「同性婚 私たち弁護士夫夫です」を読んで、僕のブログに来てくれた人もいらっしゃると思います。
あの本を読むと、僕と彼と、そして母も含んだ3人は、とてもすばらしい、ハッピーしかないように見えたかもしれませんが、実は、そんなことはありません。
僕たちのことを知っている人はすぐわかると思うのですが、この3人の関係は、けっきょく「わがままな南和行」を温かく支え得てくれる彼(吉田くん)そして優しくなんでも肯定してくれる母メアリという構造なんです。
一日の生活ひとつにしても、朝起きて朝ご飯を作ってくれるのは吉田くん、お昼に事務所で食べるお弁当を作ってくれるのも吉田くん、そして二人とも同じだけ仕事をして,同じだけ頭を使って、でも、事務所の会計や全体的な差配は全部,吉田くん。
しかも、僕は事務所に来れば母メアリも事務局スタッフとしているわけです。「お母さん」がいてくれるので,「お母さん,お茶入れてー」「薬局でロキソニン買ってきてー」「コーヒー飲みたい」とかなっているわけです。
母メアリが畑で作ってくれた野菜を持ってきたときに、それを料理して次の日「お母さん、おいしかったです」と言って親孝行するのも吉田くん。
ここで、もうお気付きなように、僕はこれ、男女の夫婦で言ったら、ほんとあからさまなダメ夫なんです。
外向きに社交的に飛び回って、人付き合いが大好きで、目立つところにはいつも「南くん」なんですが、その裏側は、吉田くんとお母さんがいないと、実はなんの生活力もないという。
しかも、吉田くんは吉田くんで、僕とは別に自分の仕事があって、例えば少年事件とか、しっかり自分の領域で頑張っているのに、じゃぁその吉田くんを支えるのは誰?!吉田くんは、もしかして自分で自分を支えてんじゃないの?!
南くん、もっと吉田くんに感謝して、いや、感謝するだけじゃなくて、ちゃんと、吉田くんが「南くんがいたから良かった」と思える行動をして、という感じです。
なのにね、僕は、いっつも、追い打ちをかけるように吉田くんをガッカリさせて怒らせてしまいます。
吉田くんが体調悪くてどうしても事務所に出てこれないときに、吉田くんの代わりに銀行にお金の出し入れをしに行ったら、それですら間違えてこんがらがるとか、よく言われるのは「おちおちしんどくもなれない」。
僕のこのようなダメぷりは、今日も発揮されて、僕は金曜日から3週間、アメリカ国務省のIVLPという研修プログラムに参加するので、アメリカに行くのですが、あろうことか火曜日の今日、航空機の手配の誤りに気づき、格安の固定チケットだからキャンセルはお金がかかり、変更もできず。
今日は体調不良の吉田くんから「なんであらかじめ電話1本で確認できることをしなかったんだ!」と呆れた上に怒られました。当たり前です。
僕がなんだかよく調べもせず、なんだかネットのスカイスキャナーって便利ねキャーッみたいな感じで、「やればできるもん」的な雰囲気を出してイソイソ1人で予約したのが5月の末頃。
そのとき、たしかにパソコンの後ろで吉田くんが「ほんまに大丈夫?」と何度も何度も聞いていたのに、「大丈夫に決まってるやん」って、調べもせず知らないのに言った僕はアホだろうか。
案の定、今日は夕方から頭がパニックで、それも冷静に対応したらいいのに、とにかく「だめだー」「だめだー」「お金がなくなるー」となって、そんな自分か本当に嫌だと思いながら、そうなってる自分はやっぱり吉田くんに甘えているのかなぁとか。
たぶん、僕が死んでも吉田くんは1人で生きていけると思うのだけど、僕は吉田くんが死んだら、なーんもできない口ばっかりの若オジサンひとり。使えねーみたいな。
こんなんだからなのか、僕は女性側の離婚の相談や案件がとても多いし、自分でも合っていると思う。真剣に生活や将来を考えている女性に対して、余りにも無自覚に自分の日常の幸せを当たり前だと思いすぎている男性。
僕は女性側の離婚案件をしながら、つくづく、いっつも思う。なんで、男の人ってこうなんだ!!!って。まるで自分の姿を見ているような、いろいろなどうしようもない男性の姿に、「アナタがもうちょっと、こうだったら、こんなことにならなかったのに!」って、本当に思う。
弁護士夫夫といって、本まで出しても凸凹カップルというか、こうして夫夫の日々なのです。