この問題は、当初「半沢直樹」のように責任を押しつけられそうになっていたみずほの担当役員の常務が私の第一勧銀時代の同期で友人なので、個人的に大変興味があり、追いかけてみたい。
みずほ銀行が暴力団らに融資していた問題は、経営トップがそれを把握しながら放置し、銀行の管理体制も問われている。問題を放置する企業風土や二転三転する説明など、企業法務の第一人者は今のみずほ銀をどうみるのか。久保利英明(くぼりひであき)弁護士は「頭取交代で組織の引き締めが必要だ」と話す。 (聞き手・桐山純平、小野谷公宏)
◆企業法務の第一人者 久保利弁護士に聞く
-暴力団との取引を経営トップも把握していたとみずほが説明を訂正した。
「お粗末の一言に尽きる。資料で報告されていたのに、『問題と認識するまでには至らなかった』とする佐藤康博頭取の説明は納得できない。(社外取締役として参加した)企業の取締役会では、事前に資料が配られ、目を通すのがあたりまえだ。そもそも、資料を読まないのであれば出席する資格がない」
-深刻さを深めたみずほ銀の失敗は。
「三つある。まず、問題が明るみに出たときにトップである頭取が会見で説明しなかったこと。問題の大きさを分かっていない。二つ目は、最初の会見で、暴力団との取引の情報が『法令順守の担当役員止まり』とする真実に反する説明をした。社内調査に真剣さが足りない」
-三点目は。
「佐藤頭取は元頭取の西堀利(にしぼりさとる)氏はこの問題を知っていたと強調していた点だ。自分はシロとの印象をみせたかったのだろうが、元経営陣に責任を押しつけているだけ。ずる賢く腹がすわっていない」
-みずほ銀に何が欠けていたのか。
「危機管理への認識や想像力がない。問題が発覚してすぐに、トップが出てこなかった点でも原発事故を起こした東京電力と同じだ。事故直後に首脳が東京にいなかった東電よりひどいのは、みずほ銀の頭取が東京にいたのに敵前逃亡したことだ」
-みずほ銀には何が必要か。
「部下に責任を押しつけるのではなく、佐藤頭取が辞めて、行内を根本的に引き締めることだ。組織をいくら変えても、社内の意識改革がなければ機能しない」