第三章 「仙台 初日」
子供と朝ご飯を食べて 学校に送り出したら
私は福島駅へ向かいました 駅まではMTBで5~6分です
キレイに晴れていたのを憶えています
新幹線に乗って仙台に向かっているんですが
乗りなれた仙台までの道中が あれほど長く感じたことはありませんでした
(福島には家の物件が見つからず1ヶ月仙台から通ったことがあります)
仙台駅に着いて まず最初は 「銀行」です
到着と同時くらいに開いているので駅前の「七十七銀行」に行きます
銀行に入り 「記帳」専用の機械の前には誰も並んでいません
正直言って ・・・ 並んでいて欲しかったかも
通帳を開き 機械に入れます
今では大して気になりませんが
印字を打つ音 ページをめくる音 隣のキャッシュディスペンサーの音にまで
敏感になってました
機械から 通帳が戻り 開いて確認した瞬間は今でも忘れません
残高 ・・・ 648円 ・・・
この口座は「子供の教育用」として貯蓄していた通帳でした
覚悟はしていましたが 648円は「衝撃」でしたね
この数字だけは 忘れようにも忘れる事の出来ない数字です
今でもコンビニなどで買い物をして 「648円です」と店員さんに言われた瞬間
あの時の通帳が浮かびます
おそらく 私は「記帳」の機械の前で 完全に固まっていたんでしょうね
銀行員の方から 「お客様 どうかなさいましたか?」という問いかけで
現実に戻りましたが 「いや 何でもありません」と言って
銀行を出るのが 精一杯でした
銀行を出て ベンチに座り 頭を整理します
座った時から タバコ1本分の時間で整理して次の行動に移ろうと決めてましたので
かつて無いくらいの集中力でした
街中にいるのに その時のまわりの音は全く聴こえませんでした
タバコを吸い終わって消した瞬間から また普通に音が入ってきます
その後 残りの銀行をまわり 確認したところ
予想通り 残高は 3ケタばかりでした
次はクレジットカードです 全てのカードを持ち歩いていたわけではありませんので
全て調べなければなりません
でも最初の銀行の「記帳」で変な免疫が出来たのか
出てくる情報には 先ほどより驚きはありませんでした
結果ですか? もちろん6枚のカード全てキャッシングが「満額」でしたね
歩き回ったので 次の目的地へ移動する前に 駅前の「立ちそば」で昼食
確か ・・・ 「天ぷら・ワカメそば」だったはずです
そこで食べる時は まずそのメニューでしたから
地下鉄に乗って移動です 仙台にいた時のパート先を訪ねます
電話で聞いた通り「送別会」もなく 本人とも会ってないし連絡も無いとの事でした
そこから 仙台で住んでいた若林区へ移動し 近所付き合いがあった方達へ
話を聞きましたが 誰にも連絡は無いとの結果でした
駅に向かう地下鉄の中 「男がいるなら 何処で接点があったのか?」
その「接点」が本人に辿りつくイチバンのカギなんですが
仕事先での話でも全く姿はありませんでした
ご近所さんからの話にも 何も浮かんできません
3日間しか無いのですが 今日は出かける前から
子供が学校から帰って来る時間に家にいてやろうと決めていたので
今日の「捜索」はここまでです
本日確認出来た事は ・・・
銀行の残高が ゼロ! クレジットカード6社のキャッシングが全て「満額」
この時点ですでに 「借金王」 決定!です
数日後には おそらくサラ金各社から連絡があるでしょう ・・・
全部足したら ・・・ 総額いくらになるんだ?
そんな事を考えながらの帰りの新幹線は あっという間でした
次回 第四章 「仙台 2日目」 に続きます
それでは また m(_ _ )m 雅(MIYABI) でした