谷崎潤一郎『細雪』⑧ ~平安神宮。なつかしい花影 | 自転車から今日は♪

自転車から今日は♪

坂道の多い所に住んでます。
愛用のママチャリで鼻歌歌うのが大好きです。
小さなおうちでの生活をのんびり綴ってみたいと思います♪

 

 

 

Ombra mai fu
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più

 

かつてどの樹々の庭にも
かように甘く、優しい、心地よい樹々の影はなかった

 

ヘンデル「オンブラマイフ」

 

 

 

谷崎潤一郎の小説『細雪』

嵯峨野の広沢池からスタートしたお花見も

いよいよ最後の平安神宮となりました。

 

 

 

 

 

前回の記事では桜のお話から脱線し

谷崎ファミリーのリアル細雪なアレコレを書いてしまったのですが

実は谷崎先生

 

関西の上流階級の堕落した生態も書きたかったのだけど

戦時中の制約があって書けなかったんだよ~

 

みたいなことを、あとがきのなかで話されています。

 

もしも戦争がなければ、リアル細雪に近いまた違った印象の

名作が誕生していたと思うのですが、果たしてどうなのだろう。

 

それを読んで、本を携え京都の桜巡りをしたのだろうか。

 

今発表されているあの『細雪』だったからこそ惹かたのではないかなぁ

と思ったりもします。

 

戦時下にあの小説を書くことはさぞかしご苦労もあったと思います。

 

ですが規制があることで、美しさの純度は高くなり

結局は物語の裏側を覗いてみたくなるわけですから

結局読者は文豪の手の上で転がされているよなぁと

苦笑してしまいます。

 

細雪に登場する桜を見ることは長年の夢でした。

 

願いがかなって満足しています。

 

 

 

 

 

では、細雪平安神宮編を読んでみましょう。

 

 

あの、神門を這入って大極殿を正面に見、西の廻廓から神苑に第一歩を踏み入れた所にある数株の紅枝垂、── 海外にまでその美を謳われていると云う名木の桜が、今年はどんな風であろうか、もうおそくはないであろうかと気を揉みながら、毎年廻廓の門をくぐる迄はあやしく胸をときめかすのであるが、今年も同じような思いで門をくぐった彼女達は、忽ち夕空にひろがっている紅の雲を仰ぎ見ると、皆が一様に、
「あー」
と、感歎の声を放った。この一瞬こそ、二日間の行事の頂点であり、この一瞬の喜びこそ、去年の春が暮れて以来一年に亘って待ちつづけていたものなのである。

 

 

 

伊能忠敬もビックリ、地図でも作るおつもりですか脚力で

嵯峨野、嵐山の桜を堪能した蒔岡シスターズ

 

ここからは時間短縮

タクシーを拾って京都市街の平安神宮まで移動します。

 

私はタクシーを使うほど裕福ではありませんので

路面電車にのって市街に戻ります。

 

京都の街並みを堪能できとても良かったのですが

スマホのバッテリが残り少なくなり、内心ヒヤヒヤでした

早いとこコンビニでバッテリを調達しなくてはなりません。

 

 

そして平安神宮に到着なり~

早朝ぶりだね~ また戻ってきたよ~

 

 

 

 

 

フン、フン、フン、フ~ン♫

 

とオンブラマイフをハミングしながら中に入ってみましょう

 

 

平安神宮と桜を一緒に撮影せねばと頑張るブログ主

 

 

 

 

だがしかし、お花見のクライマックスは正面の大極殿ではなく

むかって左側の門から入場料を払って入ることになる「神苑」の紅枝垂れ

 

 

 

 

 

そぞろ歩く華やかな蒔岡家御一行

さぞかし目立ったことでしょう。

 

 

 


お目当ての桜は廻廓の門をくぐってすぐにあります

夕暮れに染まった紅枝垂れをみて「あー」と歓声をあげるあの場面

 

 

 

 

 

楽しみにしてた方本当にごめんなさいね。

 

私が訪れた3月23日はようやく桜が開きだした頃で

 

花はまだまだこれからデスって時期でした。

 

 

 

 

 

しかも、あいにくの空模様雨

 

 

 

 

そして写真からはわからないかもですが

かなりの観光客が来ていて紅枝垂の前で列を作っていたため

長居はできず良い写真があまり撮れませんでした。

 

 

 

 

 

しかし私が京都を訪れた数日後

d9nchanさんも細雪お花見ツアーも決行されまして

 

それはもう美しい紅枝垂を見せて下さいました。

 

しかも、自分の無知でうっかり通り過ぎ、撮り損ねた、

涙の円山公園の桜にまで立ち寄ってくださって

 

ううう… カンゲキです。

 

平安神宮では小説通りに、神苑内でお茶席楽しんでるし

 

令和の花嫁さんに遭遇して

幸子の娘、悦子がはしゃぐ場面を再現してるし

 

なんでしたら、悦子ちゃんがお麩を投げ入れた

池の鯉までフォローしてるしもう完璧

 

 

リブログさせて頂きますね

 

 

 

さぁ、私も中に入ってもう少し歩いてみましょう

 

貞之助が姉妹や娘の写真を撮った場所はどのあたりかな

 

 

 

このへんの水際とか佇んでそうだなぁ

 

はい チーズ

 

 

 

 

お花見の最後の〆の場所として選ぶだけあり

どこを振り向いても絵になる風景

 

 

 

エキゾチック じゃぱ~ん

 

 

 

 

「円く刈り込んだ馬酔木」ってこの木かな

 

かなり大きく育ってます

 

 

 

 

雨に濡れて綺麗だこと

 

 

 

 

「菖蒲の生えた汀」の場所はこのへんだろか

 

 

 

 

 

満開ではないけど、桜も健気に咲いてる

 

タイトル細雪なのに、その儚さか桜とかぶる

 

日本語ってやっぱり素敵だ

 

 

 


 

 

これはすぐにわかった

「蒼竜池の臥竜橋の石の上」

 

この上を谷崎翁や姉妹たちが歩いたのだと思うと感動しますねぇ

 

 

 

 

栖鳳池到着。

 

尚ここへたどり着くまでの間、蒔岡姉妹はいろんな人から

写真を撮らせてもらっていいですかと声をかけたれたり、

隙をついて隠し撮りされたというエピソードが挿入されている。

 

私はというと

 

すみませ~ん シャッター

押してもらっていいですか~

 

とそれはもうたくさんの人から声がかかり写真撮らされました

(しかも皆、カップルだ)

 

カメラに撮らまくりの蒔岡姉妹と

人様のカメラで写真を撮らされるブログ主

 

同じ桜をみているのに、この違いはなんなんだろう…笑い泣き

 

 

 

 

 

緋鯉に麸を投げたっていう楼閣の橋の欄干に到着~~

 

ここまでくれば、ほぼほぼゴールですね

 

やった~ 完走だ~

 

バンザ~イ バンザ~イ!

 

 

 

 

谷崎潤一郎の小説『細雪』お花見ツアー

 

お楽しみいただけましたでしょうか

 

 

実はみなみ地方のご近所にも桜の名所100選となった

桜並木があって、わが町の桜ほど素晴らしいものはないと思っていたのですが

 

やっぱり旅ってしてみるもんですね

 

 

京都の桜っていうのは

 

えーと… うーんと…

 

あー、はい

 

歴史、感じました

(↑オイコラ適当に言ってるだろ。後で作文二枚書きなさい)

 

 

 

 

突然決行したお花見ウォーキング

 

コメント欄ではたくさんの、文豪トリビアが集まって

新たな名作散歩な旅がしてみたくなります。

とても勉強になりました。

 

中でも実際に京都まで足を運んで、ブログ主がめっぽう苦手な

歴史的な視点で京都の桜を紹介してくださったd9nchanさん

 

クスッと笑える文豪イラストと、作家の人となりを

紹介した本を読まれて関連本をたくさん教えてくさった

あさぼらけさん

 

そして、映画の美しい画像や、谷崎潤一郎の関連作品について

たくさんの纏め記事を書いて下さっていた、みどりさん

 

 

小説の場面との比較画像として、映画からの画像をお借りしたのですが

こちらの記事にはなんと谷崎先生の肉声が!

 

少し長いですが、このインタヴューは本当に面白かったです。

小説『鍵』を発表された頃のものかな

 

リンクを張らせて頂きますね。

 

 

 

 

長ったらしい記事なのに、お付き合いくださったことも嬉しくて

調子にのってシリーズ8まで書きました。

 

 

また機会がありまりましたら

聖地巡礼ウォーキング挑戦してみたいなと思いますが

今度はいつになることやら

 

おつきあい有難う♪

 

 

谷崎潤一郎『細雪』お花見ウォーキング

 

ブーケ2 おしまい ブーケ2