東京都西東京市のひばりヶ丘にある「みむら矯正歯科」の院長 三村です。

 

昨日、非常に残念なニュースがメールで入ってきました。

東京医科歯科大学名誉教授の三浦不二夫先生が土曜日に逝去されたとのこと。

三浦先生は世界で初めて歯の表面に矯正装置(ブラケット)を接着剤で貼り付ける手法を確立しただけでなく、持続的な至適矯正力を発揮する矯正用ワイヤーの開発、顎運動解析装置の開発など世界に先駆けた種々の業績を残しておられます。

 

私が矯正歯科学を学ぶ上で最も影響を受けた先生であり、「矯正歯科は形態を治すだけではなく機能を治してこそ意味がある」と常に主張しておられました。

先生は咀嚼筋の筋電図の仕事で歯学博士の学位を授与されておられますが、同じく咀嚼筋のmotor unitの仕事で三浦先生の指導の下で学位を取得したことは私の誇りでもありました。

 

そして私に顎口腔機能の臨床研究を自由にさせて下さり、その後、松本歯科大学での教鞭を執る機会を与えていただいたことなど、現在の私の矯正歯科医としての基礎を作って下さいました。

三浦先生は、「文科省管轄の矯正歯科学(orthodontics)は大学人が責任を取って行う。厚労省管轄の臨床現場の矯正歯科医療は開業医である矯正歯科専門医(orthodontists)が行うものだ。」という理念を唱え、認定医制度などの現在の日本の矯正歯科の現場の矛盾点を鋭く突いておられました。

日本の矯正歯科界をリードし続けた偉大なる恩師がお亡くなりになったことは残念でなりません。

 

安らかにお眠りください。

合掌