この前お正月終わったと思ったらもう今年も半分過ぎてしまいました。
ワタクシ6月28に59歳になったのですが、少しはゆっくりできる齢になったかなと思う矢先、主人がお誕生日にと老舗イタリアンに連れて行ってくれ、そのまま東京タワーそばのホテルにお泊りし齢を重ねるのも悪くないとゆったり過ごした翌朝そのまま特殊清掃現場に連れていかれるという右手で握手しながら左手で殴られるという体験をしたばかりでございます。
株式会社まごのてとは東京都江戸川区でゴミ屋敷片付けや特殊清掃を専門に行う清掃会社です。
お金を払いたくない人たち
一昨年からワタクシTwitterに参戦してるのですが、なかなか面白い情報が発信されてます。
特に特殊清掃やゴミ屋敷関連、ハウスクリーニング関係の情報は為になりますし、実際Twitterで得た情報を元に新たな技術が開発されたりもしています。
ですが、中にはこれ真に受けていいの!?ってものもかなり混じってるのは驚きです、中でもワタクシが嫌いなのは『お金の勉強』という名目で情報を垂れ流してる輩です、よく目に付くのが賃貸の仲介手数料は値切れるとか火災保険はネットで自分で契約しようとか、退去時には普通に暮らしてた汚れならそのまま退去しても問題ないってやつです。
どんな風に歪曲して解釈したのかしりませんが、ゴミそのまま、水回り超汚いまま出て行って通常損耗だから一円も払わない!というのがここ1~2年アホみたいに増えてます。
不動産の仲介手数料も賃貸の場合借主と貸主合わせて家賃の1か月分が仲手と決まってますが、その割合はどうでもよく事前の同意があれば片方から1か月分でも問題ないのですが、1か月分取るのは違法と書いてます。だから堂々と仲手は半分しか払いませんと言えとまるで鬼の首でも取ったようにボッタクリ違法業者と断罪しています、こうやって知恵をつけてお金を守りましょうってtweetなんですが、こいつらはこうやって煽りながらどこに着地点を持っていこうとしてるのかは気になるところです。
ま、大方投資系の方向に持っていきたかだかの仲介手数料そこのけの金額をむしられるんでしょうけど。
このように最近自分の利益は守る、そのためなら他人の財布には手を突っ込むのをいとわないという思考の人が増えてる気がします、この仲手の問題でもそうで出すお金は半人前、だけどなんかの時は一人前以上のことを言う、これって乞食思考とtweetしてる人もいましたがワタクシもそう思います。
人をタダで使いたい人たち
不動産屋さんの例ばかりじゃ悪いのでワタクシたちを取り巻く環境についても書いてみます、同じくお片付け清掃界隈の情報にも『片付け業者に依頼する費用を節約する方法』だの『片付け業者を安く使う方法』なんて記事やtweetを見かけるのですが内容は別に目新しいものでもなく、相見積で競わせろとか時間指定を外せとか、もっともらしくは書いてるけど結局は送客目的の提灯記事で中身はない、というのがプロ目線で見た場合です。
ですが、こんなカスみたいな情報でも真に受けて実践してしまう人が一定数いるのです、上記で書いた賃貸住宅を退去する時は掃除なんてしなくていいと汚部屋のまま出ていくやつ。元の情報が何なのかわかりませんが↓のような状態のまま出て行って通常損耗だと言い張る気がしれません。
相見積の件でもそうです、価格競争させる目的の相見積なんてまともな運営をしてる業者なら進んで行きません。
ワタクシのところの場合は行政依頼でも価格競争目的なら参戦しません、ですから堂々と価格競争目的で見積もりに来いという人の時は「有料ですがいいですか?ご依頼いただいたら返します」と言えばまずそこから先は進みません。
これは賛否あるでしょうが、見積もりは本来無料ではありません。
便宜上お金をもらわないというだけで、動く側にはお金がかかっています、もっと言えばその費用もまとめて誰かが払っていて結局ババ抜き状態なわけです。
そもそも価格調査したいだけなら現地なんぞ行かなくて出せます、だって「見積もり」なんですからそもそもがアバウトなもんです。
以前からこのブログでも書いてますが、安易に見積もりに来いというのは人の財布に手を突っ込む最たるものと思っており、今でもその考えは変わっていません。もちろん技術的なことや価格以外で比べられるならウエルカムです\(^o^)/
あとご依頼いただいたお客様でも、まったく業務と関係のないお願いをする人もいます。
ちょっと高いところにあるもの取って程度なら全然いいんですが、食器を洗ってほしいとか洗濯物畳んでほしいとかです、悪気はないんでしょうけど掃除屋の矜持としてそれはできないし、ワタクシたちプロに何かを頼んだら必ずお金は掛かると認識してもらいたいものです。
ですからワタクシたちも、この人たちに頼んでよかった、相談してよかったと心底思ってもらえるよう努力は怠らないようにしないといけないと思うのです、このような考えが末端に蔓延するということは価値提供ができていない業界の構図とも取れるのです。
ゴミ屋敷を経年劣化で押し通す猛者
上記に書いたように原状回復に関しても歪曲した情報が流れてるようで、ゴミ屋敷状態のまま退去しようとする人もいて、去年の春先は特に顕著でした。ワタクシもTwitterで「通常損耗じゃない!ただの善管注意義務違反だ」と応戦していた時期もあります。
東京都内の古めのマンションの大家さんから相談を受けた部屋ですが、大きな家具や家電は持ち出されてるけど細かなゴミが残り床も水回りも汚いまま退去していったらしく、本人と連帯保証人に不十分だから引渡拒否の通知をしやり直しすよう言ってるという部屋に行ったことがあります。
住んでた人の言い分は、部屋の損耗は(価値の目減り)は家賃に組込まれて償却されてるのだから、この程度であれば十分その範囲だと主張してるというのです。
モロに聞きかじった浅い知識を振りかざしてるだけです、この元居住者の言うように賃貸住宅の設備や内装は家賃に組込まれて毎年償却されます、だから退去時には原状回復(入居当時の状態)の義務はあるけど、通常使用した上で損耗してる分は経年劣化(変化)として加味しますよ、というものです。
入居時に細かなゴミが床にあるはずもなく、お風呂やトイレが汚いまま、ましてやトイレにうんこがこびりついた状態で入居したのかというハナシです。
このように常識的に考えてもわかりそうなことが平然と行われようとすることはある意味こわい世の中です、この物件は当事者同士じゃ埒があきそうにもなかったのでワタクシのところの顧問弁護士から意見書と通知書を出してもらって渋々応じてくれたようでした。
事業者とお客様の立場とは
業者側とお客様の位置関係ですがワタクシはどっちが上とか下とかないと思ってます、美味しいイタリアンが食べたいと思ったら自分では作れないのでレストランに行く、そして食べたいものを食べてお金を払う。
庭木の剪定をしてほしいと考えたら、やっぱりワタクシも他の家族も出来ないので植木屋さんを呼んでやってもらう。
ゴミ屋敷を片付けたいけど自分ではできないから業者に頼む、人が亡くなった部屋を掃除しなければいけないけど自分では出来ないから特殊清掃業者に依頼する、片やワタクシたちはお客様ができないことを経験値と技術でやってあげてその対価をもらう。
立場としてはどっちも対等でお金をもらう方が下ということはけっしてないのです、ですがお金関係のtweetを見てると、事業者側をあの手この手で一般ユーザーを騙しお金をせしめようとしてる、だから気を付けて見張らなければならない、という論法です。
賃貸住宅のことに話が戻りますが、アパートやマンションの貸主(大家さん)を調べて直接交渉しよう、なんて情報も出回っていて、それをすることのよって不動産屋に支払う手数料がゼロになるというもので、これは大家さん側もメリットがあって双方に良い方法だと書いてありましたが、この思考はたかがアパートの入居ぐらいで真ん中に入って金をせしめるとはけしからん!というものに基づいてと思うのです。
こんなバカなこと誰がやるんだよと思ってたけど、実際に実行に移すやつがいるという大家さんのtweetを見て驚いたものでした。
ただバカげた情報だけを糾弾するのではなく、事業者側も気持ちよくお金を出してもらえる価値提供は日々考えなければいかねいと考えています。
利益を出すことは悪いことという風潮
似たような記事を過去に書いた覚えがありますが、再度書いてみます。
事業者が利益を出すこと、儲けることを「悪」と考える風潮が一定数あるように思います、たとえば原価がどうのこうのと言う人がそれで、コーヒー一杯にかかる原価は数円だから500円で出す喫茶店はぼったくりだ!というものです。
あるゴミ屋敷のお片付けと清掃をご依頼のお客様がこのタイプの人で、「俺はゴミ処分の原価を知ってるぞ」とか「水回りのクリーニングでなんで何万もかかる!洗剤なんて一回当たり数百円だろ」と終始こんな感じでした。これ相談段階でなく発注し作業の最中に言ってたんですよ。
結局何の目的でこんなことを言ったのかしりませんが、同じように原価を知ってるんだぞという論法で攻め込んでくる人はたまにいます、もちろん真っ向から切り返すのですが根底には利益を出すことは悪いことという思考があるのだと思います。
ワタクシたち清掃会社も含め世の中にある会社すべてが営利目的です、仕事を通じて利益を出し納税し従業員に給料を支払い設備投資や技術開発をしているのです、何も悪いことではなく当たり前のことなのです。
上記の作業中に原価を知ってるとのたまわったお客様に切り返した言葉は「そうなんですか。じゃあこの売価(提示料金)が正当だって理解していただいてるんですね、ありがとうございます(๑˃∀˂๑)」
それ以降黙ってくれました。
現在まごのてのホームページが大リニューアル中の関係で毒舌系の記事はアメブロで書けということで久しぶりにこちらへ書きました。