東京都西東京市のひばりヶ丘にある「みむら矯正歯科」の院長 三村です。
マスク生活をしているため、ここぞとばかりに矯正治療を開始する方も増えているかもしれませんが、美容外科手術を受ける方も増えているようです。
特に、美容外科手術は矯正歯科治療と違って、すぐに効果が実感できますし、昔よりハードルが下がっている感じもありますから、悩んでいる成人女性は今が千載一遇のチャンスと思うのかもしれません
先日、昨年夏に某美容外科で「出っ歯」の治療をするために、上下左右の4番目の歯を4本抜歯し、上も下も「前方歯槽部骨切り」を受けた患者さんが来院されました。
抜歯した部位の骨を切り取り、歯が埋まっている歯槽骨を歯根の先でブロック状に切って後方に移動しています。
上下前歯は内側に入っていますが、不自然に傾斜して入った感じです
もともとが「出っ歯」ですから下顎は抜歯したスペースをすべて後方移動するとまたも出っ歯になってしまうので、下はそこそこスペースが残っています。(もちろん上にもスペースが残っています)
そのスペースを閉じたいと来院されました。
裾広がりの馬蹄形の歯列の前の丸い部分をそのまま下げていますので、後方の臼歯部との間に段差も生じています
奥歯の前後的関係は、当然ですが上が前にあり、出っ歯の咬み合わせです
歯槽部骨切りをして残った空隙は歯が動きにくいため、おそらくその数ミリの空隙を埋めるのに2年はかかりそうな予感
患者さんは美容外科で200万円ほどお金をかけて治療をしたようです。
矯正歯科治療でここから2年間の矯正治療を行う場合、前歯の歯根のコントロールと空隙閉鎖と歯列の連続性を獲得することに時間が必要で、口元や前歯先端の位置の変化はほとんど得られないと思います。
矯正歯科治療も２年間の時間をかければ、劇的な口元の変化を起こすことはできますが、時間がかかるため気付きにくく、ありがたさがわかりにくいのかもしれません。。
矯正歯科治療は奥歯のかみ合わせや上下顎の位置を考慮した前歯の位置までを考慮して、機能的に満足できるかみ合わせと、その状態が長く保てることを考えて治療を行い、その結果として口元が美しくなります。
最初から口元の変化だけを期待して行うものではないところが違います
口元が気になっている方は、美容外科に相談に行く前に矯正歯科も受診されることを強くお勧めします