日本将棋連盟 南柏リビング支部の 支部長と指導係が、初心者にもわかりやすく大盤で将棋の解説をします。
今回は、駒落ち定跡のうち、二枚落ちについて。
第１章 二歩突っ切り定跡（にふつっきりじょうせき）
将棋の駒落ち※1戦（二枚落ち※2）における下手の定跡のひとつ。
下手が３筋、４筋の位を取り、角筋を利用して攻める戦法。
一般の平手戦では見ることがない、３筋、４筋の歩を突き進めることが名前の由来。
※１ 将棋の対局で対局者に実力差があるときに一方の駒の数を減らすことで実力差を埋めて勝負するハンディキャップ戦のこと。
※２ 駒落ちのうち、上手が飛車と角を落として対局する駒落ち戦のこと。
なお日本将棋連盟(東京道場)では、６～７段(級)の差があるときに、二枚落ちの手合い割となっています。
第２章 銀多伝定跡（ぎんたでんじょうせき）
将棋の駒落ち戦（二枚落ち）における下手の定跡のひとつ。
下手が４筋の位を取り、中飛車をセットで攻める戦法。
銀多伝囲いで玉を囲ってから攻めることが名前の由来。
中央の厚みから、攻め込む戦法であり、二歩突っ切り定跡と比較し、振り飛車党、居飛車党いずれも感覚的に指しこなし易いかもしれません。
第３章 あえて定跡を使わない(四間飛車_美濃囲い)
将棋の駒落ち戦(二枚落ち)では、二歩突っ切り定跡、銀多伝定跡が一般的ですが、
それら定跡で下手が勝ち切るのは容易ではないと思います。
変化が多く、上手は随所に紛れを狙ってきますし、
平手で指す感覚と違うのは戸惑う方も多いのではないでしょうか。
なので、定跡を使わずに普通に対局してみてはどうでしょうかという提案です。
そもそも上手は飛車角を落としているので、自分から攻めていくのは難しく、基本的に手待ちが多いかと思います。
そこで下手はゆっくり美濃囲いにしましょう。
また上手側からは、右翼の金や桂馬で手を作るのが一般的なので、
四間飛車で間接的に上手の差し手を制約していることも大きいと思います。
駒落ち戦に慣れていない方は、むしろこの方法が勝ちやすいかもしれません。
いろいろ試してみてください。
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