今日もお芝居を観てきました。

今日観たのは「おとこのはなし」@木星劇場 でした。

予て書いたことのあるように、土矢兼久氏の活動20周年記念公演、そして無期限活動休止前の最後のお芝居。

私が観たのが、その最後の舞台でした。

観た感想は、、、、まだまだもっと土矢氏の芝居が観たい!!!!

でしたね。

この作品ひとり芝居なんですが、これまでにもいくつかの一人芝居を観てきましたが、私が観た一人芝居の中でも一番のお芝居だったように思います。

それは、「これで最後」という感情が導いたことなのかもしれません。

ですが、正直、これほど「情景が頭に浮かんだ一人芝居」はなかったんですよ。

 

お芝居なので基本的には「観て」感じるものですよね。

でもね、土矢氏の台詞を目をつむって聞いていると、、、、

満州の耕地の情景や五島の石段の光景などが、まるで映画を見ているように浮かんでくるんです。

年老いた母親が台所で味噌汁をつくっていて、、、母の額にはうっすら傷がみえて、、、、味噌汁の鍋からは、ほんのり湯気が上がっている。。。。

あぁ、、、母さん、、、こんなに小さかったっけ。。。。

 

私事にはなりますが、日々同じような光景をみています。

私の母は88になりました。

昔は見上げていたその姿も、今では棚の上の物を取るときには、私に取ってくれという。。。。。

額に傷こそはないものの、しわの刻まれたその顔には、今更ながらハッとさせられることがあります。

年をとったものですね。。。。。

このお芝居を観て、自分の母親を思わない人はいないのかもしれませんね。。。。。

まだまだ土矢氏のお芝居を観ていたい。。。。。

 

20周年記念という意味ではとても素晴らしい舞台でした。

が、、、活動休止前の演目は本当にこれでよかったのでしょうか?

正直なところ「おとこのはなし」の「おとこ」とは土矢氏のことだと思ってました。

20年の活動の振り返りと21年目からの男の生きる道への決意を舞台上で示してみせる、、、、そんな「おとこのはなし」だと勝手に思い込んでました。

まぁ、、フライヤとか見れば、すぐにわかることなんですがね。。。。

事前にはできるだけ情報を入れずに観に行くってのが私流の観方なので。。。。(^^;)

観終わって、帰りの電車に乗って、、、考えてみれば、これでよかったんじゃないかと思ったりします。

役者というお面を取ったあとも、人生は続くんです。

20年じゃ全然足りないぐらい続くはずなんですね。

だったら20年で人生を総括するような演目をやる必要はないですよね。

・・・そう、今までの20年に「ありがとう」を伝えれば、それでいい。。。。

そんなお芝居だったのかもしれませんね。

 

お芝居の公演は、土矢兼久という役者の演技はもう観られません。。。

まぁ、、少なくとも当分は、、、もしまた役者復帰ということもないとは限らないので。。。。

もうじき「打ち上げ」が16時から行われます。

私にとって、土矢兼久は役者であってそれ以外の何物でもないので、私は「打ち上げ」には参加しません。

今度、いつか、呑みたいですね!!

 

余談ですが。。。。。

進行で藤堂瞬氏がお手伝いに来てました。

かなり前に何度かご挨拶程度に言葉を交わしたことがありますが。。。。

今回はもう少し(ほんの少しだけど)会話しました。

 

もひとつ余談ですが。。。。。

今日は降らないと思ってましたが、、、、降りましたね。

涙雨でしょうか。。。。。

やっぱり「役者」が舞台を降りるのをみるのは、何度みても哀しいものですよね。

 

最後に。

20年お疲れさまでした。

役者やってくれてありがとう!!

これからの人生に幸多からんことを!!!

・・・・だけど、、やっぱり、、まだまだ土矢兼久の芝居を観ていたいぞ!!!