(前回記事)

心の履歴(245) 
思い出す度、切なく無力だった私
2021-11-26 (2010/03/25 著)

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12712002709.html

 

 

(今回記事)

心の履歴(246) 

新卒女子には未だ無理だったのか!

(2010/03/27 著)


 
あゆみさんは、半月後、復職。
 
だが復職一ヵ月弱後、再度胃潰瘍で休養。
再度復職するも暫らくしたら休養の繰り返し。
 
夏になる直前でしたね。
父親から電話。
 
「これ以上、会社に迷惑をかけられない」
 
直ぐにコンビニに駆けつけました。
訪問するのはお見舞いも含めて三度目。
 
今度も父親にお願いしました。
「体力が完全に回復するまで待ちます。お嬢さんをゆっくり静養させて下さい」

更に、
 
「お父さん、お嬢さんを休職扱いにして、秋まで待ちます。
営業所も変化してきました。秋には、まともな形になります。お願いします」
 
長い沈黙の後、
スーッとドアが開き、あゆみさんが出て来ました。
 
寝ていたそうです。
パジャマ姿に淡い色のポレロを羽織って。
 
スッピンでした。
すっぴんのその弱々しい姿にもオーラ。

https://renai-sippai.info/aura-naniiro/
 
「所長、辞めさせて下さい。これ以上、ご迷惑はかけられません」
廊下にひざまずき、そう言ってうなだれました。
 
何かを言わなければ。
どう言ったら、復職の意思へと傾いてくれるのか。
 
然し、うなだれているあゆみさんを見ていると思い直しました。
 
私の会社に勤務するのは不幸かもしれない。
もっと良い会社に勤務するのが相応しいかも。
 
「申し訳ありません。私の力不足で」
こうあゆみさんに言うのが精一杯でした。
 
それにしても私、あゆみさんと会社以外で会った記憶は一度だけ。

彼女の歓迎会を札幌ビール園で行った時ぐらいでしょうか。

仙台支店の松島総務課長が、毎月二度、札幌に来た都度、女子事務員二人とすすき野で会食してもらいました。松島課長の報告を聞いて安堵していました。

無垢な新人女性ホローを、他人に任せたのが間違いでした。
 
私の方は、月の半分以上が仙台と道内各支所出張。札幌にいる時は、本社からの出張者対応とか、顧客との夜の会席。
 
他方、由紀さんの度々の言葉。
「あゆみさんは、所長の好きなタイプでしょう」

明らかに嫉妬の言葉。
私の動きにくぎを刺す言葉。
 
動けなかったですね。
あゆみさんと二人きりになり、話を聞かなければならない事は分かっているのに。もしもそうした場合、由紀さんのあゆみさんへの嫌がらせが激しくなるかもと思うと。
 
私、こうしなければならないと分かっていても、そのように動けない時が今でも。

何故でしょうかね。

情けない性格です。

つづく

 

心の履歴(247) 
ハイレベルなエリアに住むことに
2021-11-27 (2010/03/28 著)  

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12712480465.html
 

 

『心の履歴』40代北海道編1⃣ 目次
(自) No.241 1987年1月~

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12712060251.html

 




『心の履歴』40代広島常務編 目次
(自) No.202 1985年2月
(至) No.240 1986年12月

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12707569160.html