こんにちは 雅(MIYABI)です (*^ー^)ノ
今月19日 肺炎のため亡くなった 原田 芳雄 (71)
この偉大な映画俳優を「アニキ」と慕い 憧れていたのが
松田 優作 である
1974年(昭和49年) 東京 新宿で二人は出会った
「文学座」の一年先輩である 桃井 かおりが主催する「かおり会」なる
飲み会のゲストに桃井と共演した 原田 芳雄が参加した
「優作~ アイツ私の一年後輩なのに 初対面から 「かおり」って呼び捨てにしてたのよ」(本人談より)
その飲み会で松田優作は 原田に「一目惚れ」した
飲み会で話した言葉は 「松田です ・・・・・」 この一言だけ
原田芳雄は桃井かおりに 「アイツ 何怒ってるんだ?」と聞くと
桃井は 「違うわよ アイツはアンタに惚れたの 本当に不器用なんだから」
数日後 松田優作は原田芳雄のアパートを訪れ
部屋の隅に正座して一言も喋らず 持参したバーボンを空にしていったそうです
その後から松田優作の原田への憧れは増すばかりで 髪型・ファッション・サングラスと
真似できるモノは全て真似して いつしか「アニキ」と呼ぶようになり
数年後には 原田家の隣に引っ越すにまで至った
そんな二人が共演したのが 原田芳雄の代表作 「竜馬暗殺」である
坂本竜馬 演じる 原田芳雄 その竜馬に憧れながらも「暗殺」を狙うのが 松田優作
そしてこの作品には 桃井かおり ・ 通夜で弔辞を読んだ 石橋蓮司が参加していた
そして ある日の撮影で 竜馬が暗殺者に屋根の上で話しかけるというシーンの撮影本番前
セットの下で 桃井と石橋がいた
「さぐりを入れてくる竜馬に暗殺者がどう切り返すか 雄弁な原田さんに優作がどうするかな~
どっちが印象に残るか 今夜の飲み代 賭けようか かおりちゃん?」
「アタシは優作 今夜の飲み代賭けた! あんまり優作のことナメない方がいいわよ
アイツの台本 すっごい勉強していて 真っ黒だったから 」
当時の映画は脚本はあるのだが 当日スリ替えでどんどん変わっていくのは珍しくなかったそうです
「本番」スタート 竜馬演じる原田は屋根の上で松田の左斜め後ろに陣取った
これで松田は動きを封じられた 原田が台本通りに台詞を喋り続けるが
松田は 一言も喋らない ・・・ ?
ここで原田がアドリブで 「おまん な~んにも言わんの~」 と風向きを変えた
そして固まったかのような松田相手に 再び台詞を言い続けるのだが
松田は まだ喋らない
そのピークは 原田の 「おまん 年若のくせに 人を斬るのが上手そうじゃのう」
その時松田から 「暗殺者」の無言のオーラが最大に発揮され
遂に松田は一言も喋らず 屋根を立ち去る
そして監督から「OK」が出た
屋根を降りた 原田はすぐに優作の台本を開くと そこには自分の台詞を全て黒く塗りつぶし
最初から「無言」を決めていた痕跡が記されていた
台本無視で「雰囲気」が出来上がったら
いきなり バッサリ竜馬を斬ってやろうと思ってたようです
原田も 「まるでケンカしてるみたいな すげぇ緊張感だった」
桃井は それを見て 後姿の優作に 「こらあ~優作!」と言ったら
振り返って 「さすが兄貴 ・・・ 結局 斬れませんでした」と言われ
原田は 「バカヤローボケた顔(ツラ)して 俺を斬ろうなんぞ10年早い!」
これが 名作 「竜馬暗殺」です
今頃 優作と二人で飲んでるんでしょうね
こういう男くさい関係 キライじゃないですね
名優 原田 芳雄のご冥福を心よりお祈りいたします
それでは また m(_ _ )m 雅(MIYABI) でした