(前回記事)

心の履歴(227) 
「順調さ」に潜む落とし穴
2021-11-17 (2010/01/28 著)

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12710559426.html

 

(今回記事)

心の履歴(228) 

油断がドボンへの道
2010/02/08

当時の技術試験では、ロボット等を動かすシーケンス制御回路の組み立てですが未だオムロンの有接点リレー方式でした。

時代は、トランジスタやICを使用した無接点リレー方式→プログラム方式(PLC)に変わろうとしていました。

つまり、社員をICに慣れさせる必要がありました。そこで、ICを使った商品を扱い、販売を通じて慣れさせようとしたのです。

その商品として、家電で取引関係のあるシャープのファクシミリ(FAX)と家庭用コピー機を扱う事にしたのです。

当時の各商店が導入していたのがNTTのミニFAX。
これは、葉書よりひと回り大きいA5版(210×148mm)を3分で送信するもの。

NTT債権130,000円 工事費5,000円 毎月の使用料 3,700円

 

当時のFAXのG3規格の場合、一台が120万円から、40~60万円前後に下がった頃です。更に技術開発で小型化されたものがシャープで新発売されました。

それの仕入価格は @22万円。
これを、@30万円で売れるとみたのです。

ミニFAXをNTTに返して、NTT債権を売ってこれを頭金にした場合、毎月の支払額 @3,400円×60回です。

ミニFAXの月間使用料より安いし、電話代も安くつきます。

つまり、従来のミニFAXの毎月の使用料で、G3規格のFAXを購入出来るのです。当然代金完済した六年目からはゼロ円に。

 

FAXの社内説明会を開きましたら、数日後、田辺社員が早速見込み客を拾ってきました。
そこでシャープの片山係長(仮称)と同行させました。

即契約には至らなかったのですが、購入間違いなしという片山係長の報告。シャープ側から一ヶ月間、FAX機を顧客に貸し出すことになったのです。

私も一度は同行したら良かったのですが、彼等自身の力で受注させようと思ったのが間違いの元。

以後、片山係長の有望見込み客何軒かの報告と、その顧客に営業ツールとして貸出機が有効との言を鵜呑みにしてしまったのです。

私、何を思っていたのでしょうかね。新品三台を仕入れて貸出機にすることにしました。

更に、

家庭用コピー機に関しても同様に。

乾式普通紙A4版
仕入価格 @116,500円
販売価格 @150,000円
5年リース又は60回均等分割の場合、

毎月の支払額 @3,000円×60回

これも何を思ったのか、10台仕入れました。
当時は未だ普通紙のコピー機は普及していない時代。

商店が書類コピーの他に、店頭での有料コピーサービスで毎月のリース料金は稼げると判断したのです。
これもシャープ片山係長の意見を取り入れたもの。

つまり、FAX機3台とコピー機10台で合計1,825,000円を仕入れたのです。

魅せられたる魂と言いましょうか、催眠術にかかったと言いましょうか。何の躊躇も無かったですね。

それ行け!ドンドン!

もしも連中が売り切れなかったら、私がいよいよ登場しよう!
まあ、12月と1月の二ヶ月もあれば全部売りさばいてみせる!

自信満々でしたね。

まさか、コピー機が欠陥商品とは知らずに。

 

つづく

 

心の履歴(229) 
寝耳に水:突然の北海道転勤要請
2021-11-17 (2010/02/11 著)

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12710722321.html

 

 

『心の履歴』40代広島常務編 目次
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