東京都西東京市のひばりヶ丘にある「みむら矯正歯科」の院長 三村です。

 

矯正歯科の専門医制度が新しくなることについては、前回のブログで触れましたが、新・専門医の受験審査に当たって、受験者のHPをチェックするとの通達が出されました。

元はというと、美容医療サービス(美容外科の手術など)に対する消費者トラブルの相談件数の増加等を踏まえ、 消費者委員会より医療機関のウェブサイトに対する法的規制が必要である旨の建議が出されたために、厚労省が医療に関する広告規制の見直しを行ったということに端を発します。

そして、医療広告ガイドラインを厚労省が公表し、さらに日本矯正歯科学会はそれより高いレベルでの自己規制をかけました。

しかし、その内容に疑問を感じていますショボーン

 

まず、不適切な用語(プチ矯正・スピード矯正など)の使用や、根拠のない表現(100%、絶対)を掲載しないなどの指針が出されました。

あまりに当たり前と思います。

 

みむら矯正歯科」のホームページの場合は、上記の点は全く問題ないのですが、「治療の体験談は患者に不利な情報を医療機関が作為的に排除している可能性がある」との理由で体験談の掲載が不可能となりました。

みむら矯正歯科」も「患者さんの声」として、紹介してきた体験談を削除せざるを得なくなりました。

「誘因性がある」ということらしいのですが、内容を隅々まで読んでいただけば誘因性のために存在するわけではないことがわかると思います。

しかし、専門医申請のチェックリストには「削除していますか?」というリストが出ていますので、削除せざるを得ません。

患者さんに一律にアンケート用紙で治療開始前にご意向を伺い、「治療後にHPで体験談を掲載しても構わない」という方だけに協力をいただいて掲載してきたこのコーナーは残念ながら廃止致します。

 

また、矯正歯科治療の治療例に関しても、「手術の前後の写真と同様、手術前のみ又は手術後のみの写真についても、患者等を 誤認させるおそれがある治療効果に関する表現に該当するため、広告できません。」という指針が厚労省から出たため、日本矯正歯科学会は、主訴、診断名あるいは主な症状、年齢、治療に用いた主な装置、抜歯部位、治療期間、治療費、リスク副作用をもれなく掲載した場合に限って掲載を認めるということを表明しました。

従いまして、おこりうる副作用として、「歯磨きが悪いと虫歯になることがあります」、とか、「顎外装置の使用が悪い場合には出っ歯が残ることがあります」などの「当たり前すぎるとんちんかんな表現」を追加して、しかも治療費も調整料5000円が何回、基本施術料○○円のような追記をすることになります。

 

さらには、「症例数○○例の経験」などといった表現については、期間を併記すれば可能ですが、1年ごとに集計したものを複数年にわたって示す必要があります。 長期間の件数であって、現在提供されている医療の内容について誤認させる恐れがあるものは、 誇大広告に該当する場合があります。」として認めない方向を示しています。

みむら矯正歯科」も「3000症例以上の経験」という表現をしていますが、これも年ごとの症例数を掲載することを余儀なくされることになります。

 

医院側に都合の良い情報だけを発信する広告そのものの怪しいホームページが存在することは否定しませんが、現在はそのような玉石混交の環境下でフィルターをかけて正しい情報を拾うことが要求される時代になっていると感じています。

自己規制をしても、「その網をかいくぐって発信をする」、場合によっては「審査の際だけホームページを掲載しない」という手法をとる方が出現することは間違いありませんので、いたちごっこにもなると思います。

 

厚労省がこのようなガイドラインを出さざるをえないこと、さらには学会がこのような自己規制をかけることになったことなど、この業界の自浄力と自己鍛錬力のなさに嫌気がさすとともに、情けなさを感じていますえーん