軌道を求める - 謎の飛行物体の正体 (4) | 池袋駅南口の天文計算

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短時間の観測データから人工衛星の軌道が決定できるものかどうかISSのデータで検討してみたところけっこうちゃんとした結果が得られることがわかりました。

そこでいよいよ謎の飛行物体が人工衛星であると仮定して軌道を求めてみました。
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じつはこの計算を妥当と思われる値に収束させるのはけっこうたいへんでした。高度がマイナスになったり赤緯が観測データと逆の方向に動いていたり....

いろいろやってみてやっと納得できる結果になったのが上図です。

平均運動がマイナスになっていますがこれは地球の自転と逆向きに動いていることを意味しています(こういうときは軌道傾斜角をマイナスにするお約束らしいですがこういうときは軌道傾斜角が90度を越えることで逆方向に周回していることを示すようです)

そして平均運動8.85ということは2時間40分くらいで地球を一周していることになります。つまりかなり高いところを飛んでいる人工衛星ということになります。高度3,500kmという結果が出ています。

動画ではするするといなくなっていますが使っていたのが700mmのレンズなので考えてみたらあたりまえの話です。これがISSみたいな高度400kmの衛星だったら瞬間的に過ぎ去っていったと思います。赤経・赤緯の移動量を見てもこれは言えます。

でも軌道傾斜角が70度で高度3,500kmの衛星なんて実在するんでしょうか (^^;;

モルニア衛星みたいに離心率が大きい衛星の軌道の一部を円軌道と仮定すればこんな結果になるのかもしれません。でもモルニア衛星は地球の自転の同じ向きに周回していたような....

これだけ地球から離れていれば真夜中に見えてもおかしくはないような気もしますが、せっかくここまで計算したので次にこの衛星が地球の影に入っているかどうかを考えることにします。


前回のISSの分と合わせ計算用のExcelのファイルをアップロードしました。

  「人工衛星_20130919.xls

NORADの軌道要素の見方や関連リンクも資料として入れてあります。

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19日未明6.3等星掩蔽観測結果+謎の飛行物体
(動画)掩蔽5分前のHIP 113421
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