三白眼がチャーミングな、黒サビ「クロエ」
「どうせ、私はブン太の次でしょ」と言っています。
クロエが、初めてウチに来た頃、
この辺りの雌ボスは、サリーでした。茶髪だからサリーね。
サリーは小柄ながら気が強くて、他の雌なんて居ようものなら、もの凄い勢いで飛びかかっていきます。
そのヤンキーなサリーがウチでご飯食べてると、ブン太は速攻で上に乗っかるんだけど、構わず無視して食べ続けるという・・・
残念ながら写真はありません。
クロエは、小さな黒サビで、鼻がツンとして可愛らしかった。
私は、ずっと「クロエ」と呼んでいるのだけど、それが自分の名前、とは思っていないみたいに見える。
カメラを向けると警戒して睨まれる。
撫でてやるとゴロゴロ言って、お腹も見せて甘えたりもするんだけど、
絶対にウチで寝てはいかない。
ブン太は、サリーに対するのとは全然違っていて、
そっと近づいて、クンクン、クロエの匂いを嗅いでいる。バッと振り向いたクロエにシャッと猫パンチを食らったりするのだけど、へへへ~と言うように目を細める。
ブン太は、初めてウチに上がった時から、ご飯食べたあとは、当然のようにソファに陣取って一休みしていったけど、
そのブン太の前で、クロエを撫でていたら、
ギョッとしたように目を見開いて、クロエを凝視していた。
クロエは、私の足にマーキングを始める。スリスリして頭を押しつける。
ブン太はずっと見ている。
猫はヤキモチ焼きだと言うから、怒ってるのかな? と思った。
でも、クロエは、そそくさと帰っていく。
たぶん、ウチは彼女の縄張りの外にあるんだろう。
そして、驚いたのは、クロエが行ってしまったら、ブン太がおもむろに、ソファから降りてきて、
私の足にスリスリしてきたのだ。
初めてのことだった。
ブン太は、クロエからスリスリを学んだんだね。スキルアップだね。
まだ、ニャアとも言えなかった頃だ。
ブン太は、その後もクロエが来ると、周りをウロウロして猫パンチ食らっていたけれども、
その後、気がついたら、
クロエは、ブン太の前で恭順の意を表して、伏せて媚びたりするようになった。
へえ、と思った。
クロエは、何度か、子供たちを連れてきたことがある。
そっくりな黒サビと、メスの白トラと、オスのふわふわの茶トラ
昼寝をしているブン太を触りに行ったりしていたが、ブン太は、子猫には優しかった。
あの子たちは可愛らしかったし、ウチで、だいぶ人慣れしたから、
きっと、どこかで飼ってもらえただろうなと思っている。
じきに、クロエは、また独りで来るようになったから。
今でも、クロエはウチに食べにくる。
そして、食べたら、すぐ行ってしまう。
でも、この間、クロエはソファの上をジッと見つめていた。
ソファに上がるのかなあ? と思ったけれど、
じっとお行儀よく座ったまま、ちょっと頭をかしげて見ていた。
その話をしたら、、
「ブン太が居たんじゃないの?」 と、家人が言った。
そう。そこは、ブン太の定位置だった。
大抵、どこか怪我をしていました。ここが定位置。

ブン太はカメラを向けると、目を細くする。
今でも、時々来てるのかなーと思ったりします。


