「眠れない夜なんてない」、ありがとうございました。 | 台風373号。

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井上みなみのブログです。

9月の終わりに書いた文章がでてきたので、ひとまず載せておく。

 

「豊岡演劇祭2020」が終了しました。約2か月の豊岡生活を終えて、東京に帰ってきています。いまは自宅でお湯を飲んでいる。

 

劇場に足を運んでくださったお客さま、本当にありがとうございました。全5ステージ、50%の客席を、寂しいと感じることはありませんでした。初日のカーテンコールは、さすがにぐっとくるものがありました。約半年ぶりに舞台上から聞く拍手は、やっぱりやっぱり特別だと思った。きちんと現実と向き合いながら、やるべきことをやって、このあとも粛々と前に進みます。

みんなで元気に千秋楽を迎えました。よかった。でもコロナ禍の生活は、なにの後でもしばらく体をよく観察しなくてはならない。しっかり自分を見ておきたいと思います。

 

「眠れない夜なんてない」は、内側から見ていると、はっきりしているようで、ぼんやりしていて、私は外からの言葉を求めているなあと思う。まだ、来年以降上演予定は残っているので、じっくりコトコトしていきたい。

以前ここにも書いた曾祖父のことを考えたりしながらやっていたのだけど、Tさんのおじいさまが曾祖父と隣の師団だったことがわかった。75年前、日本から4500㎞離れた国で、100km距離を置いて配置された隣同士の師団だった。集合したときもあったようだから、本当にすれ違っていたかもしれない。まあ会っていない可能性の方が高いけれど、ここから見ると、ふたりはすごく近くにいたんだなあと思う。別にいいことではないのだけれど、少し嬉しかった。そのおじいさま(当時はお若い)は生きて日本に帰ってきて、結婚して子供が生まれて、そして生まれたお孫さんがTさんになる。教科書や資料も大事だけれど、こういうことから、歴史って本当にあったことなんだなと思う。Tさんとは、お互いに「(ひい)おじいちゃんによろしく」と言って別れた。わたしとTさんはすごく近くに居るんだよ、と伝えたい。

 

さて、過去過去ばかり気になって、私たちは今と未来を、きちんと大切にしなくちゃならないね。