今日もお芝居を観て来ました。
今日観たのは、昨日予告した通り「帰還不能点」@東京芸術劇場 シアターイースト でした。
昨日は西で今日は東ってとこです。
・・・余計なことは省くとして。。。
日本軍がやってきたことをテーマにした、「追憶のアリラン」とは異なり、今日はあの戦争に突き進んでしまった点についてのお芝居でした。

話は変わりますが、今回のロシアのウクライナ侵略について、、、
ロシアは速攻で首都を制圧し、短期間で戦いを終わらせようという目論見で侵略を開始したのは間違いないでしょう。
ですが実際には短期間での戦闘行動の終結は不可能でした。
これは歴史的にも、そうそう簡単に祖国を明け渡した国がないことからも、元々不可能な目論見だったと言えるんじゃないでしょうか。
同じように、当時の日本軍幹部も短期間での終戦を考えていたようですが、、結果はご存知の通り、日本の大敗で終戦を迎えましたね。
戦争とは始めるのは簡単でも、終わらせることは極めて難しいものなのです。
ですから、戦争は始めてはならないものなんですね!
では、先の大戦を何故始めてしまったのでしょうか?
どこで立ち止まり、戦争を回避する道を選べば良かったのでしょうか?

 

話しを戻しましょう。

このお芝居ですが、この手の戦争物の物語のように、その時の再現演劇では、厳密には、違っています。

当時の再現演劇を演劇してる感じですかね。

お芝居はあの戦争に突入しようとしている時代ではなく、戦後、朝鮮戦争が勃発し、朝鮮特需が始まったころのとあるお店が舞台です。

そのお店では、当時の若手官僚などが、とある同僚の追悼のために集まっています。

そこで、、、、まぁ、、、いろいろな理由があって、あの頃の日本帝国中枢での出来事を再現する小芝居が行われています。

私たち観客はその再現小芝居を観るという感じになります。

むしろ再現された芝居を観ることでより鮮明に当時の起きていたことの要点に焦点の合った内容として頭に具体的にイメージがわいてきます。

そして、全体の大きな流れの中で、期間不能となる点は小さな論点であったことが分かります。

ですが、その些細な点とも思える事柄こそが、大きな流れを決定的に濁流に変えてしまうポンとだったんですね。

 

もし、今、新たな戦前の道を歩んでいたとしたら、私たちはその点に気が付くことができるのでしょうか?

気が付いたとして、大きな流れに抗して別の道を進むように何かすることができるのでしょうか?

当時の彼らは、、彼らにはできなかった。

大きな流れがどこかの点で濁流になり破滅に向かうことが分かったとして、その点を明確に認識することができたでしょうか。

物語は戦後のとあるお店の中で演じられています。

その時点では、そのポイントを認識できていたとしても、、、当時の彼らは明確に認識できたのでしょうか?

なんとなく気が付いていた程度だったからこそ、ヤバそうだなぁとは思いつつ、別の道についてできることをしなかったんじゃないでしょうか?

お芝居では、この辺は明確になっていたのか、私には充分つかみ取れませんでしたが。。。。

まぁ、、、明確に認識できていたとしても、何もできなかったかもしれませんが。。。。

では、私たちはどうでしょう?

気が付くことができるのか。。。。。

今の日本人には難しいような気もします。。。。。

 

昨日・今日の観劇で、思ったことは、、何より強く思ったことは、今の政治家の皆さんに観てほしいということですね。

国民を守るということの意味。

それはいづれ使うかもしれない軍備拡張を進めることでは無く、より丁寧な情勢分析と粘り強い外交交渉力を磨くということではないでしょうか?

今の日本の外交力は、戦前のレベルより遥に低いレベルなんじゃないかと思います。

言い方は悪いかもしれませんが「平和ボケ」ですよね。

米国追従で国としても方針は日米安保しかないんですから、、、、

米の世界戦略に組み込まれ、気が付いた時には他国から在日米軍基地が攻撃され、次は防衛戦の名目で自衛隊が参戦し、、、

単純な道筋でもこのぐらいのことはいつ起きてもおかしくないですからね。

国際情勢は現実にはこんなに簡単ではないでしょう。。。。。

 

公演は、、帰還不能点は私が観た公演で千穐楽となりました。

他の演目はまだまだ続きますので、日程を確認し、一つでも観てほしいです!!!

是非ご覧になってください!!

 

 

余談ですが。。。。。

正直、この「帰還不能点」は名作だと思いますよ!!!