(前回記事)

心の履歴(110-1)
社内権力闘争に巻き込まれる
2009/01/29 著

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12737013096.html
 

(今回記事)

心の履歴(110-2) 

郵便局印偽造事件
2009/01/29 著

梅が満開の頃。
我らの本部での隣席は全国の支店営業所を統括する部署で、我等の数人の部署と違い十数人いました。

或る日突然、将来は取締役かと期待されていた統括部署D大卒の吉安主任(仮称26歳)と部下の林、佐藤が会社を首になりました。

事の起こりは、吉安主任の奥さんが、主人の上司・河中課長(仮称)に泣き付いた事です。

「主人は毎夜祇園で飲んで帰宅が遅い! 毎夜祇園通いするなんて、そんな給料は貰っていないのに! 主人に女が出来たようだ!」

この奥さん、かっては河中課長の部下だったのです。
社内結婚で仲人は河中課長。結婚を機に奥さんは退職。

仲人の河中課長は隠密に自部署の若い社員達に聞き取り調査をしましたら、祇園で使った金額は驚くものでした。

顛末(てんまつ)はこうでした。


この統括部署は、毎月二度、往復はがきのDMを発送しているのです。大きなダンボール箱の中はアルバイトに宛名書きさせた往復はがき。それがいつも何箱も。

郵便局から一回発送するのは二万通から五万通。

彼等は出入りの判子屋に依頼して郵便局の長方形ゴム印を作らせたとの事です。

 



その判子を郵便局に備え付けの白紙の領収書に押印と金額を記入して会社で清算処理。毎月数十万円の金をネコババして祇園に通っていたのです。

 

二十歳そこそこでしたら、泥棒までして祇園に行きたい気持ちは分からんでもない。だが三人共に分別があるだろう30歳前後の所帯持ち。恐らく貧困なる学生時代を送ったに違いない。


それにしても、私、不思議に思いました。
果たして出入り業者の判子屋がいとも簡単に郵便局の四角いゴム印の作成を引き受けるのだろうか。

その判子、常識でもまともな事に使われるとは考え難い。
判子屋も共犯者になりかねない。
不思議な事にその後も判子屋は依然として出入りしています。

ひょっとして既に郵便局のゴム印は社内の何処かの部署にあったのでは?
私の第六感ではある大手銀行の出向者が以前作らせたもの?

 

つづく

 

心の履歴(30代①入社編:目次
2022-04-08

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12736672224.html