私ひとりにできることなんて
限られていて
ただ 想いだけが先走って
なにもできない歯痒さに
手をギュッと握りしめてる自分がいる

見守ることだけだったり
祈ることだけだったり
耳を傾けることだけだったり
ただ 頷くだけだったり…

心にある想いを言葉にしたいのに

そんな時に紡げない気持ちがある



いつか できるでしょうか

この心を言葉にすることが



言葉にできなくても この想いがちょっとでも伝わるのだとしたら
このもどかしさも 耐えられる気がする


ただ黙って

あなたを想うことが

今の私にできる 精一杯のことだと

神様に祈るだけ


どうか

平安が訪れますように、と


がんばって、と励ます声が聞こえて
がんばらなくていいよ、と囁く声が聞こえる

どっちが『偽り』なんてなくて
どっちも正しくて
アタシはその声が
どこから聞こえるのかを探してた

欲張りなアタシは
きっとその両方が欲しくて
求めていたんだ

背中を押す力強さと
背中をさする優しさが
心に浸透して 穏やかになる
その瞬間を願って

たとえばあの人が

もう一度私の前に現れたとして

私は あの時してあげられなかったことをするでしょう


不器用な私にできる精一杯を

あの時あの瞬間

私はやり尽くしたけれど

今の私なら あの時よりも少しは

できることが増えたかもしれない


後悔はないのだけれど

悲しみは今でも心のどこかに残ってる

あの時のあの人の瞳の輝きは

今でも私の脳裏に焼きついてるんだ

小さく歌う私をじっと見つめる

あの人の澄み切った瞳は

疑うことを知らない 生まれたての赤ちゃんのようだった


人は還ると言う

最期の時 幼い自分へ還るのだと言う


私の目の前には

その姿があった気がした




雨が落ちる音が聞こえる

時に激しく 時に静かに

あの人は 皆を困らせることが得意だったわ

手に負えないと思うこともたくさんあったけれど

今ではそう

そんな最期の空が あの人らしいとも思った

あの人を見送った日は

雨だった

空から絶えず 降り続けていた



あの人の、涙だと、思った・・・




不器用だけれど

愛してくれていたあの人に

私は見上げた空を仰いでこう言うの


大丈夫だよ、ありがとう