私が最近注目している動きに原発再稼働反対の首相官邸前デモがある。先週22日金曜日の夜も4万5000人が集まり、首相官邸に向かって「再稼働反対」「大飯を止めろ」と力強いコールを繰り返した。
私が見た範囲では金曜日のニュースで取り上げたのはテレビ朝日系列の報道ステーションだけ。他の系列も報道の現場は何とかして取り上げたかったのか、TBSでは土曜の報道特集、日曜のサンデーモーニング、読売テレビ系列では土曜のウェークアップでほんの少しだけ取り上げていた。
報道ステーション 首相官邸前デモに45000人!
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=dTuHOAW0DVM
新聞はWEB版だけのようだが、各紙取り上げ方が違う。
東京新聞では、
<首相官邸前で再稼働反対デモ>
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012062390003515.html
<関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働決定の撤回を求める大規模なデモが二十二日夜、首相官邸周辺(東京都千代田区)であり、官邸に向かって「再稼働反対」「大飯を止めろ」と力強いコールを繰り返した。
複数の市民グループ有志でつくる「首都圏反原発連合」がツイッターなどで呼び掛けた。政府が3、4号機の再稼働方針を決めた四月から毎週末、官邸前で実施されているが、再稼働が正式に決まった今月十六日以降、これに抗議して参加する市民が増加。
この日は、官邸から霞が関方向へ人の波が歩道から車道にあふれ、主催者発表で約四万五千人が加わった。
これが産経新聞になると、
<反対派1万1千人、首相官邸前でデモ>
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120623/crm12062300100000-n1.htm
<関西電力大飯原発(福井県)の再稼働に反対するデモが22日、東京都千代田区永田町の首相官邸前で行われ、参加者約1万1千人が再稼働の反対と脱原発を訴えた。>
ここでは、新聞を一紙だけをとっている怖さがわかる。東京新聞を読んでいる人にとっては参加者は45000人。しかしこれはまだ「主催者発表」と書いているから良心的だ。産経新聞は11000人。警察発表なのだが、そのことを明記していない。毎日新聞などは両方を併記していて、これが公正なやり方だと思う。
つまり、脱原発派の東京新聞は参加者を多い方の主催者発表の4万5千人とし、原発推進派の産経新聞は少ない方の警察発表の(それさえ伏せているのでやり方はヒドイ)1万1千人としている。首相官邸前の再稼働反対デモの参加者数も掲載される新聞が脱原発派か原発推進かによって大きく食い違っている。残念ながら、これが、今日の日本の新聞の現状である。
しかし、残念なことばかりではない。この首相官邸前の再稼働反対デモは政府が3、4号機の再稼働方針を決めた四月から毎週末、官邸前で実施されているが、一人の看護職員の青年がツイッターで呼びかけて始まった。その後も青年は毎週ツイッターで参加の呼びかけを続け、最初は300人程度だった参加者が二ヶ月あまりで45000人へと膨れあがっている。組織動員されていないデモとしては日本での過去に例がない規模ではないだろうか。
この再稼働反対デモは新聞にもテレビにも出ていないし、組織動員もない。それなのに、ツイッターの呼びかけだけで45000人も集まるようになっている。今回、報道ステーションが報道したことで、さらに多くの参加者が加わるようになるのではないか。また、その番組を見る限り、デモに参加するのは初めてという普通の人が殆どで、職場で再稼働反対の人を誘って一緒に参加しているという人が多いように見えた。
私は、この動きが日本におけるネット時代の新しい草の根民主主義の萌芽となるのではないかと大きな期待を寄せている。願わくは、変なイデオロギーに汚染されることなく、このまますくすくと伸びてほしいと思う。