恐怖の質が違う‥ | 比翼連理 ~執事の愛が重い件~

比翼連理 ~執事の愛が重い件~

当ブログは、年の差11歳の主従が送る日常の風景。ネグレクトの母から赤子の私を引き取り育ててくれた付き人の白侶(ハクロ)は、その美貌と優雅さで見る者を虜にする外面の良い悪魔。そんな彼のドス黒い“本性”を主人ならではの目線で書き綴るノンフィクションです。

 TODAY'S
 
本当に怖いのは



コロナが流行る数年前
春先に男3人で
キャンプをした事があった

言い出しっぺは
テントや機材、道具など
必要な物は全て揃えてくれた
モテる為なら
何でもやる兄である

キャバクラの姉ちゃんが
キャンプしたいと言えば
キャンパーに

〇KBに入団してしまった元カノが
船が好きと言えば
船舶免許を

行きずりの女が
住む所が無いと言えば
マンション買ってあげちゃう
本物の大バカである

兄の親友のSさん曰く

お前がキャンプしてるとこなんて
見たことねぇぞ!?
案の定

恐らく今後も
使う当てのないキャンプ道具を
持て余している故の
提案だった



斯くして、キャンプは始まった


しかし

兄もSさんも
キャンプ経験はない
兄(バカ)が
景観が良いからと選んだ
キャンプ場には
付近に熊注意】ののぼり旗
5本は見た
くまくまくまくまくま

近所のお婆ちゃんによれば
つい2週間前も
家の前の道路を
クマが渡っていたらしい

※熊注意ののぼり旗、看板は

熊が実際に出没した

にしか置きません


3人とも顔面蒼白だった

バカ野郎に至っては
鼻血も出んばかりに肝を
冷やしていた

もう、テントは立ててしまった


食事の用意も終わり
後は銀色のやつを開けて
乾杯するだけ
キラキラ生ビール生ビール生ビールキラキラ
!呑んだら寝る!
寝袋の用意も完璧だったのに…

恐怖に負けて
すっかり
大人しくなった兄とSさん

2人とも、このままでは
眠れないとまで言い出す始末

    

仕方がないので


修行で野宿&山籠もり慣れしている

私が寝ずの番をする形で

2人は眠りについた



その日の深夜


テントの外から男性の声で
「〇〇に行きませんか?」
と話し掛けられた
時間は深夜
1:48
どう考えても頭がおかしい

声の主は明らかに死者だった

耳に直接入ってくる
生者の声と違い
死者の声は
“耳と頭の中間で響く”ように
聞こえる


男はすでに4回は
同じセリフを繰り返している
聴いててキレそうだった
私は、〇〇に興味は無いが
貴方の行くべき道を示すから
この辺に熊はいるか尋ねた

“いない”

安心した

その後は寝袋に潜り
私は夢も見ぬほど熟睡した


早朝…
お前昨日の夜
何と話してたんだよ!?

という
兄の声に起こされた

どうやら見られていたらしい
Sさんに至っては
帰り支度までして車に乗っていた


怖い物は人それぞれだが・・

兄→幽霊

Sさん→私


私→本土最強生物
・・・だって熊だぜ?