(前回記事)

心の履歴(238) 
我らは舞台に立った演技者
益々美しく見える掃き溜めの鶴
2021-11-22 (2010/03/07 著)

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12711583103.html

 

(今回記事)

心の履歴(239) 

益々輝く北の大地
2010/03/09 著

事務所の二階に上りました。

そこは、解散前の先日まで俵屋常務、上山部長、それに営業員と砂子事務員の計10名がいた部屋。昨年末、退職させられた設計担当林課長が残務整理をしていました。

話を聞きますと、ここ二階の俵屋常務が指揮する営業部署と、一階で山口部長が指揮するメンテナンス部署の反目は激しいものだったようです。

両者のライバル意識が良い方に作用したら相乗効果が出るのですが、日々殴り合わんばかりの最悪の状態になっていたそうです。

それにこの二階は、事務所が20坪の他に俵屋常務の住居が25坪。事務所の横扉を開けると、常務の住居の廊下。

これじゃ、会社が潰れるのも当然でした。
公私の区別が付かなく、惰性の日々となること一目瞭然。

書庫に、彼等の月次決算報告書を綴じた青いバインダーがあり、開いてみました。

営業部署のもの。 メンテナンス部署のもの。更にその両部門を合算したものの三部が一式になっているものです。

見て驚きました。
こんなにひどかったのか! 

私が聞いていた月次決算平均数字と違う!

これ迄本社経理部署から出向して経営指導した社員達は、何を経営指導したのか?この売り上げでは資金繰りが到底出来ない。

 

恐らく金融部門の子会社から億単位の借入をしていたでしょう。

一階に戻りますと林君も降りて来て砂子事務員と話を始めました。この二人は先日まで二階の営業部にいたのです。

とたん、砂子さんの嬉しそうな顔!
そこのコーナーだけが急に明るくなるのです。

そうか、砂子さんは、ここ一階事務所に居たくないのか。
確かに、山口課長(年末まで部長)と村上係長(年末まで課長)が指揮してきたここ一階事務所の雰囲気は暗すぎる。

 



「素晴らしいコートですね。300万円はしたでしょう」

「エェ、250万円でしたが、85万円で買いました。シーズンオフの値下がりを待って。これは一昨年のデザインなのですよ」

更に「でも、この毛皮は前からどうしても欲しかったのでお金を貯めていました。3年かかりました」

嬉しそうに上気した面持ちで話していました。
処がこのコートの話が終ると、元の辛そうな顔に戻ってしまいました。

 



午後になり遅い昼食。後、月寒(つきさむ)中央通の豊平郵便局前からリムジンバス乗車。

復路の千歳空港→広島空港便は、往路と同じくボーイング747。
乗客数は400人弱の客席に対し67人だったと思います。

往路と同様、信州上空の時に視界が開けましたね。
夕焼けでした。

 



ピンクというよりも、褐色に近い薄ピンク色。
幻想の世界でした。

素晴らしい!

北海道のイメージが益々輝いて来ました。

 

つづく

 

心の履歴(240) 

ドタバタだった広島での最後の週

 2021-11-23 (2010/03/10 著) 
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12711673925.html

 

 

 

『心の履歴』40代広島常務編 目次

(自) No.202 1985年2月
(至) No.240 1986年12月

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12707569160.html