第4章 「仙台 2日目」




一日目 仙台から戻り 娘と夕食を食べている時


娘がポツリと言った


「明日も仙台に行くの?・・・ 一緒に行っちゃダメ ・・・ 」


断る理由は何もないので


「明日 朝学校に電話するから一緒に仙台に行こう」


「うん」 久しぶりのいい笑顔だった


食事が終わり テレビを見ていると娘がテレビではなく私の方を


何度となく見ている 目が合うと急に目をそらす


気になり 聞いてみた


「どうした?顔に何かついてる?」


「別に ・・・ ついてないよ ・・・ 」


どうも様子がオカシイ? 思い切って聞いてみた


「言いたいことがあるなら ハッキリ言ってごらん」


口を開くまで しばしの沈黙


何分経ったんだろうか やっと口を開けたその言葉に


こちらが驚いた!


「一緒に寝てもいい ? ・・・ 」


完全に「予想外」の質問ではあったが


「いいよ」 断る理由は無い


この時娘は中学1年生 普通なら言わないんだろうが


不安でしょうがなかったんだろう


この日から 寝室のダブルベッドは 私と娘の組み合わせとなった




翌日 朝食を済ませて 娘と2人で福島駅から新幹線で仙台へ


仙台駅に着き 駅前の立体遊歩道を歩いてる時に店長から電話が入った


「オマエあての電話がジャンジャン来てるで とりあえず交換には


明後日から出勤だと言ってあるから 大変やけどこっちは心配するな」


「ありがとうございます 明後日出勤しましたら店長室に伺います」


電話を切った後 駅前のビルには有名金融会社の看板が立ち並んでいた


一体 何社?あるんだろう


それと同時に  「どうやって契約したら 俺の名義になるんだ?」


でも ・・・ 不可能じゃないな  男がいれば可能だな ・・・



昨日 金融機関の確認は終えていたので 今日はよく行っていた


「屋台村」に話を聞きに行こうと思っていたので


夕方までは娘と仙台デートでした


夕方5時に「屋台村」に着き 仲の良かった親方達に事情を話し


誰か見てないか聞きましたが 「目撃者」はゼロ ・・・


せっかく来たので 今日の晩ゴハンは「屋台村」で済ませます


ところが 事情を知った親方達が 「これ食べろ」と言っては


次々に料理を持ってきて 気づけばテーブルが一杯です ・・・


新幹線の時間もあるので食べきれない分は


フードパックに詰めて「持ち帰り」なんですが


これが尋常な量ではありません


娘と2人で両手におみやげで帰りの新幹線に乗りました


あの時は「本当にありがとうございました」


家に着くと娘は疲れたのか


「先に寝る」といって ベッドで爆睡


やっぱり子供です


私はレンジでいただいた「牛タン」を温め直して ビールを飲んでました


眠くなってきたので 歯を磨いてる時に携帯が鳴りました


慌ててでると 屋台村の大将からでした


「モシモシ 今電話変わるから」


「???変わる???誰と???」


電話にでたのは網焼き屋のバイトくんでした


「もしもし ・・・ あの 僕 ・・・ 見たんです ・・・ 」


「何を見たんだ? ウチのカミさんを見たのか」


「・・・・・・ ハイ 何度か一緒に歩いているのを ・・・ 」


「何度か?一緒に歩いてる? いつ誰と歩いてたんだ」


「屋台村の中華屋さんのバイトが同じ学校なんですけど ・・・


そいつと奥さんが一緒に ・・・」


やっと「接点」が見つかった


手がかりが見えたのだが 実際はかなり複雑な心境でしたね


とりあえず翌日仙台で待ち合わせをして詳しく話を聞くことにしましたが


頭の中が妙に冴えて寝れなくて無理矢理ビールを流し込んでましたね






次回 第5章 「仙台 3日目」に続きます







それでは  また  m(_ _ )m