ゾクっとした本。
新潟本土の港からフェリーで2時間
人口300人ほどの孤島
「雪之島(ゆきのしま)」が舞台となる。
この島には「しまたまさま」という
護り神がいると信じられている。
深雪はアイドルを夢みて島を離れたが
アイドルの夢は叶わず、東京の芸能事務所で
マネージャーをしている。
広告代理店勤務の俊亜貴(としあき)と6年
交際するも、結婚の話を全然しない。
深雪が俊亜貴を説得し、年末に2人で
雪之島に住む両親へ挨拶に行くことに。
だが、深雪の実家へ泊まった後、俊亜貴は
失踪してしまう…
というあらすじのミステリー。
島育ちと都会育ちの俊亜貴との格差や
俊亜貴の借金や隠し事があらわになり
揺れながらも信じたい気持ちの深雪。
居なくなった俊亜貴を探しに外に出るも
進めど進めど祠に阻まれる。
しまたまさまに護られているのか…
はたまた
しまたまさまに邪魔されているのか…
想像はついたけれど、深雪の最後の言動に
ゾクっとさせられた。
島独特の閉塞感。
島民の一体感。
深雪も結局は、雪之島の人間だった。
この本は寒い時期に読む方が
より楽しめるかも。