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21世紀のケインジアンのブログ

金融・経済と時事問題を取り上げています。いろいろなコメントやメッセージをお待ちしております。

 

 

 激辛の評論家の佐高信と激辛エコノミスト浜矩子さんという過激な論客二人が初めて手を組んだ8時間に及んだ対談をまとめたもの。

 題名に「どアホノミクス」とあるが、アベノミクス自体への批判は全体の2割程度だ。

 あとは、日本・海外の政治・経済への批判。昨今のグローバリズム、新自由主義、全体主義化、そして、そのような現在の状況をもたらした日本や海外の現代史の解説にも対談は及ぶ。

 本書は非常に深い内容であるが、対談という形式をとることで非常に読み易い内容に仕上がっている。浜さんは大学の先輩ということもあり以前から注目していたが、ここまで博識なのかと本書を読んで感嘆した。今まで、浜さんの論説に多少の違和感を持ったことのある方にも、この本はおすすめです。浜さんの新たな一面が見つけられます。

 それにしても、浜さんとは天敵とも言える竹中平蔵が同じ一橋大学の山澤逸平ゼミの先輩とは皮肉なものだ。同じ教育を受けても唱える方向性がここまで違うのかと思った。

 

 

やはり「経営の神様」は物事の真髄を一言で言い表わすものだ。

 

戦後の一時期、゛マーケティング゛という言葉が非常にもてはやされたことがある。松下幸之助はそれに注目して、社内で、゛マーケティング゛に詳しいと思われる人に、「僕にも分かるように説明してくれんか」と頼んだそうだ。

 

 頼まれたのは、松下電器の本社で海外関係の企画の仕事をしていた責任者である。その人は、東京から大阪に移動する新幹線の中で、松下幸之助に、マーケティング゛の何であるかを詳しく説明した。三時間近くの時間があったから、説明はかなり入念だったはずだ。大阪に近付いた時、松下幸之助がポロリと一言、感想を口にしたそうだ。

 

 「要するに、上手に売れということやな」。その一言に、三時間近く解説し続けてきた専門家も、思わず絶句したはずだ。

 

 

 

 

「どアホノミクスの総括」浜矩子さんに聞く(2) (1)の続篇です。

 安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を「どアホノミクス」と批判し続けている浜矩子・同志社大学大学院ビジネス研究科教授。浜さんのインタビューは、国債や株式の大量購入を続けている今の日銀の金融政策の行き着く先に話が進んだ。浜さんは、恐慌か統制経済化が進む可能性を指摘する。前編は ↓http://ameblo.jp/mimura1982/entry-12230235316.html

【聞き手は今沢真・経済プレミア編集長】

 −−日銀の「マイナス金利」や「国債の大量購入」、さらに日銀は株式も上場投資信託(ETF)という商品を通じて大量に購入しています。これらを金融政策の手段としてどう思われますか。

 ◆浜矩子さん 日銀のマイナス金利政策は、何のためにやっているのかがわからない。企業の投資を促すため? そもそも企業はお金に困っているわけではありません。結局のところ、国債の利回りをマイナスにして、政府の債務返済負担を軽減する狙いなのかと勘ぐりたくなります。

いま日銀は市場を経由して国債を購入しています。短期国債、短期証券を短期的な金融調節の手段として売買するのは金融政策の領域に入ります。でも、長期国債を買う今の日銀の「質的な量的緩和」は、金融政策の領域と認めることはできません。

「ヘリコプターマネー」のまやかし

 −−国債の大量購入やETFの大量購入は、始めたらやめられない。この先どうするんだろうという問題があります。

 ◆浜さん 国債をこれ以上市場から買い続け、日銀の保有する国債が日本の国内総生産(GDP)よりも大きくなってしまう状況に至った時にどうするか。私は財政法で禁じられている「国債の直接引き受け」の解禁に踏み出してしまうことを恐れています。

いま、「ヘリコプターマネー」という言葉が出てきています。この言葉は、ミルトン・フリードマンという経済学者が、「公共事業というまどろっこしいことをしなくても、空からカネをばらまけばてっとり早い」と政策の一つの比喩として述べたものです。

 この「空からカネをばらまく」というやり方を実際の政策に引き移すときに、一つのやり方が中央銀行による国債の直接引き受けだという考え方があります。「直接引き受け」と言えば、抵抗感もアレルギーもある。ですが、ヘリコプターマネー政策と言ってしまえば、「ああ、いよいよやるのか」と受け入れられる。そういう筋道を作るためのアドバルーンという気がします。

統制経済が忍び寄っている

 −−「国債の直接引き受け」は、日銀が政府に直接お金を渡すということですから、通貨増発に歯止めがなくなり、抑制のきかないインフレになりかねないです。

 ◆浜さん ですから、「ヘリコプターマネー」という言葉で簡単に新しい金融政策と受け止めてはいけません。

 それと、もう一つ、株式のほう。非常に多くの上場企業にとって日銀が主力株主になってしまっています。年金の株式購入比率の引き上げもそうです。もう統制経済に忍び寄る準備ができてしまっているかもしれません。

 −−「国債暴落、通貨暴落、超インフレ」という恐慌が起きるか、それとも統制経済に進むか、と浜さんは予想しています。

 ◆浜さん 恐慌は文字通り恐ろしいです。でも、経済活動の自己浄化作用、自律的均衡作用でもあります。経済活動がショック死状態に追い込まれる。だけど、そのことによってゆがみが一気に是正されることは間違いありません。だから、経済活動のゆがみ、不均衡に対して、猛烈に苦いが、よく効く特効薬という側面を持っているんです。

 恐慌は既存債権がほぼ無価値になる現象です。恐慌が起き、混乱が一巡したところで債権放棄をお願いする。大激震の間をなるべく短くして、復興を効率的にやる中で、ゆがみが解消されていくプロセスが内在しています。

 −−しかし、その恐慌は避けなければならない。そのために統制経済に走るというシナリオですね。

 ◆浜さん 恐慌という経済の均衡化の力学をすべて強権的に抑え込むというやり方です。今の日本も、このままでいくとそっちの方向に引っ張られていく雰囲気が濃厚になっています。

http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160915/biz/00m/010/021000c

 

読売新聞は一般紙であって、株式専門新聞でもないし、投資専門誌でもないので、回答はいつも「ここは持続で」とか「買値あたりで売却を」のように慎重で控えめな内容なのだが、1年に一度か二度くらい、驚くような強気の回答が出ることがある。当然、そのような銘柄のその後の上昇率も好成績である。このブログで取り上げた銘柄は、過去、その後、数十%~100%程度の上昇とすべて好成績を収めている。

 

4年前の9月には、そのレアなガンガンの強気のケースとして、沢井製薬を紹介した。当時の株価は9000円前後、相談者の買値は8430円
 
答えは「強気で13000円を目標に」という驚くべき回答であった。

 その結果、3年前の5月に13000円の目標を達成し、同年11月には15080円という目標を遥かに上回る高値を付けている。http://ameblo.jp/mimura1982/entry-11346609388.html

 

 上記のようなガンガンの強気とまでもいかないまでも、この「投資案内」の回答に目標値が出ること自体が珍しい。

 

 最近、目標値が入った珍しい回答があったので紹介したい。銘柄は「シマノ」。「円安継続を前提に2万円突破も見据えつつ」(12月28日現在、18590円)とある。実は、シマノが紹介されたのは11月29日であった。ただ、案内の中に「やや過熱感があり、調整もありそうだが」とあったので、調整をしてから紹介しようと思っていたが、大きな調整がなかなかないので、年内にと思い紹介することにした。

 

 なお、投資はあくまで自己責任でお願いします。

 

 

 

中森明夫が芸能エンタメを起点に今年を振り返っている。

SMAPと今上天皇の解散と退位大衆の“集合的無意識”の反乱がキーワードになると分析している。ご一読を。

 

2016年が終わる。けっこう大変な年だった。去年の今ごろはまさかSMAPが解散するとか、天皇陛下が退位の意向を表明されるとか、ドナルド・トランプがアメリカ大統領になるなんて想像もしなかった。さまざまな年末回顧がなされるだろうが、芸能エンタメを起点に考えてみたい。

 今年の最大ヒット作は映画「君の名は。」だ。興行収入200億円突破! 「千と千尋の神隠し」に次いで歴代邦画2位だ。中国でも公開され爆発的にヒットしている。新海誠監督は自主制作アニメーションから出発したカルト的な人気作家だ。これまで興収1・5億円が最高というから、いかに大化けしたことか? 大手の東宝が製作、ヒットメーカー・川村元気がプロデュースしたことが勝因とも言われる。その川村Pに先ごろ、私はインタビューした。「君の名は。」は興収15億をめざし、ケタが違う大ヒットになったのは彼にとっても予想外だったという。川村元気も予想できない大ヒットを生み出したのは、お客さんがすごいんじゃないか?と訊(き)くと「観客は本当に恐ろしい」と彼は言う。「個々では間違ったことを言っているように見えて、1万人レベルになると急に全体としてある正解を描く--でもそこと戦うのが最強にクリエーティブな瞬間」だと。自分の仕事は「大衆の集合的無意識にアクセスすること」とも言う。実に示唆的な見解だ。

 エンターテインメントは作品のみで自立しない。受け手(観客)との相互関係で成立する。同じ作品が、時代が違えばヒットしたりしなかったりする。「君の名は。」が5年前に公開されたらこれほど当たったか? この異例の大ヒットにこそ現在の大衆の(無)意識の変化を読み取りたい。

 今年はSMAPに始まりSMAPに終わる。1月に解散報道があり、回避したが、8月に正式に解散が発表され、年内で活動を終える。記者会見も解散公演もない。メンバーの真意がわからない。ファンらは悲鳴を上げている。20年以上もトップにあった国民的アイドルグループの最後がこれでいいのだろうか? 今上天皇の退位問題とも相まって「平成」という時代の終わりを予感させる。

 かつて私はアイドルの定義を訊かれ、日本国憲法に書いてあると答えた。<第一章第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く>。この天皇をアイドルと、国民をファンと読み替える。つまり主権はファンの側にあるのだ(そこが明治憲法=スターの時代と違う)。天皇もアイドルも国民(ファン)の総意(想(おも)い)を受け止める役割である。いわばハードな感情労働だ。そもそも人間が長く“象徴”を生きることがいかに困難か? SMAPと今上天皇の件は、さまざまに考えさせられた。

 2016年は(川村元気の言葉を借りれば)大衆の“集合的無意識”の反乱があらわになった年のように思う。その最たるものが、トランプ大統領の誕生だ。政治家経験のない成金の暴言王をまさかアメリカ国民が選択するとは!? いや、米国大衆の集合的無意識は、たまりにたまった抑圧感や不全感を破壊王トランプによって突破しようとしているとも見える。マスメディアやリベラル知識人らの良識は完全に裏切られた。韓国の朴槿恵大統領に対する国民一丸となった怒りの大爆発にも同様の感がある。

 大統領制は国民感情を直接に反映する傾向があるのか? そう思えば、我が国の政治状況は穏やかなものだ(東京都の大統領=都知事選をめぐる小池劇場ぐらい?)。とはいえ、我が国でもインターネットの匿名掲示板やツイッター等ではヘイトスピーチがあふれ返っている。ネトウヨの台頭のみではない。「保育園落ちた日本死ね」という言葉が流行語大賞候補となり物議をかもした。匿名ネットに反映される大衆の集合的無意識は、ヘイト(憎しみ)の爆発の気配が感じられる。来年は芸能エンタメのポジティブな爆発をこそ期待したい。(コラムニスト)



ニュースサイトで読む: http://mainichi.jp/articles/20161220/dde/018/070/014000c?fm=mnm#csidxfe74c9fa610e5848b609aa5505dbf9a http://linkback.contentsfeed.com/images/onebyone.gif?action_id=fe74c9fa610e5848b609aa5505dbf9a