「闇金 Sさんからの電話」 前回から2週間も間があいてしまい 申し訳ありません
実は第5章の中に「違法」な行為が出てくる部分を 「書くか?ボカすか?」で
悩んでおりましたが結論がでましたので 書きたいと思います o(_ _*)o
第5章 「仙台 三日目」
この日の朝 娘が 「今日は学校に行くね」 この言葉で妙に救われました
新幹線で仙台に行き 待ち合わせの場所に行くと バイトくんが既に待ってました
「おはようございます ・・・ とりあえず ・・・ どうしますか?」
「奴の住所は何処だ?」
「あっ ・・・ ○○町です 」
「地下鉄の駅からは遠いのか ?」
「そうですね ・・・ ちょっと遠いです 歩いたら30分は ・・・ 」
時間がもったいないな
駅裏には自転車・バイクが置いてある
ちょっと貸してもらうか! 一台の400ccのバイクにはヘルメットが1個ぶら下がっていた
ショルダーバッグの中には 「一通りの工具」が入っていた
「オマエ ここに立って 俺を隠せ」
選んだのは停まってる中でも一番旧式のタイプだった ナゼこれを選んだのか?
理由は 「いたって単純だからです」
すぐにエンジンがかかり ヘルメットホルダーのロックも解除して
そのヘルメットを渡します 隣のバイクからもう1個ヘルメットを拝借
( ホルダーのロックは壊してませんし ヘルメットのあごひもを切ったわけではありません)
しかし これは立派な 「窃盗罪」です (バイク1台 ヘルメット2個)
時間が惜しいので すぐに出発します
地下鉄の駅までは道がわかるので ついつい飛ばしたくなりますが
「盗難車」で目立つわけにはいけません (娘が帰りを待ってますから)
15分くらいで到着しました アパートの前に来ると 後ろから
「ここのアパートです」の声 そこで停まらず 周りをゆっくりと1周し
道路や建物の裏側を確認します
道路わきにバイクを停めて 部屋に向かいます
まずは正面から 奴の部屋は1階の奥でした 当然ながらピンポンを押しても
何の反応もありませんので裏に回ります バイトくんには玄関前で待機させてます
裏に回り サッシを確認 二重ロックはかかってません ならば ・・・
サッシをあおってロックを開けます 裏の建物の窓を見て「目撃者」がいるか確認
とりあえず室内へ入ります
この時点で 「住居不法侵入」です 中に入って最初にやる事は
固定電話のリダイヤル機能で 最後に何処に連絡してるかです
ディスプレイには カミさんの名前と携帯番号が表示されてました
次にゴミ箱 ・ 電話付近のメモ用紙 ・ 本人の机付近
ここで 何かを書いたメモ(真っ白ですが)を見つけたので 「拝借」
それから 実家に届いた年賀状があったので住所を知るため「拝借」
窓から入るのを見られていれば 3分以内に交番から警察が来るでしょう
長居は無用なんで ここで「退散」
玄関から出てきた私を見てバイトくんは 「中に入ったんですか?」
「シーーーーッ ここを離れるぞ」
再びバイクで駅に向かう途中サイレン無しですが赤色灯を回したミニパトと
すれ違いました 「やっぱり通報された?」 (計算通り)
駅に戻り 元の位置にバイクを戻し ヘルメットも戻して
ファーストフード店に入り 詳しく話を聞きます
その前に 店員さんに鉛筆をお借りして 先ほどのメモをなぞります
(子供の頃やりましたよね 何かを書いた下の紙を鉛筆でこすると文字の所だけ白く浮かび上がる)
「○○県 ・・・ 後は読めないな 奴の実家も○○県だよな?」
「ハイ ・・・ ナゼそれを?」
取り出したのは 先ほど「拝借」した年賀状である (これも立派な「窃盗罪」です)
「実家に行ってみるんですか?」
「イヤ 行かなくても何処かに必ず連絡がくるから」
「えっつ? どうしてそれがわかるんですか?」
「それは 知らない方がいいよ ただ連絡が来たら 必ず教えてくれ」
「わかりました」
奴の家の中は 「引越し」をした もしくはするという形跡が見られなかったので
「空き巣」が入ったと見せれば 警察は必ず本人に連絡を入れます
もしくは実家に連絡をするので 警察と「盗まれたモノ」が無いか確認の「立会い」を
しなければなりません 最低でも一度は戻ってくるんです
そこが一つのチャンスです
新幹線で福島に戻り駅から会社までは徒歩3分以内なので 店長に会いに会社へ入ると
まず ・・・ 警備室の警備さんが 「ご苦労 ・・・さまです ・・・」 と言いながら目を伏せます
「なんだ?」
エレベーターで店長室のフロアーに着き 廊下を歩いてると
歩いてる人の視線が明らかにオカシイんです 一瞬見て目をそらし足早に通り過ぎていきます
事務所に入ると 仲の良い事務員さんが席を立ち 駆け寄ってきて
「ちょっと こっち」 腕をつかまれ 無人の会議室に
「アンタ どうしたの?大変な事になってるよ」
「どうしたのって? 何が起きたんですか?」
「会社に明らかに金融会社であろうという所から電話が鳴りっぱなしで
今やアンタは有名人! 今日の午後にはスーツ姿の男2人が来て店長に「会いたい」って来た
けど 「留守です」って断ったんだよ 何やらかしたの!」
「カミさんが 俺の名義で借金しまくって 男と逃亡してるんだ ・・・ 」
「そうだったんだ~ ・・・ わかった アタシはアンタの味方だから」
「・・・ありがとう 店長は?」
「今日は本社で会議に出席してるから 明日じゃないと会えないね」
「そっか じゃあ帰るね 娘も待ってるから」
「何かあったら 相談しなよ 力になれるかもしれないから」
「うん ・・・ 本当にありがとう じゃあ明日」
家に帰る途中 頭の中では 「一体 総額いくらなんだろうな~」
こればっかりでしたね
次回 第6章 「Sさんとファーストコンタクト」 です
それでは また m(_ _ )m