東京湾には、埼玉、群馬、栃木、神奈川に降った雨の大半が流れ込んでいる。

 

これらの山の中腹には3.11で大量の放射性ブルーム(雲)が降下。今も依然と福一から放射性ブルームが飛来している。

 

そして、東京都の水源は、これらの県の山々から流れ込んだ約8割が利根川水系及び荒川水系で、約2割が多摩川水系である。

 

 

荒川水系の上流、埼玉県秩父エリアには、都が管理する三つのダムがある。

 

 

つまり、福一からの北東の風を受ける埼玉の山々から流れる雨水が、荒川に流れ、東京湾に達するというシナリオだ。

 

 

下記の図は、東京都が管理する利根川水系(江戸川)ダム。

ここでは埼玉県の平野部、群馬県全域、栃木県の西半分の雨水が利根川水系に集まり江戸川となって東京湾に流れこむ。

 

 

これを更に裏付けるのが、東京新聞2014年9月27日付「地下水流 列島走る血液」の地図。

 

ご覧の通り、茨城県を除く、神奈川、長野、新潟、福島各県との国境の内側に降った雨の大半は川のみならず地下水からも東京湾に流れ込む。

 

 

これらのエリアには、今でも特に山岳地帯にはたっぷりと福一の放射能が宿る。

 

木々の葉や落ち葉には、地面・地中から垂直移動した数千~数万ベクレルの放射能を何年経とうが依然と含む。

 

 

放射能を含むこれらの川の流れ込む東京湾は、潮の満ち引きがあっても、海水の外洋との入れ代わりは極めて少ない。

 

東京湾と干潟図

 

最大の問題は、河口の微粒子汚泥。

 

『東京湾への放射性セシウム流入続く 河口付近の泥に集積』
朝日新聞 2018年6月6日


 東京電力福島第一原発の事故で出た放射性セシウムは、東京湾に流入し続けており、事故から5年を過ぎても河口付近で集積がみられた――。

 

山崎秀夫・近畿大元教授(環境解析学)が、そんな調査結果をまとめた。山崎さんは「コンクリートなどに付いた放射性セシウムは一度では洗い流されないので、今後も流入が続くだろう」と指摘している。

 福島の事故では、半減期が約2年のセシウム134と約30年のセシウム137が同時に放出された。両者の放射能の総量は5年で約半分に減ったとみられるが、調査地点によっては事故直後よりも高い値が検出された

 2016年7月に東京湾の旧江戸川河口で採取した泥からは、最高で1平方メートルあたり約10万4千ベクレルの放射性セシウムを検出

 

同じ地点で事故の5カ月後に測定した際は2万100ベクレルで、約5倍に増えていた

 

千葉県などの地面に残っていた放射性セシウムが河川経由で集められ、海底に積もったのが原因とみられる。

 

一方、河口から数キロ離れた湾中央部は、検出されないか、1平方メートルあたり500ベクレル程度だった。(以下省略)
https://www.asahi.com/articles/ASL5063RDL50PLBJ001.html

 

10万ベクレル前後の放射能泥が、葛西臨海公園やふなばし三番瀬海浜公園の干潟に蓄積している。

 

然も、これらの河口付近の泥の放射能濃度は、減るどころか年々増え続けている

 

 

葛西臨海公園には、東なぎさと西なぎさの干潟がある。

ここでは、荒川と旧江戸川からの放射能と海水の塩分とが化合し、微細な泥粒子となり堆積する。

 

 

ここ東なぎさの三枚洲干潟では、微細な放射能泥粒子の堆積であることを知ってか知らずしてか多くの潮干狩り客でにぎわう。

 

 

西なぎさでは、夏場に海水浴場となる。

 

ふなばし三番瀬海浜公園も、江戸川放水路と海老川から流れ込んだ放射能が海水と混じあい、細かな放射性泥粒子となり、三番瀬の干潟を構成している。

 

 

三枚洲干潟と同様、三番瀬干潟も潮干狩り客でにぎわう。

 

 

 

潮が引き、干潟で乾燥した10万ベクレル前後の放射性微粒子が舞い上がり、潮干狩り客は無論のこと、江東区、江戸川区、浦安市、市川市、船橋市、習志野市の各沿岸の住民を襲う

 

実例としてこの環境は、米国マリン郡ゴールデンゲート海峡の干潟や英国ブラックウォーター河口の干潟と同様だ。

 

放射能(13)米国マリン郡にみる東京湾のリスク
2019-12-22 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12560976095.html

 

放射能(14)米国マリン郡乳がん多発記事追記
2019-12-23 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12561739654.html

 

 

放射能(8)英国:廃炉で乳がん死者2倍の証明
2019-11-20

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12546857229.html

 

 

つまり、東京湾のこれらエリアの住民にとって、以後、少なくとも半世紀の50年以上は、福島を除く他のどのエリアよりも、乳がんを始めとするあらゆる病魔に襲われる覚悟と、病魔から自らを守る対策を講じることが必然となる。

 

************************************************

(参考)

驚愕:都内水道水の放射能汚染
2018/06/28

https://minaseyori.blog.fc2.com/blog-entry-3966.html

 

東京都水道局:貯水量情報

https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/suigen/suigen.html

 

(画像)

WHITEFOOD

https://news.whitefood.co.jp/news/foodmap/8295/

 

東京湾埋め立て予定地地図
http://www.jawan.jp/rept/rp2017-j120/09.html

 

「海の日」 東京・葛西海浜公園で海開き
https://www.youtube.com/watch?v=HHtGBiMQwDA

 

三番瀬干潟

https://www.youtube.com/watch?v=FU-2r97-4f0