「リストラについて」  松下幸之助 | 21世紀のケインジアンのブログ

21世紀のケインジアンのブログ

金融・経済と時事問題を取り上げています。いろいろなコメントやメッセージをお待ちしております。

 

昭和55年4月2日、松下政経塾第一期生の入塾式翌日、松下幸之助が塾生達に以下のように話しました。「われわれの社会は、人間お互いが飼い合いしている。(略)結局、人間が人間自身を把握しなきゃいかん。だから、人間の把握が一番大事です。この塾で、最初に訴えるものは、人間把握です」。

 

 昨今、日本の指導者に一番欠けているのが、人間の本質に対する洞察力ではないでしょうか。例えば、高齢者は、社会のお荷物と思っていないでしょうか。あるいは、知識や技術の古くなった人を、゛余剰人員゛とみなしていないでしょうか。人の首を切ることが、「大胆な経営改革」と高く評価されていないでしょうか。政治家も、経営者も、すべからく人の上に立つ人は、「すべての人は、社会の大切な資源である」と考える所から発想しなければ、幸せな社会は実現しないのではないのでしょうか。「この世に無駄な人は一人もいない」はずです。

 これから、人手不足社会が到来するかもしれません。リストラすることがいい経営者という社会から、今いる社員をいかに上手に使いこなして業績を上げるのが良い経営者かというように世の中の物差しが変わってくることを考えておく必要があるでしょう。

 ちなみに、松下幸之助の「家族主義」を捨て、米国式の経営手法を取った6代目社長の中村邦夫氏は、45歳以上の社員は要らないと大規模な人員削減を実施しました。その結果、優秀なエンジニアの流失を招いています。

 短期的な利益に追われる上場企業ではなく、長期的な視野で経営することができることは中小企業の利点です。