東京都西東京市のひばりヶ丘にある「みむら矯正歯科」の院長 三村です。

 

今日の夕方、「A矯正歯科で7年間治療をしてきたという24歳の患者さん」が装置の撤去を求めて来院されました。

みむら矯正歯科からさほど遠くない矯正歯科専門の診療所ですが、院長が急逝され、管財人から初診時の資料を渡されて、治療費をわずかに返金された上で、「あとは自分でどこかで治療を継続して下さい!」と言われて来院されたようです。

 

口腔内を拝見すると、抜歯はされずに28本の歯が歪んで並んでいます。

ブラケットは前歯部にしか付いておらず、奥歯はコントロールされていません。

初診時の模型(キチンと奥までとれていない)をみると、もともと著しい凸凹があったこともわかります。

患者さんは、おそらく「凸凹もないし、装置を外してもらおう!」と思って来院されたのでしょうが、歯が噛み合っているのは奥の1本だけです。

X線写真は撮影していませんが、歯根はキレイには並んでいなそうで、しかも歯根が短くなっていそうな所見がみられますガーン

 

患者さんには、「責任問題があるので、予後の判定をするための資料を採らないと装置を撤去できないこと」、「現状は初診時より状態が悪い可能性があること」、「矯正装置周囲に虫歯が出来ていること」をお伝えし、今後どうしたいかをお考えいただくことに致しました。

半泣きえーんでお帰りになりました。

 

装置撤去を求めて受診されたのに、全く期待外れの返答をしたことは申し訳なく思いますが、「矯正歯科治療が2年で終了すると言われていたのに7年も治療をしていて何も思わなかったのか?」、「前歯で噛めなくなったことに疑問は持たなかったのか?」という疑問が残ります。

 

矯正歯科治療は、適確な診断の下に、トレーニングを積んだ矯正歯科医がしかるべき処置をして、初めて結果が出てきます。

矯正歯科医の力量以上に治ることは絶対ありませんショボーン

「治療前に聞いていたことと話が違う」、「噛めない」などの疑問点があったら、他の矯正歯科医の話を聞く方が良いでしょう。

「素人は矯正歯科医の力量がわからない!」とも言われましたが、「公益社団法人 日本矯正歯科学会」の認定医、さらに申せば専門医の資格を取得した方のところで治療は受けるべきでしょう。

 

久しぶりに、酷い症例を見ました(塩)