バイト先で出会った小学一年生の男の子。初対面。一緒にいる時間に何と話しかけようか。自分からしゃべる子はいいけれど、沈黙している子には、何を話したものかと考えてしまうことはよくある。小学生といえども立派な人。聞かれたくないことだってあるだろうし、話したくないことだってあるだろう。フトみると、ランドセルからぶら下げたランチョンマット入れの袋がサッカーボール柄ではないか。ためしに、「Kくん、サッカーやってるの?」と聞いてみた。「うん! やってるよ!」チラっと彼の目が輝いた。お、これはサッカーが好きな子の目。スクールに通わされているんじゃなく、チームでやっているんだな。この子の通っている小学校からすると、たぶんチームは〇○だろうな、とアタリをつけ、「じゃぁ、〇○でサッカーやってるんだ」と言ってみた。その瞬間、彼は私のほうに向きなおり、「なんで知ってるの!?」と目を丸くした。「知ってるよ。だって、ウチの息子たちもサッカーやってたもの。○○とはよく試合して、いいライバルだったんだよ。○○は強いチームだから」。「え~、あんまり強くないよ」と言いながらも、「あと二つ寝ると練習」なんて言って、週末の練習を楽しみに待っている様子。1年生かぁ、これからどんどんサッカー楽しくなるね。すると今度は、週末の別の用事も思い出したらしく、「休みの日は、イトーヨーカドーに行くんだ」「へぇ、そうなんだ」「あぁ、早くイトーヨーカドー行きたいなぁ」と言う。それでピンと来た私、「あ、3階でゲームするんでしょ?」と言うと、またまたビンゴ。私のほうに向きなおり、「なんで知ってるの!?」。まんまるい目をさらにまんまるくしているので、あまりのかわいさに笑ってしまった。そりゃわかるわい。経験豊富なおばさんだもの。週末に買い物で連れていってもらったとき、3階のゲームセンターで遊ばせてもらうの楽しみにしてる子、昔からすごく多いからネ。
私も立派ななおばさんになったもんだよ、と満足しながら、いやいや、この場合、一番すごいのは、「なんで知ってるの!?」と言ってくれたKくんだ、と気がついた。
このリアクションはすごい。「うん、そうだよ」でもすむところに、「なんで知ってるの!?」。こんなスゴイほめ言葉があろうか。「なんで知ってるの!?」って言われたほうは、いい気分になれるのみならず、はて自分はどういうわけで、そのことについてよく知っているのかな、と、自分の得意な部分を再認識することができる。「なんで知ってるの!?」と言われたら、言われたほうはますます励もうという気になるんだから。
今日から、Kくんみたいに、「なんで知ってるの!?」とリアクションしてみよう。そう決めたのだけど、なかなかこれが難しい。
Kくんは、特別活発そうなタイプではないけど、上の学年の友だちからもいつも声をかけられている人気者だ。やっぱりね。




