夜の雨が好きです

なにもかも静まり帰ったとき

さわやかな風とともに

かなしみを流してくれる夜の雨が

好きです

暗い夜に見えないうちに

どこかに流れます

さあ寝ましょう

明日はきっといい日だから

心が真っ白な

いい日だから
あのきつねが朝、目を覚ました時に

空を見上げて鼻を鳴らしたとき

今日、こんな目に合うと思ったろうか

自分の命が今日限りなんて疑わず

巣を駆けだした

躍動する君の足

熱い血潮を燃やした所に僕がいた

信じられぬと目で見て、そして、そして、

君の閉じる目は僕を見て

撃った僕を見て
フケがヘッセの詩集に落ちた

うすあかるい光りが蛍光灯にあり

ラジオから歌が流れる

天国から見えない夜空を想い

その下で寝る幾千もの人のことを想う

ヘッセ詩集をめくり僕は思う
森の奥に降る雨と霧の違い

分かりますか

いいですね

清水が流れて

あなたがいるから

いつまでも

ここに立っていれるんです
ホタルがとんでいます 田んぼの近く

消えてしまいそうな光りなのに

まだ消えません

ほのかな香りとともに

飛ぶホタルは 僕らみたいだね

ほのかな小さな小さな光はまだ消えません

うたをうたいましょう ホタルとともに

どこかへ行ってしまいそうなのに

まだここにいます 小さな光とともに

飛ぶホタルは 僕らみたいだね

ほのかな小さな小さなホタルはまだいます


こんな海で心を動かすなんて
なんて人間だろう
決してきれいとは言えない海に
心を動かされるなんて

あの太陽だって
僕を笑っているはずだ

昔の人間はもっときれいな海を見て
喜んでいたんだとね

でも僕はこの海でいいのだ
こんなに汚くても

一人で砂浜に座って
ただ見上げるだけで
雨に当たってただ歩きたい
服は濡れて髪から滴が降りるけど
ただ雨に打たれたい

彼女に振られてわけじゃない
その逆さ

だからこの体が火傷する前に
雨に打たれたい
髪から滴が垂れている

今日誰かが死んだんだろう
この雨はその人のために降っている

彼女に振られてわけじゃない
その逆さ
僕らの横を通り過ぎたよそ風は
今、川沿いを走っている

道はどこまでも続いているわけじゃないけど
二人でずっといれる

あの木の下で休もう
草の上に腰を下ろして
二人で語ろう

今の僕は盲目さ
君はまるで目隠しだね

ただ光りしか見えないよ
太陽ではない

長い髪がそよ風に流れている
草もサラサラ笑っている

道はどこまでも続いているわけじゃないけど
よそ風に当たっていたい
100円ライターに火を点けて
夜空を見上げてみると
雪が降っています

何気なしにここに佇んで一時間
あそこにいる男は何を考えているのだろう
あいつの心に入り込んでいっしょに話をしてみたい

あの教科書に載っていた写真の南米人
今どこで何をしているのだろう
何を考えているのだろう

彼に教えてあげたい
知ってるかってね
夜の雪は白ではなく青い色をしているんだよとね

夜降る雪は解けてどこに行くんだろう
この雪だってもしかしたら
人の体を作っていたものかも知れないね

何かを覚えているかも知れないね
夜の雪は白ではない
青い色をしているんだよ

知ってたかい
君の瞳が僕を見つめる
いや僕が君を見つめたのだ

僕は僕の心の中で
君の事をこんなにも
はっきり描くことが出来るのに

君の心は僕を見つめてくれるのか
そんなことを想いながら僕の心となってゆく

君の心はいつもいつの間にか僕の心となってしまい
僕はほんの少しの希望を笑いながら捨ててしまう

透き通った真っ白な太陽と白い雲と
それを隠し切れない木の枝々と

雲から真っ白な透明な朝の太陽が漏れていた
それを隠し切れない木の枝々から
小さな光速