長に入社半年のペイペイの行動について言うのですから。

 

ちなみに、この時の年商は67億円に伸びる。京都での「任天堂」に追いついたと喜ぶもそれは一時的な現象。

それから幾年後、「任天堂」は一旦衰退したテーブル・インベーダーゲーム機を家庭ゲーム機「マリオブラザーズ」に発展させ世に出し、超躍進。

 

反して我が社はインベーダーゲームを製造し販売するも、インベーダーゲーム機の衰退と共にこの業界から撤退。

太秦社長は「メーカー志向」を唱えるも、本心は「販売志向」。社長が技術者ではない故の企業の限界がありました。

他方、郵便局のゴム印の件で、会計・経理部門の女子事務員に聞きまわりましたから、銀行からの出向者を敵に回すはめに。

三つの大手銀行からの出向者がおり、廊下ですれ違った五十代のD銀行出向者からは「水無瀬君、君は会社をいつ辞めるのかね?」と嫌がらせ。

他方、この当時、価値ある経験もしました。
上司山村部長からある事に関して稟議書(りんぎしょ)を書くように仰せつかりました。

注)稟議書(りんぎしょ) 所定の重要事項について決裁権を持つ重役に承認を求める文書。

読んだ人が良く理解出来るように書いたつもりでした。
でも、それを上司に提出すると「何じゃ?これ!」。そう言って私の書いた一枚の稟議書はポイ、ヒラリヒラリと床へ。

床から拾い直して再度書き直しました。
再度ヒラリヒラリと床の上に。

このポイポイのヒラリヒラリが幾度も続きました。
何故に駄目なのか理由を聞くも「自分で考えろ!」の一言。

ようやくOKが出ましたのは十回目でした。

これは勉強になりました。
長い文章は必要無いのです。

職階級が上がるほど多忙で時間当たりのコストが高い。

さっと目を通しただけで分かるように。

ポイントは短文の箇条書き。
この事は、その後、大いに役立ちました。


無論、芳樹本部長の私の事に関しての悪態も依然と続くも、未熟な自分を矯正するのに役立ちました。

 

それにしても、芳樹本部長は叩いても叩いても笑顔の消えぬ私を相当恐れていたんですね。

 

つづく

 

心の履歴(30代①入社編:目次
2022-04-08

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