私の義姉は、とある化粧品会社の室長を勤めている。
その会社というのは───
よりによって・・・
あの腐れ安倍晴明の直系の子孫が経営する会社である!!!
怨念は、深淵より深し
当然である。
今は昔、平安京より始まる奴と私の因縁は1000年以上に及ぶ。
あの嫌みな顔に相応しい、奴の嫌がらせの数々といったら・・・
それに対する私の涙涙と苦悩の日々と言ったら。
・前世で、奴に帝の暗殺をバラされ殺される
⏩妻は丸太で顔面を潰され圧死
⏩息子は刀で頭部を刺され刺殺される
・必ず、近所に一ヶ所は所縁の地が!
⏩福島、岩手、長野、京都、和歌山県の別邸8ヶ所・・
全てに奴の痕跡在り
・付き合う彼女が全員「安倍晴明ファン」!
⏩クッソ(泣)www
・晴明の許可なく晴明神社に入れない!
⏩鳥居を潜ろうとすると雷鳴が響く
(社務所の人が飛び出してくるレベル)
⏩馬面の門番2匹が矛で首を斬り落とさんと牽制してくる
・毎年、秋に秋刀魚で一献やりにくる
・京都での俺の扱いは「晴明一番、影正二番」!
・悪口を言うと瞬時に式神が翔んでくる!!
そして───
・さすがに山形県には(笑)
⏩と、高をくくっていたら・・義姉がまさかの晴明配下。
───と、そんな感じで。
今だ切っても切れない我々の悪縁は、師曰く「もはや腐れ縁」に近いらしい。
晴明は晴明で私を監視しており、
私は私で晴明に執着しているんだとか。
そして、この度・・・
「水都くんは2月から来てね」
独立については「自分のサロンを開く」という意味だったが・・・
なぜか、私を従業員の頭数に加えているド天然な義姉の計らいで───
ついウッカリ?
千年の時代を越え、
因縁の魂が
ついに再び交わった!!!