(前回記事)
心の履歴(108)
峠の茶屋の小母さんの実力
2009/01/26 著
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12736965637.html
(今回記事)
心の履歴(109)
平安時代の狩衣でボタン焼肉
2009/01/27 著
翌日、昼前に徳島の国民宿舎を出て国道55号線を阿南から室戸岬へ。岬に立つも海鳴りが聞こえないのでがっかり。
佐田啓二と高峰秀子主演の映画「喜びも悲しみも幾歳月」の中での灯台は、確か四国にもあったはず。
ここ室戸岬ではないならば、恐らく足摺岬の方かも。
高知市内に入ってぺギー葉山が歌う「南国土佐を後にして」の中のはりまや橋を通ってから国民宿舎桂浜荘へ。
そこからセッタを履いて桂浜へ。
いつの間にか雲の厚い夕方で宵闇間近。
桂浜は普通の砂浜でした。
尚、当時は銅像などは見当たらなかった!
翌日は高知から足摺岬へ。
不思議な事に、ここにも「おいら岬の燈台守♪~」の歌碑がない。海鳴りも聞こえない。
『喜びも悲しみも幾年月か』
(♪おいらみさきの灯台もりは~)
https://youtu.be/yxcrbHAg51Q
この高知の二つの有名な灯台は映画の舞台では無かったことを知ったのは、それから五年後の広島勤務時代に高知へ出張した時でした。
記憶違いも無理は無いです。
何しろ映画を観たのは中学1年の時。
四国の灯台ってこの二つしか知りませんでしたから。
瀬戸内海の香川県に属する男木島(おぎしま)灯台って記憶にあるはずはありません。
足摺岬からは帰路。高知市から山の中を走り阿波の隣の穴吹から国道193号線で讃岐山脈・清水峠越え。
高松に向かって峠を下っていくと途中に目指すホテルの看板。
もうその頃は陽が落ちる。
国道から左折して山道のような砂利道を暫らく走ると目の前に大きなホテル。そこが予約してある山の中の一軒宿。
もう夕食の時間。
仲居さんが急いで入浴してという。
上ると仲居さんが着替えを持って待っています。
着物が良く似合う素敵な仲居さん、
着るのは平安時代の狩衣(かりぎぬ)だそうです。
狩猟の時の着衣。
※狩衣(かりぎぬ)の小直衣 (このうし)
現在では、天皇、出雲大社などの神宮祭主(男子)、及び皇族のみが着用。
http://www.kariginu.jp/kikata/1-5.htm
仲居さんは躊躇なく私の浴衣をぱっと剥ぎます。
パンツ一丁の裸の私。
仲居さんに狩衣を着せてもらい、仲居さんに従い外へ。
暗い庭の向こうでかがり火のたいまつが燃えている。
(画像)https://www.elg-inc.jp/hojin/kagaribi.php
そこが野外宴会場。
太鼓がド~~ン、ド~~ン。
もう皆さん盛り上がっていました。
案内された場所は、戦国時代の武将が座るような折り畳み式木製椅子「胡床」(こしょう)。
(画像)https://www.wakabayashi-jiin.com/c/chair/folding-chair
周囲は暗闇。
目の前には焚き火が赤々と燃えて、赤く顔を照らします。
ここでしし(猪)肉を焼くのです。
現代版で言えば、ボタン・バーベキュー。
狩衣は、何種類かありましたが、全員立鳥帽子をかむってワァ~ワァ~ですから異様な雰囲気。
乱れているようですが節度があるのです。
何しろこの姿、現世の天皇か神官ですから。
殊に、仲居さん、暫しも離れず、常に傍にいて、
あれやこれやと私を介護。
他の客には仲居さんが付いていない!
それに、焚き木の炎でほんのりと赤く染まる横顔が色っぽく素晴らしい! 心がキュン!
「どうして僕にだけ付くの?」
次の言葉を期待しました。が、- - - - -
「仲居は、部屋毎1人ずつ付くのです」
その日は花金で満室。
皆、一部屋に宿泊客4人前後。
つまり、4~5人に一人の仲居さん。
対して私は一部屋に一人だから仲居さん一人独占。
納得!
当時、この記事に書かれたコメントの一部。
2009/01/28 blu*win*s*eic*
食事の感想が無くて仲居さんのことばっかし。食い気より色気。平安調だったのですからせめて色っぽい和歌のひとつでも。
\(^o^)/
残念にも猪肉(ししにく)のバーベキューって殊更美味しいわけではないのです。仲居さんのことを書いたのは、着替えの時もバーベキューの時も、懇意以上な応対に感激したからです。
尚、このホテル、2002年に閉めました。
この記事を書いた2009年では、「香川、ホテル、猪肉」で検索したら未だこのホテルの情報が夜のかがり火の画像付きで出てきたのですが、今は出てきません。ホテル名や画像、URLなどをこの記事に書いておかずに失敗です。今、地図を見ての所在地の記憶は、高松市堀江町の山の中です。
つづく
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