東京都西東京市のひばりヶ丘にある「みむら矯正歯科」の院長 三村です。

 

若い方々には、顎変形症の手術前後の矯正歯科治療が保険適応になることは浸透している感じがします。

しかし、勘違いしている患者さんも中にはいらっしゃいますショボーン

顎骨の位置の不調和があれば、矯正歯科治療単独で治療しても保険適応になると思っている方がいらっしゃいます。

手術前後の矯正歯科治療が保険適応になるわけですから、顎離断をする手術を行わないと保険は効きませんびっくりマーク

 

顎変形症で手術前提で治療を進める場合には、一般的には手術をして咬むように手術前の矯正歯科治療を行っていくので、初診時より凸凹はとれても前歯の関係や奥歯の頬舌的関係などは悪くなっていることが多いのですが、「やっぱり骨を切る手術が怖い」とか「仕事を休めない」などの理由で手術を受けずに矯正歯科治療を中断するとその段階で矯正歯科治療は保険適応から外れます。

それまでには患者さんは3割しか費用を払っていませんので、保険者(会社員なら会社の健保組合)が負担した7割分を返金していただかないとなりません。

さらには保険外の治療になるので、10割分の消費税もご負担頂くことになります。

不可逆的な変化を起こしてしまいますし、費用も後から何十万か支払うことになりますので、最初にしっかり意思確認を行うようにしています。

しかし、初診時に顎骨の不調和を指摘をされて不愉快に思う方もいるようです泣

 

また、美容外科的な手術ではなく、あくまでも顎変形症で咀嚼機能や発音機能の障害がある方に対して治療を行います。

建前論としては顔貌が整うのは2次的なものです。

もちろん、そこもキチンと整えるように矯正歯科医と口腔外科医は治療目標を決めていきますが、美容外科的なことだけを主訴として来院される方もいらっしゃいます。

「芸能人の○○さんの様な口元になりたいから手術をして治して欲しい」とか、「年齢とともに口元が変わってきたので手術をして治して欲しい」、「オトガイだけ下がれば良いからまず手術をして欲しい」など保険制度上できないことだけではなく、それをしてもおそらく患者さんは満足しないだろうし、やることで却ってデメリットがありそうな場合もあります。

 

また「安くなるなら手術してでも」という考え方も違うと思います。

ボーダーライン(手術しても、しないで歯でカムフラージュする治療を行ってもどちらでも可能な場合)の方には、検査後の診断の時点で両者のメリットデメリットを説明して選んでいただいています。

初診の段階では手術適応かどうかも決められませんので、自費で初診相談料をお支払いいただきますが、それも不満に思う方がいらっしゃいます。

 

患者さんは自分の都合の良いようにしか考えない傾向がありますが、それを指摘すると怒って帰る、場合によってはネットに書き込む、後日クレームが来ることなどもあります。

要求のレベルが高いことには矯正歯科医は自分の知識や技術を全身全霊で用いて対応することはできますが、治療のゴールだけを思い描いて自分が調べたとおりにして欲しいという要求に応えることは難しいと思います滝汗