その一言が言えたなら苦労はねぇ.. | 比翼連理 ~執事の愛が重い件~

比翼連理 ~執事の愛が重い件~

当ブログは、年の差11歳の主従が送る日常の風景。ネグレクトの母から赤子の私を引き取り育ててくれた付き人の白侶(ハクロ)は、その美貌と優雅さで見る者を虜にする外面の良い悪魔。そんな彼のドス黒い“本性”を主人ならではの目線で書き綴るノンフィクションです。

痛々しいなぁww


でも、俺に付けられたんだから『名誉』の負傷!
でしょ?

・・・・・・・・・・・・・・・

(トン、トン、トン..)




無視だよね。

野郎、完全に無視だった。
ここまで華麗にスルーされたの、私    ラブハッ



(トン、トン、トン..)






白侶の頬には傷がある


日本刀のような端正な顔に付いた、くっきりとした2本のキズ

まだ赤みの残るソレは、よほど強く引っ掻いたのだろう。
みみず腫になって、が滲んでいた。


それは入院中、幻覚を見て暴れた私を、彼が取り押さえた時にこさえたキズだ。



何度も言うが、全身麻酔の後遺症はマジでヤバい!
私は三日三晩、吐きまくった。

意識は朦朧、“幻覚”は最低最悪。

白侶に捨てられる“幻”を見た私は正直、絶望した

彼は私の小姓だが、同時に“育ての親”でもある。

その為、あの時の絶望感はかなりの物だった。

寄せる信頼が大きいほど、相手に裏切られた時の怒りや憎しみは増大する。


愛憎は表裏一体

私はあの時、爆発した怒りと絶望感で死ぬかと思った。




(トン、トン、トン..)





(トン、トン、トン..)


・・・・ねぇ、

はい..

別にビビってる訳じゃないけどさ・・・
ビビってる訳じゃないんだけどさ別に

その「トントントン..」って止めてくれる?
心臓に悪いから

失礼致しました..



白侶がテーブルを叩く音が私のSAN値を削る・・・がくぅ



せっかく貴方が付けて下さった傷ですから・・・・・

貴方が舐めて下されば治るのに

と、考えておりましたもので..



冒頭で俺が投げたブーメランが全力で跳ね返って来\(^o^)/


・・・・・一回で良い、俺お前に口で勝ってみたい
無理ですね..


普段、冗談を言わない奴の冗談ほど怖いものは無いと、この時悟った。



破壊力が違う

完全にキレてやがる・・・





“ガンッ!”


やや乱暴に押さえ付けられたワードローブの扉がカタカタ揺れた。

が、果たしてその音は私の足が震えていた音とも限らない・・・



ねぇ、

壁ドンてさぁ・・・
もっとトキメく物じゃなかったっけ?

トキメキませんか


鬼だなお前ムカムカ

今のでトキメいたら心臓病だよ!?
バカなのお前。(;°皿°)!!


ある意味ドキドキハート黒
心臓バクバクスカル青スジ

ありがとうイケメン。

あの恐怖、二度と忘れない




さて、長い付き合いというのは、時に面倒なモノである。


彼はここまでして、何がしたいのか。

それは、入院やら手術やらで参ってしまった私の、“ガス抜き”である。

この恐怖の大王お節介は、私の精神状態が弱っている事に気が付いている。
そして、こうでもしないと私が本音を言わない事も、解っている。


・・・ホント、気が利き過ぎる・・・・


何年、お傍にいると思っているんですか?

自慢ですが、
貴方のことなら見れば解ります..


伸びてきた手が顔の横をすり抜けた時は、一瞬、心臓が止まるかと思ったけどな・・・


怖いと思ったことは、根本から解決しなければ心の整理はつきません..

ならこの体勢をまず何とかしてくれる?
貴方が傲慢不遜な態度でくる時、

聞けようっ( ̄□ ̄;)ビックリ
それは、御自分では手の打ちようが無くなった時だ..



素直になれば良いものを・・・

なぜ一言、助けてが言えないのでしょうねぇ..





捨てられるんじゃないかと思った瞬間、本気で怖かった。

これが本音。
自分にとって、これ以上の恐怖はこの世に無いと思った。



28年間。
生まれた時から、両親に代わって私を育ててくれたのは白侶だった。

それ以外にも理由はまま在るが、私たちは案外、お互いの事をよく理解していると思う。

いや、白侶は私のことを大分理解してくれているみたいだが、正直いうと、私はあまり、白侶のことを理解出来ていない様な気がする。


自分にとって、白侶の存在はとても大きい

これは間違いない。


きっとこの男がいなければ、私はとうに死んでいてもおかしくない経験ばかりしてきた。

誘拐、監禁、事故。
同性からのレ○プ未遂。

我ながら、よく生き延びてこれたものだと感心する


だが、そう思えるのは全部────

これまで助けてくれた白侶のお陰だ。


・・・・・私は少し、甘え過ぎていたかも知れない。


『お疲れ様でした』って言葉が、『さよなら』に聞こえた。


捨てられるんじゃないかと思ったら、もの凄く、怖かった・・・

それで?

坊っちゃんはどう為さりたいのですか?

別に・・・


どうもしない!!
バーカ怒!!




長い付き合いというのは、時に面倒なものだ。

言いたい言葉が、素直に出てこない。


本当はそんな事を言いたい訳じゃないのに、つい怒ってしまう。
「別にいい」なんて、全然、思ってやしない。


(笑)・・・畏まりました
では、その様に..



長い付き合いというのは、本当に、面倒だ・・・。






本音じゃなくても伝わる思い


夫婦、コンビ、パートナーだからこそ解るものモノって、あるのかなぁ・・・ぼー…